18歩ぶんの優越感




突然ですが問題です。

赤信号の交差点において、先頭車両が停車すべき位置は決まっていますが、
それはどこですか?

答え:横一文字に引かれた停止線の手前ですね。



質問を投げかけておいて瞬時に回答を出しているのは、
こんなの誰でも知っているからです。こんなところで内容を引っ張ったりしません(笑)。




しかしまぁ、よく、停止線を越えて停まっている車っていますよね→ 




越えすぎて、横断歩道に居座るような形で停まってしまい、
横断歩行者が迷惑な視線をビシバシ浴びせているのもままあることですよね(笑)。




ですけど、赤信号で停止線を踏み越えてしまうのは、信号無視にあたり、立派な交通違反となります。


教習所の修了検定や卒業検定で同様のことをすると、減点100で即検定中止になる恐ろし〜い行為だということ、
運転免許持ってる皆さん覚えてますか?
僕は忘れてました(反省)。




停止線は、大体、交差点のすぐ近くにあるもんですが、
たまに、交差点から異様に引っこんだ位置に停止線が引かれていることが ありますやん。
それを、「停止線の位置が間違っている!」とばかりにそれを無視して前のほうまで進んでる車とかも見かけますね。




しかし、ちゃーんと意味があって交差点から凹んだ位置に停止線が引かれてあるんです。




ホイールベース(前輪と後輪の間の距離)が長いバスや大型トラックなどは、
幅の広い道と狭い道が交わる交差点を曲がるとき、特に小回りとなる左折は内輪差が大きく出るため、
車体を大きく振り反対車線に食い込ませないと曲がりきれないんです。

そのために、停止線を引っ込めて、大型車が余裕を持って曲がれるようにスペースを確保してあるというわけ。


だから、それを知らずに停止線を越えて停まった車のせいで
横の道から来たバスが曲がれずニッチもサッチもいかなくなる、と(笑)。




そういうのも気にせずズンズンと前のほうに進んで、停止線どころか横断歩道も越えて、
交差点の角っこで、信号が青になるのを今か今かと待ち構えるセッカチバイク乗り向けな停止線が、
福井県にあります。


県内の至るところにありますが、
その中から僕はニホン海に面した名勝、越前海岸の最南端に位置する快走路「しおかぜライン」にあるものを選びました。



しおかぜラインの南端側の入口、R8の交差点の停止線はご覧の通り。





停止線の進行方向左端だけ出っ張ってます。
出っ張りは、目測で幅60cm×長さ4mといったところ。





「2相棒」を停めると、ちょうどいい感じに収まりました(笑)→ 




これはいったい何なのか。



えいまる君の推測:

  出っ張りの先端に停車すると、横断歩道がすぐそば。
  なので、横断者にバイクを見せびらかしたり、にらみを利かせたりするための物ではないのかと。
  シグナルブルーで真っ先に飛び出せる特典つき(笑)。
  まぁ、近くに住宅もないし、車がビュンビュン行き交うので、歩くような場所ではないのは気にしない。





…と思ったんですけど、この出っ張り、左折専用レーンに設えてあるんですよね(-_-)
真っ先に真っ直ぐ飛び出したら、後ろからサイレン聞こえてきてさらに目立つやん(・_・;)




件の交差点から2〜300mほど先にある停止線にも出っ張りが。



でも、これ、左の方に うにゃ〜っと曲がってるやん。これじゃあ直進出来ひんど〜。




さらに、しおかぜラインの終点(北端側)には、親分クラスのやつが控えていたのです。


コチラでございます。







正面から見ると、どこが親分クラスやねん、とお思いでしょうが、
横と斜めから見ると、この通り。







車の停止位置がかなり後ろですよ(笑)。

この出っ張りの長さを知りたくて僕の歩幅で測ってみたところ、18歩ぶんもありました。
乗用車2台相当の9〜10mといったところです。




いったいこれはどういう目的のものなのか…?

陽が暮れ、雨が降り出した中で考えて、ハッと気づきました。




コラムの上のほうで書いた言葉を思い出してください。


停止線が交差点から引っこんでいるのは、大型車が曲がりやすいようにするためだったんですよね。
だから、幅の狭いバイクは端っこに停車すれば大型車の迷惑にならない。

なので、
車線の左端に停車することが多いバイクのうち、
左折車だけでも前のほうまで進んでもらっとこうか。




そういう意味合いのものではないのか。



雨に濡れるのも構わず、ひとりバイクの優越感に浸っていました。
交差点の傍らでハシャいでいた僕の横を行き交った多数の車の方たちの目には、単なる不審者に映ったでしょうけど(笑)。




けれど、さすがにこれは出すぎやろ。
表彰台の真ん中でもここまで出っ張ってへんど(笑)。