投稿職人の歓喜
1990年代後半のお話。
当時は登場して間もないネットは得体の知れないものであり、
日常会話に「インターネットって何なん?」とよく耳にしたものです。
なので主要なメディアはTVやラジオ、新聞、雑誌といった 主に一方通行のもので、
自分の意見を不特定多数の人たちに伝えたいなら、そういったメディア宛にハガキや封書やFAXで投稿するのが一般的でした。
いまならSNSでいつでもどこでも自由に自分の主張を流布できますけど、
投稿だと自分で文章をしっかり考えて書かなくてはなりません。
ワープロを持ってる人もそんなに多くなかったので、もっぱら自筆ですし。
送れば必ず掲載(採用)されるとも限りません。
TVやラジオにしろ紙面(誌面)にしろ、放送時間やページ数が限られてますし、
編集者などが読んで選ぶというフィルターもありますからね。
ここが難関なんですよ。ライバル(他の投稿者)も多数いますから。
その中でいかに目に留まるように書くか。「職人」の腕が鳴ります。
それだけに、フィルターを晴れて潜り抜け、日の目を浴びたときの喜びといったら!
ラジオの番組に投稿して、オンエアでお気に入りのDJが自分の投稿を読んでくれただけでなく、
内容に感心したコメントをくださったときの興奮は言葉で表せるものではありませんでした。
あらかじめ番組を丸ごと録音しておいて、自分の投稿を読んでくれたところを何度もリピートして聴いたものです。
番組を録音したMDは僕の宝物のひとつです。
バイクの雑誌にも投稿したことがあります。
バイクと共に過ごした楽しい時間を、自分の文章を人に読んでもらいたくて。
掲載されたものをここで紹介しちゃいます。
こんな雑誌です。
「バイク王」 1996年8月号。
あ、同じ名前の中古車販売店とは何の関係もありません(笑)。
表紙には、市販バイクで世界初の300km/hに突入したブラックバードが。
元SMAPのメンバーがアイドルを卒業してオートレーサーに転身したのもこのとき。
懐かしいですね〜。
で、数ページある読者投稿コーナーの一角に、
僕の文章が。
当時おれ二十歳(若)。
本屋で購入し、いそいそとページを繰り、自分の文章が掲載されているのを見つけたときの喜びようといったら!
しかし…、今読み返してみて文体が28年経った今も全く変わらないところが、成長してないというか何というか…(/ω\)ハズカシーィ
各種メディアに投稿した回数は決して多くありませんが、実はボツになったことはほとんど無く、「打率」は極めて高いです。
3割で喜んでるプロ野球選手など相手じゃないです(違)。
これって、僕の文書力は奇特ってことでOKですか、ね?
( ̄ー ̄)b グッ!
誌面引用:「バイク王 NO17」 1996年8月号 (ニューズ出版
刊)
(2024.8.19)