パパサン
(※おことわり
このコラムの内容は掲載当時のものであり、現在は750ccの水冷OHCエンジンのバイクも販売されています。
→コラム「小排気量&水冷モデルの真の目的」)
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ニポンと太平洋を隔てた地にある超大国、アメリカ。
私たちの国策にいちいちケチつけてきて変えさせ、あたかも自国の植民地のような扱いをしている、あの国です。
そのような扱いを8年間も続けてきた 独裁者 大統領が、遂に外野に追放されるので、ニポンへの態度も変わるかも…。
いや、変わって欲しいね。頼むよ〜オバマさ〜ん。
その国のバイクが今回のコラムの主役。
アメリカのバイクの代表は言うまでもなく、ハーレー・ダビッドソン(以後「ハーレー」)でしょう。
まちがってもビューエルではないね(失言)。
その地位を不動のものにした大陸横断型ビッグクルーザーです。
1903年に、ウィリアム・S・ハーレーと ダビッドソン兄弟が1号車を完成させて以来、そのスタイルにこだわり続けています。
特徴もいうべき 空冷OHV45度Vツイン(V型2気筒)エンジンは、1909年から作られていて、
100年間にわたって採用され続けています。
「ドッドッドッドッ」っというエンジンサウンドは当時から変わらないのでしょう。
ここにその画像を載せるまでもなく、独特のカタチと、ややふんぞり返ったライディングスタイルは、
バイクを良く知らない人にまで「あれはハーレー」と印象付けていますもんね。
ニポン製の「アメリカンバイク」はハーレーをお手本にしているといっても間違いでは無いでしょうよ。
けど、それって悪く言えば猿マネやん。
本場のバイクを越える「ネオ・アメリカン」たるバイクを作ってやる気概あふれるチャレンジャーはいないのか?(笑)
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結構見かけるハーレー。大人数でツーリングされていることが多いですね。
高速のSAとか道の駅などで数十台、数百台とタムロ…いや、集結してるのとかは圧倒されます。
これほどコアなハーレーって、実際問題、ニポン国内ではどのくらい売れてるのん?
ニポン国内のバイクの販売台数は年々減少の一途をたどっていまして、
1982(昭和57)年の329万台をピークに、
2007(平成19)年で60万台と、5分の1まで落ち込んでいます。
世界的な急激な景気の悪化で売れなくなったとか言われてる乗用車よりひどい状況やん。
そのうち、751cc超の大型バイクの販売台数は、たったの4万7000台。
バイク全体の10分の1にも満たないんです。
大手バイク誌の巻頭特集で大排気量車ばかりがチヤホヤされている割に、
大した数がさばけていないことがよく分かります。
しかし、です。
ハーレーは、1984(昭和59)年の757台から、2007年には1万5000台近く売れているんですよ。
国内の大型バイクの実に3分の1がハーレー。
2位のホンダに8000台近い差をつけて独走状態です。
どう思います?この現実を。
ニポンの大型バイク界もアメリカ勢に乗っ取られようとしているわけですわ(笑)。
屈辱もエエとこやで。
それだけ売れているなら、普段からハーレーを見かけそうなもの。
僕、毎日の通勤でバイクをたくさん見かけますが、ハーレーなんて、ごくごくまれに1台見かける程度です。
売れてない国産大型バイクのほうが多く見かけるど。
ひょっとして、ほぼ全てのハーレーがイベントやツーリングに参加するだけなど、
休日のみ稼動なんじゃないの?
ほぼ盆栽レベルやがな。
そんなに大切なら床の間に飾っとけよ(笑)。
あと、ハーレーは排気量が軒並み大きいですね。いかにもビッグがお好きな あの国らしい。
定番「ソフテイル・ロッカーC」は、排気量が96立方インチ≒1584ccです。
ついでに値段もビッグで、267万8000円(!!)。国産のスーパースポーツモデルですら2台買えます(笑)。
最小排気量車が「スポーツスター」の883ccでして、
このモデルは排気量から俗に「パパサン」と呼ばれています。
ちなみに、値段もシリーズ最安値の88万3000円とシャレがきいてます。
現物はコチラ↓
と、いうわけで、ハーレーに乗るには最低でも大型二輪免許が必要となってきます。
しかし、かつてのニポンでは、バイクの免許の暗黒時代ともいうべき
1975(昭和50)から約20年間存在した、400ccまでの「中型限定」免許制度が大きく立ちはだかります。
当時、それ以上の排気量のバイクに乗るには、
国内最難関の資格試験と言われた「限定解除」試験をパスしなくてはならず、
ハーレーに乗れるのは、経済的な余裕と「限定解除」の2つの大問題をパスできた者として、
結構なステータスがあったと思います。
ところが、アメリカの鶴の一声で状況が一変します。
「わが国が誇る大型バイクがニポンで売れないのは、ニポンの免許制度に問題があるからである。
とっとと改めんかい」
そのバイクとは、もちろん、ハーレーです。
弱腰のニポンのエライさんは、「暴走族が大排気量車に乗るのを防ぐため」との大義名分で制定された(と、聞いてます)
「限定解除」制度をあっさりと廃し、いまの大型二輪免許を金で買えるシステムにしてしまったのです。
それで、ハーレーへの垣根がなくなり爆発的に普及したのでは…。
どこまでいっても、ハーレーさまさま、アメリカさまさまですわ、ニポンのバイク界の先端はorz
ちなみに、ハーレーというと、ありえないほどの改造(カスタムチューン)と
爆音マフラー「バリバリバリバリ」を思い浮かべますが、
あれは皆さんマフラーを替えるいるからで、ノーマルはとっても静か。ジェントルマンを思わせるんですよ。
新車状態のフルノーマルは、メーカーが美しいと作り出した形なのに、
ハーレーでそうやって乗られている方をほとんど見かけないのは、どうしてなんでしょうね。
ニポン人の最後の抵抗やったりして(笑)。
参考資料:読売新聞 2008年11月20日付夕刊