おにぎり型に挑んでいたスズキ




昨年(2023(令和5)年)、スズキの歴史をたどる企業ミュージアム「スズキ歴史館」を訪れまして
(→コラム「15時からの“変態”歴史探訪」)。

全面的にスズキオンリーの世界(当たり前か)に、鈴菌(→コラム「真正・油冷エンジン降臨?!」)に感染しそうになりながら
場内を巡っていた僕の目に一台のバイクが留まりました。




RE−5という名の、見たところちょっと古い形のバイクですが、違和感を覚えませんかね?


他の同じ年代のバイクと並べてみましょうか。

RE−5 GS400



わかりました?

そう、車体の中心に鎮座するエンジンです。





現在一般的な形式である、
シリンダー内で燃料を燃焼させることにより発生させたエネルギーをピストンの上下運動に変え、
更にそれを回転運動に変換させることで動力を生み出す、レシプロエンジンではありません。



ここに搭載されているのはロータリーエンジンです。
排気量は497cc。





軽量コンパクトでハイパワーのロータリーは、事実上マツダの専売特許と思われてますが(→コラム「おにぎり型の意地」)、
なんとスズキも手を出していたのです。





このRE−5は1974(昭和49)年に登場。半世紀も前ですよ!


YouTubeの走行動画の感想によると、フィーリングはレシプロの2ストエンジンっぽいらしいです。
こんなところで盆栽してんと、ナンバー取得して試乗させてくれへんやろか。



それから、メーターのデザインが面白いですね。







「茶筒」と言われているそうで。言われりゃそうにしか見えへんな(笑)。




そして、後継車種や他社が発売することはなく、市販のロータリーのバイクはこれが唯一です。
結局レシプロに勝てなかったのか、マツダに丸め込まれたのか謎ですが(笑)。



((↑)よく見ると、テールランプも茶筒型(笑))



こういうのを見てると、かつてのバイクの世界って自由やったんやなぁと思わせますね。


関係ないですけど、ラジエター、デカっ!