燃料計は満タンなのに




僕が小学校低学年の頃の思い出話をしましょうか。



今じゃ考えられないかもしれませんが、
かつての一部のバイクでは、ガソリンタンクにキーがついておらず、手で開けられたんです。
常温で気化する危険物なのに、アクセスが超容易(笑)。
まぁ、当時はセルフのガソリンスタンドも存在しませんでしたから、自分でタンクのふたを開けることなど無かったとは思いますが。




あれは初代パッソルやったと思います。色は黄色。
当時はバイクに興味などありませんでしたが、なぜかそれだけは今でも覚えています。


町内のYさん家のパッソル。




ある日のこと。
そのパッソルのエンジンがかからなくなったと困っておられまして。
状況からして故障ではなさそう。燃料計を見ると満タンを指しています。



どうして動かないのか。
よくよく調べてみると…、




タンクに満タンに入っていたのは水!!



そう、ガソリンの盗難に遭っていたのです。


タンクのふたが自由に開けられたからこそできた技です。
それも発覚を遅らせるために細工まで施して。


自分でタンクのふたを開けることなどないことが仇になった話でした。


その後、Yさんのパッソルがどうなったかは全く覚えていません(笑)。



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そういや、「はだしのゲン」で進駐軍のジープのタンクに角砂糖を入れてエンジン焼き付かせるイタズラをするシーンがあったなぁ。
車のタンクも自由に開けられたからこそ子どもにでもできたんやん。


…って、終戦直後のあの時代の砂糖なんて高級品だったのでは。
闇市でくすねてきたんかなぁ。