慣れてきた頃に潜む油断
最近、高齢者が引き起こす交通事故がやたらとクローズアップされていますよね。
政府が発表した「交通安全白書」2019年版によると、
75歳以上の高齢者が起こした死亡事故は、
運転免許を保有する10万人あたりの換算で8.2件だそうです。
ちなみに、74歳以下だけでみると、同3.4件。
その差は2.4倍にのぼっています。
運転免許人口を考慮すると、
高齢運転者が起因する死亡事故は数字の差以上に多いことになります。
そりゃ、免許証の返納を声高に言うわけですわ。
でも、高齢者だって事情があって車を運転しているのでしょうし、この年代になると体力の差が大きく広がりますので、
一律に年齢だけでどうのこうのと言えないのが難しいところでしょう。
(→コラム「引退宣言のタイミング」)
で、僕が気になったのは、高齢者ではありません。
こちらの「免許人口10万人あたり死亡事故件数」グラフをご覧ください。
高齢者以外にもブッチギリで人を殺しまくっている年代がいますやん。
10代です、10代!!
いわゆる運転免許初心者世代ですね。
バイクなり車なりの免許を取得して公道デビューを果たした頃は、誰しも慎重かつ丁寧な運転をするものです。
横に教官も乗ってないし、自分の判断だけで走らなくてはならない。いやが上にもプレッシャーがかかります。当然です。
(→コラム「若葉のころから」)
それが、ちょっと慣れてくると、運転が上手くなった気がして横着な行動に走り出すんですよね。
で、横着が無謀へと変化し、その末に電柱だの街路樹だのに勝負を挑んで
車がカンオケになる、と。
第三者を殺してしまうのではなく、自分が事故死するわけですね(→コラム「若気の至りの結末は」)。
そこが高齢者とは違うところかも。
それは僕が身をもって体験しそうになっているから間違いないです。
僕だけじゃない。誰しもが通る道です。
だから、避けて欲しいから、散って欲しくないから声高に言います。
初心に還れ。
記事引用:毎日新聞 2019年6月22日付朝刊