使ってもらえないローギア
いきなりですが問題です。
↑の写真はシフトレバーですが、さて、共通するものは何でしょう?
うむ〜、どれもニュートラル(N)からローギア(ロー)に入れにくそうやな。
そう、これらはトラックのマニュアル(MT)シフトレバーなんですね。
最近ではめっきりご無沙汰とは思いますが、MT乗用車のシフトレバーを思い出してみてくださいな。
ローって、多くが左上に位置しています。
なのに、これらはローの位置がバラバラ。バックギア(R)が左上にあったり。
発進するときにギアを入れ間違えそうです。
トラックはミッションの仕組みが違うんやろうか?
…ではないんですね〜。
トラックの発進は基本的に2速で行います。これをそのまま「2速発進」と言いまして。
それを前提にギアの位置が設定されています。
となると、ローなんていらんやんと思うでしょうね。
チッチッチッ、甘い。
乗用車と違って、トラックは荷役をメインにした乗り物ですよ。
なので、荷物をフル積載すると、総重量が大きく増えます。
そういうフル積載時の発進のときに使うのか…と思うと、実はそれでも2速発進できちゃうんですね。
じゃあどこで使うねん、と。
もっとシビアな条件である、フル積載で急勾配の坂道発進のときにローのお呼びがかかります。
僕が知っている限りでは、トラックのローの出番はたったそれだけ。
ローのギア比はとても大きいので、トルクの太さは文句なし…なんですが、エンジン全開でも15km/hが関の山。
ということで、実用的な走行ギアではないため、普段はその存在は忘れ去られてます(悲)。
かつて勤めてた職場のトラックは各社入り乱れてましたので、乗るたびにまず確認するのは2速の位置。
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一番ベストなのは、Nの真上に2速があるパターン。 何も意識せずシフトレバーをスッと前へを動かすだけでいいので楽なんですよ。 |
さきほど「発進するときにギアを入れ間違いそう」と書きました。
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Nの左下に2速がある三菱ふそうのキャンターでは、 うっかり真上にシフトを入れて3速発進でトルク不足でエンスト。 |
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Nの上に4速、左上がRのいすゞエルフの6速仕様は4速発進でエンストの上に、 左にレバーを倒したら力が入ってRに入ってしまいバックして逆オカマ掘りそうになったり orz |
予想外の動作にパニクって、さらに操作ミスをしそうで嫌なもんでした。
事故にならなかったのは運が良かったのでしょう。
お願いやから、MTのギアのパターンはJISかISO規格で制定して統一してほしい…。