宅配ピザバイク【スリーター】



かつて、お寿司やラーメンといったモノの配達のバイクといえば、
ホンダのスーパーカブなどを始めとする「ビジネスバイク」が定番だったと思います。


カブの荷台のところに、「吊り下げ式のバネ付きフック」のようなものが装着されていて、
「岡持ち」を引っ掛けてもバイクの振動が伝わらないように工夫してありました。



↑プレスカブ

定価:23万6250円


ですが、ピザ屋の宅配サービスが、配達バイクのスタイルを大きく変えます。

スリーターの採用です。
スリーターというのは、3輪の原付のことです。



それまで日陰的存在だったスリーターは、
乗りやすくて積載性にすぐれているので、
脚光を浴び、一気に人気者になります。



屋根や荷箱付きのスリーターなら
雨に濡れる心配も無い
ですし、

電動ウォッシャー付きワイパーを装備したグレードもありますよ。
クルマ顔負けやん。




↑スリーター、
ジャイロX(エックス)

定価:37万9050円


配達ものことも、「出前」から「デリバリー」と呼ばれるようになりました。
大したことじゃ無いのに、わざわざ英語で言うとカッコよく聞こえるのはどーしてだろうか?



1991(平成3)年1月より、
屋根つきのスリーターも「原付」扱い
になりました。
(それ以前は車の免許が必要な「ミニカー」扱い)

おかげでますますニーズが高まっていますね。



↑最高級スリーター、
ジャイロ・キャノピー

定価:52万3950円(高っ!)


シカゴピザ(←外部リンク)が宅配ピザを始めた当初
(1986(昭和61))のジャイロキャノピーの写真が
チラシに載っていました。




しっかりノーヘルで乗ってますね(笑)。
写真にわざわざ「ミニカー登録」と注意書きもされてます。




今では、ビザにお寿司に弁当に丼のデリバリーにはモチロン、
郵便局、大阪ガス、サニックス、JAFのサービスカーまで
スリーターを使ってますもんね。


とうとう警察までもが


近畿で初めて導入されたこのジャイロキャノピーは
赤色灯を搭載
し、装備も本格的とか。


小回りが利くので、路地の多い飲食街を担当する
滋賀県警彦根警察署・彦根本町交番に配備されたのこと。


彦根地区警察友の会が創立10周年を記念して寄贈したそうです。

警察友の会って…(^_^;)



ま、まぁ原付推奨者の僕としては、嬉しいことこの上ないです。


↑滋賀県警が導入した
「ジャイローキャノピー」





ピザのデリバリーが始まった当初は、
「注文を受けてから30分以内にお届けできなければ、タダにします」
なんてフレーズがありました。
ちょっと懐かしいです。



余談ですが、ピザデリバリーの第一号は、1985年に開店した「ドミノピザ」恵比寿店だそうです。



今、そういったサービスをあまり聞かなくなったのは、どうしてか…、言うまでも無いですよね。
当時の宅配ピザ屋のスリーターは、時間に追われるあまり、公道レーサーばりの走りでしたよ。
家の近所でよく見かけた某ピザ屋のデリバリーバイクなんて、一旦停止などまず停まってませんでしたし。
いくら顧客の満足を満たすためとはいえ、やり過ぎです。



最近のデリバリーバイクは、当時よりはマナーがよくなったと思います。



それに、スリーターは、バイクの得意技である「バイクをバンクさせる(傾けることね)」のが苦手です。
一応、タマが1つの前輪だけはバンクさせられますが、タマが2つの後輪はバンクさせられない(当然か)ので、
急ハンドルを切ると、横転してしまいます。
片輪走行が出来る人は別ね(笑)。



いまでは、タダになる代わりに、ドリンク券などをくれるようですね。




実は、僕もホンダの「ジャイロ」がとても欲しいのです。
車重が原付スクーターに比べ重いので、走りはやや鈍いですが、荷物がいっぱい積めるのと、一々スタンドを掛けなくてもいい点が◎です。
坂道で停めようにも転げて行ってしまうのでは?の心配も無用。
ちゃーんとリアタイヤのロック機構もついてます。



でもなぁ、高いんだ、値段が。30〜50万もする高級車ですもんね。
どこかにお金落ちてへんかいなぁ…。




参考資料:
2004年12月22日付毎日新聞朝刊 (「警察キャノピー」部分)
「モト・モト」2005年5月号(造形社) (「ピザデリバリー」部分)