高速Pb(C2H5)4
手術した足のリハビリを兼ねて歩いていると、某ホンダディーラーの前で足が止まりました。
(※「とうきょうと」ではありません。「ひがし・きょうと」です)
(※以前は「東」にルビ振ってあったのに (#゚Д゚))
ショーウィンドーの向こう側に、懐かしい車が展示されていたからです。
1967(昭和42)年に登場したホンダ初の軽乗用車、N360です。
可愛らしいスタイルから「Nコロ」と呼ばれ、人気があったそうです。
当時のままの小ぶりなナンバープレートをつけているところ、
登録を変えることなく半世紀以上にわたりずっと維持されているんですね〜。
それにしても、なんか車が小さくない?
そうです。その後ろには現行の軽乗用車、N-BOXが鎮座していますが、全然と言っていいほど違います。
そのスペックは、
N360 | N-BOX | |
サイズ (長さ×幅×高さ) |
2995×1295×1345 | 3395×1475×1790 |
エンジン | 空冷4サイクル2気筒OHC 354cc |
水冷4サイクル3気筒DOHC 658cc |
最高出力 | 31PS | 58PS |
最高速度 | 115km/h | (データなし) |
タイヤサイズ | 5.20−10−2PR | 155/65R14 75S |
重量 | 475kg | 910kg |
定員 | 4名 | 4名 |
(N360のデータは車に掲げられていたPOPより、N-BOXのはホンダ公式サイトより)
当時の軽の排気量制限から、他社はパワーのある2ストを採用していたのに、そこに4ストで挑むとは。
そして車体も軽い!ホイールも10インチとは、50ccスクーターみたい(笑)。
車の窓に掲げられていた説明のPOPには、「大人4人がラクに座れる空間」で設計されたと書かれていましたけど、
今の軽からすれば2回りは小柄で、窮屈でしょうね。
そして、僕がN360で一番取り上げたかったのは、
リアウィンドーの左隅に貼られたオレンジ色のステッカーです。
これ、昭和50年代半ば頃までの車にはたいてい貼られていたもので、使用するガソリンの種類を示したものなんです。
ひょっとしたら今でも古い車で見たことがあるかもしれませんね。
他には、無鉛ガソリン仕様の青色、有鉛ガソリン仕様の赤色のステッカーがありました。
かつてのガソリンには、オクタン価を上げエンジンのノッキング(異常燃焼)を押さえるため&エンジンの性能UPの目的で、
鉛の化合物がちょっぴり混ぜられていたんですね。
ご存じかもしれませんが、鉛は有害です。
なので、大気汚染や鉛中毒の懸念もあり有鉛ガソリンは廃止され、今はすべて無鉛です。
それに代わって現在のハイオクガソリンがあります。
で、くだんのNコロはパワー不足を補うため、
高速走行と山道では有鉛ガソリンを使ってください…となっていたわけです。
いくら車体が軽いとはいえ、大人4人乗って高速や山道は360ccエンジンに酷ですもんね〜。
って、当時の他社の軽四は2ストでもっと非力だったそうですから、高速走行どころではなかったかも。
なので、高速も走れたNコロは、ホンダのエンジンは、やっぱりすごかったというべきかな。