急ブレーキアレルギーの君へ
あッ!危ないッッ!!
走行中に突然襲い掛かる危機一髪。
それがどんなシチュエーションを思い浮かべるかは人それぞれですが、対処する方法は限られています。
減速するか、加速するか、避けるか、の3つしかありません。
空を飛んだり瞬間移動できたり、対象物を消し去れる方はこのコラムを読む必要ありませんので
とっととお帰りください (ノ ̄ー ̄)ノ :・’.::・>+○┏┛焼却炉┗┓
で、3つのうちどれを選ぶか。
減速するのがセオリーですかねぇ。一番簡単ですし。
でも、出来ますか?とっさのフルブレーキ。
教習所でバイクの免許を取得する際に習いますけど…、
バイクはタマが2つの乗り物ですので、フルブレーキで「キ――――――――ッ!!!」なんて
スキール音させてリアタイヤがロックすると滑って制動距離が伸びますし、
うっかりハンドルを切ったりすると転倒する(スリップダウンと言います)おそれがあります。
ちなみにフロントタイヤがロックするとハイサイドと言う ライダーが空を飛んでしまうような危険な転倒に繋がります。
だから、実際にフルブレーキを掛けるのは度胸が要りますわ。
僕の記憶の中では、本降りの雨の中、80km/hで走行中に目前で右折をしてきた対向車を避けるのに
フルブレーキを掛けたときが最も怖かった。
リアタイヤはロックして濡れた路面のためほとんど減速せず、
さらに車体が横滑りして生きた心地がしませんでした。
あのころは若かった。
あれ以来、フルブレーキはある種のトラウマになっています。
そういうリスクのあるバイクの急ブレーキ操作を補助するために2つのシステムが登場しました。
ひとつが、ABS(アンチロックブレーキシステム)です。車ではおなじみですよね。
搭載されているシステムが急ブレーキを感知すると、自動的にポンピングブレーキを行い、
タイヤをロックさせずに安全に急減速させる仕組みです。
ABSが作動すると、ブレーキレバー/ペダルが小刻みに震えるので分かると思います。
お乗りのバイクにABSが搭載されているかどうかは、
フロントブレーキディスクの内側に小さな輪っかがあるかどうかで分かります。
もうひとつが、CBS(コンビブレーキ)です。
バイクでも、自転車と同じようにリアブレーキだけを使って減速する方がおられます(例:僕)。
自転車の場合はリアブレーキだけでも十分用を成しますが、
バイクのリアブレーキは総じて利きが悪く、制動距離が長くなるおそれがあります。
そこで、リアブレーキだけを掛けた際に、
自動的にフロントブレーキも応分に作動するようにしたのがCBSです。
これらの装置により、急ブレーキアレルギーの君でも思い切ったブレーキ操作が怖くなくなる…かな?
そして、原付1種以外のバイクにABSもしくはコンビブレーキを搭載することが義務付けられます。
ああそうですか、50ccのバイクはブレーキなんてどうでもいいんですね。
多くの原付乗りの方が法定速度を守ってなさそうなのに(僕も含む)。
ただ、ABSは作動時にブレーキレバー/ペダルがカタカタ震えるのにビビッて
逆にブレーキを握る手を緩めてしまう事例があり、
CBSは、走行中にリアブレーキを軽く踏んで車体のバランスをとるのを邪魔してくれます。
おかげでジムカーナのような競技走行には不利になるんですよ。
ちなみに僕の「2号R」には両方ともついてません。スキール音上等です。
おカマ掘りそうになって急ブレーキで鳴らしたこともあります(笑)。
今後競技走行用にプレミア車になるのは確実ですから、欲しい方いたら交渉に乗りますよ〜(・∀・)
記事引用:carview 2014年11月25日付配信記事