オンデマンド郵便車
地方へ旅に出ると、最寄駅から目的地までの公共交通機関の貧弱さに駅前でボーゼンとなることがあります。
福井県の芦原温泉に行ったとき、夕食の内容だけで宿を取ったら、
駅に着いたところで、宿がそれなりに離れていることがわかりまして。
バスはないし、タクシーに乗る距離でもないか(当時マルビやったし)…と歩いた思い出があります。
そんなところを歩いているのは僕一人。皆さん車で移動されてました。
地方の交通は自家用車オンリーなんやなと改めて感じさせられた次第。
ですけど、そういう地域では高齢等で免許を返納したり車の運転を止めちゃったら
たちまち困ります。
かといって頼みの公共交通機関が、
路線バスやコミュニティバスが2時間に1本、タクシー会社は存在しない…、
そんな「公共交通空白地」も少なくないです。
そこで注目されているのがオンデマンド型交通。
その言葉の指す通り、要求に応じてサービスを提供するもので、
常時サービスを展開しているわけではない、予約型の公共交通を指します。
オンデマンドタクシーなら、
乗車場所と目的地・乗車時間・乗車する人の名前や人数を電話やネット等であらかじめ指定して予約すると、
そこまで迎えに来てくれます。
オンデマンドバスの場合は、普通の路線バスとはちょっと仕組みが違っていて、
決まった経路や時刻表もなく乗客の目的地に合わせて最適なルートで運行するタイプや、
予約があった時だけ決められた経路で運行するタイプなどがあります。
運賃はその地域の住民なら一般のタクシーやバスよりは安く利用できます。
自治体が補助金出してますから。交通弱者を切り捨てない姿勢が見えますね。
そして、運行側も時刻表どおりに走らせても乗客ゼロで空気を運んだりすることが無くなり、無駄が減ります。
しかし、それすらも運行が難しい地域かってあるやん。
そこで白羽の矢が立ったのは、赤い車体の郵便車。
全国津々浦々、山奥の集落にも、絶海の離島にも必ずある郵便局。
僕も何度も郵便局に助けられたことから、メインの金融機関をゆうちょに変更したくらいですからね。
で、そういう郵便局は集配もしているので、その集配車をオンデマンド交通に使用するというアイデアです。
(c) 朝日新聞
予約を受けるとタクシーのように自宅前まで迎えに来てくれ、助手席に乗せる。
街中心部の決められた決められた地点で降車可能。もちろん逆もOK。運賃はタクシーの8割に設定。
郵便局側は、その地域に集配物があればできるだけ一緒に荷物を運ぶようにする。
これで利用者も〒側もWin−Winの関係になりますやん。
既存のものをうまく活用している好例ですね。
これは北海道の農村の例ですが、他の公共交通空白地でも普及するといいなぁ。
記事引用:朝日新聞・北海道総合版 2024年10月6日付朝刊