1秒69




車の性能を表すには、いろいろと方法がありますが、最もわかりやすいのは速度でしょう。

最高速もさることながら、加速力はエンジンのパワーを如実に表しますので、
比較しやすい指標の一つになっています。



「0−100」(ゼロヒャク)と呼ばれる、発進から時速100kmに達するまでの時間で表現されます。



一般的な乗用車で10秒程度。高級スポーツカーだと3〜4秒。
高性能スポーツバイクだと2秒台というのもあります。



しかしながら、どうやっても出なかったんです。1秒台が
エンジンだと、発進時にクラッチの絡みなどがあり、どんなに頑張ってもわずかにロスが出てしまうので、夢のまた夢だったんです。


が、それを達成した車が現れたというので、ご紹介します。









エンジンでは成しえなかった壁を、モーターの力はあっさりと乗り越えていきました(笑)。
まぁあの、「0−60マイル」という、アメリカでしか通用しない単位での計測記録ですけど。
ニホンの会社が開発して、イタリアで生産しているのに、なぜ関係のないアメリカ基準で計測なんでしょうか。
あの国、世界の頂点を標榜しているわりに、使用単位は化石クラスですね(笑)。



それはさておき、この車の加速度が一定と仮定して「0−100」に単純に換算したとしても、1.76秒といったところ。
やはり文句なしの世界一でしょう。
しかも、最大の課題がタイヤのスリップ制御だったということは、
まだ加速力を上げることができそうな含みを持たせてますね。恐るべしEV。



ですが、この加速力、ニンゲンが制御できるんでしょうか。
フル加速中にバナナの皮が落ちててもよけきれずに踏んでスピンターンしてノーコンですっ飛んでいって、
電柱か街路樹の餌食になった上に感電死しそうです(笑)。




あと、これを自動車メーカーではなく、
全然関係ない会社が達成していることと、技術力を惜しげもなく突っ込んでいることに、
今の世界情勢においても、道楽的なことに投じる金と余裕があるところにはあるんやなぁと感心しちゃいます。
おれも起業して人材派遣会社を始めるわ(笑)。




あと、加速力だけのために3億5000万円を払える人がいるとはね。
ボロい車の買い替えでさえ ためらってしまう僕は、購入者の家の前に4本98円のバナナの皮を撒いたろかい!って気になりました orz



世の中って、あまりにも不公平ですよね〜。




記事引用:京都新聞 2020年12月28日付朝刊


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※おことわり
同じ車についてのコラムを、かつて書いていたことに、だいぶん後になって気づきました m(_ _)m →「2秒の壁に挑んだクルマ