【歩楽】京都発、トランジットモール作戦
私たちの古都、京都。
悩みのタネのひとつが、観光客の3割が利用している、車。
そのために観光地はおろか、その周辺道路まで大渋滞になることは、何度もHPで指摘しています。
行楽シーズンには「パーク&ライド」実験も行われていますが、いまひとつ。
そこで、このたび 京都市街の中心部で トランジットモールの交通社会実験を行うことになりました。 実験名は「歩いて楽しいまちなか戦略」。 トランジットモールとは、歩行者専用道路(ホコ天)に近いのですが、 ちょっと違うのは、 バスやタクシーなどの公共交通機関だけは通行可能な点です。 |
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この実験では、 市街の中心を東西に貫く4車線の 四条通(川端四条〜烏丸四条間)の、 中央2車線をバス・タクシー専用とし、 外側2車線+元からある歩道を歩行者専用道路にしようというものでした。 また、四条通周辺の道路(蛸薬師通〜綾小路通間の寺町通〜東洞院通)も封鎖し、 ホコ天としました。 |
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一般車両は完全シャットアウトし、
京都を、「車中心の街に代わって歩行者と公共交通機関を中心とした、
歩いて楽しい街にしよう」が今回の実験の趣旨です。
100万都市では国内初の試みだったそうです。
2007(平成19)年10月12日の17〜20時と、
13・14日の12〜20時に行われ、
僕は10月13日(土)の夕方、向かいの家の旧LEADを拝借し、実験の偵察に向かいました。
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さて、我らの山科から西へ 山をひとつ越え、京都市街に入ると、
大量の車が車道いっぱい、溢れんばかりに停まっています。あ、いや、停滞しています(笑)。
土曜の夕方とはいうものの、ありえない位の渋滞です。
実験を知らない一般車両が御池通や烏丸通にあふれ、混乱の模様。
その横を何事もなかったかのように旧LEADで走り去る僕(笑)。
堺町御池から堺町通を南下し、四条通へ。
四条通の2本手前の通り、蛸薬師通に差し掛かると 警備員が多数いて、 そろって「アカンアカン」のジェスチャーでニンジン棒を振っています。 ここから南側がホコ天・トランジットモール規制区域です。 |
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これからが原チャの真の力発揮ですよ。
とりあえずエンジンを切り、メットをメットインに仕舞い、旧LEADをごろごろ押して規制区域に入っていきます。
ガードマンに「(ご協力)ありがとうございます」と声をかけられます。
ふふふ、狭く一方通行の蛸薬師通も車で渋滞。
その先の烏丸通も渋滞しているので、ここの車列は一体いつになったら逃げられるのでしょうか。
ま、僕の知ったこっちゃないけど(冷酷)。
ちなみに自転車も走行禁止。皆さんマジメに自転車を押して歩いてます(笑)。
ごろごろ…(旧LEAD)、テクテク…(僕)。バイクが重い。暑くなってきたわ(笑)。
実験の本場、四条通に到着です。 そこには、信じられない光景が広がっていました。 |
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いつもの、車のごった煮のような四条通が整然としている!! 4車線の車道の2車線分を歩道として拡張した中を、ゆったり歩く人たち。 あいだの2車線だけとなった車道をバスとタクシーだけがスイスイ走ってる。 これが本当にあの四条通なのか?!奇跡としか思えない!! 興奮しつつも外見は平静を装い、僕も旧LEADと散歩。 |
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拡張された歩道は木製のバルコニーっぽく仕上げてあるところが何ヶ所もあり、 ヨーロッパでよく見かけるカフェテリアをイメージしたテーブルやいすも設えてあります。 また、歩道と車道を区切るものは、前回の無粋な赤いパイロンではなく、 環境に配慮した(らしい)リサイクル段ボール製の柵。 金をかけずにオシャレに仕上げてあります。 |
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しかし、車道化した歩道と、もともとの歩道との間の段差が解消されてない個所もあって、
旧LEADを持ち上げるハメにもorz
うう、重い重い!
なのに、すぐ脇にいるガードマンは手伝ってくれへんし(怒)。
肝心の四条河原町交差点は車道の歩道化をしてないので狭いのと、信号待ちの人で滞留。
旧LEADを押してるおれ、明らかに迷惑な人ですわ(涙)。信号が変わって人々が横断し始めるまで身動き取れませんでした。
角に停めたパトカーを除けてそこも歩道にしてよ!!
いいことばかりではありません。
運送会社のトラックも規制区域に入れないので、周辺の学校の校庭や駐車場などを荷捌き場として開放。
そこからカートでお得意さんのところまで運んでいます。
時間に追われているのか、走りまくっていますよ。かわいそうに。
規制区域内のコインパーキングなどは当然客が来ませんので臨時休業。
その損失補填はナシです。ますますひどい。
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実験結果は次のようになっています。
トランジット(略)の四条通は車の交通量が4割以上減少。あたりまえですね。 11ヶ所の無料臨時駐輪場で7000台あまりの利用。 四条通の歩行者数は2割以上増加…となりました。 |
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実験後のアンケートでは、意見が大きく分かれています。
【Q】徒歩と公共交通機関を中心とした、歩いて楽しいまちづくりを進めるべきか?
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これは大方予想された通りの結果ですね。
京都の事情を知らない人から見たら、京都市の行っている一連の実験は良い試みのように思えます。
が、いつものことですが、
京都市で行われる社会実験は、結構「場当たり的」というのか「詰めが甘い」んですよね。
そして、他地域向けのPR不足のため、事情を知らない車が規制区域周辺に集まって、ぐちゃぐちゃになる、と。
今回もかなり歩きましたが、そういったものをやはり感じましたね。
規制区域を抜け、再び旧LEADで渋滞する道を走りながら、
社会実験のために生活に支障をきたしている 地元の人たちに同情したくなりました。
参考資料:「市民しんぶん 平成20年1月1日号
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