【特定小型原付】 シニアカー以上、ミニカー未満
「特定小型原付」なるカテゴリが生まれて数ヶ月。
これが生まれたのは長年宙ぶらりんだった電動キックボードを合法的に乗らすためだけのものと思っていました。
(→コラム「ほぼ自転車扱い」)
だって、今までのニホンでは考えられなかったんですから。
「漕がずに走れる乗り物を無免許で乗れる」だなんて。
それだけに、おおかた業界団体がロビー活動をしまくったんやろうなぁと冷めた目で見てたんです。
ところが、2023年の大阪モーターショーにおいて、訪問したスズキのブースで、
隅っこの地味な位置に一風変わった乗り物が展示されているのを見て、考えが変わりました。
スズカーゴというネーミングセンスもスズキらしいコチラ。
スズキのコンセプト「世界中に、ワクワクの、アンサーを。」を体現したひとつ(らしい)です。
このサイズ、この姿形でありながら、なんと特定小型原付だというではないですか!
(右ハンドル部分に緑色の速度表示灯がちゃんとついているのがその証拠)
特定小型原付とは、16歳以上で免許不要で乗れる最高速度20km/h未満のEVの乗り物…の特徴が目につきますが、
実は車両サイズは長さ190cm×幅60cm未満で、車輪の数は関係ないんです。
だから、規格上限いっぱいのフルサイズの四輪であっても もちろんOK。
「特定小型原付 = 立ち乗りの電動キックボード」の呪縛にとらわれ、正直、この発想は全くなかったです。
四輪やったらミニカーになるやん…と思っていたので。
スズキは足の不自由な方(おもに高齢者)向けにシニアカーを長年作ってきてるだけあって(→コラム「100%電動歩行者」)、
特定小型原付に課された縛りの抜け道に気づいたのでしょう。
そこで、既存のシニアカーに遊び心を付け加えたら面白いし、行動範囲も広がると考えて作ってみた、と。
ホラ、シニアカーはもっさりしたデザインですし(失礼)、
いっそのこと これを新しいシニアカーとして売り出してもいいんじゃないですかね。
荷物もたくさん載せられますし、ご近所を速く移動できます。
自転車みたいに転倒する心配も無し。
最高速度を6km/hに設定すれば特例特定小型原付となり、シニアカー同様に歩道の走行もOKになりますし。
これに乗ることで高齢者が明るくポップになり元気が出そうですやん。
と、スズキの担当者にそうお話しました。製品化してほしいなぁと。僕もちょっと欲しいし(笑)。
素人考えと笑われても構わない、蓄音機だって雪見だいふくだって、新しいものはなんでも最初は笑われたんやから。
こういうのこそ端っこじゃなくド真ん中に展示しましょうよ!!