鉄道あるとこ原チャあり


(おことわり:本文中、一部敬称を略しています。



久々にお届けする原ツーネタの始まりは、一通のメールからでした。


HPの常連客であるSHIFTさんからお誘いが。以下全文↓

こんばんは。

急な話ですが、(5月)23・24の土日は何か予定が入っておられますか?

兵庫の和田山に住んでいる知り合いがカブに乗っているのですが、
イリジウムプラグに付け替えて、メットも新調したとかでコチラへ走りに来ようかと考えています。

そこで、もしよろしければ土日のどちらかにでも一緒にプチ原ツーとかしませんか?
ご連絡お待ちしています。



ををっ!いいお誘いではないか!!
すぐにご連絡差し上げました(笑)。


とんとん拍子に話は進み、僕の都合により2009(平成21)年5月23日に決定。
お昼の12時に、京都市右京区のR162と一条通の交差点、「福王子」で落ち合うことにしました。
ずいぶん遅いスタートやな。


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当日、弟のJOGにまたがり、予定時刻ギリギリに福王子交差点に到着すると、すでに2人がお待ちかねでした。
親戚から借りてきたクレアスクーピーのSHIFTさんと、
兵庫県朝来市(旧・和田山町)からリトルカブで長旅をされてきた赤奴さん

リトルカブの荷台には、僕のHPのこどもの日バージョンのプロフィール写真(当時)に対抗してこいのぼりが立っていました。

去年の冬の原付オフ会の時に鳴らなかったスクーピーのクラクションは、修理されたのか鳴るようになっていましたが、
ウィンカーは根元から外れてプランプランのまま orz なぜそこは直ってないのん?!





2人の年齢はかなり離れているわりに仲良くツルんでいるのは、どういった関係の知り合いなのやろう…
と思いつつ、訊けずにいました。


この疑問はあとから分かることになります。



事前の打ち合わせにより、目的地は京都府南丹市美山町の「美山牛乳」と決めていました。
HP上でなんども登場している、バイク乗り疑惑の地です。
R162一本で行けるし、距離も手ごろ。
バイク乗りのお客さんを案内するのにはうってつけ、京都のバイク乗りの推奨ですわ。

意味が分からない人は「美山牛乳」もしくは「殺伐広場」で検索すべし(笑)。


アイサツもそこそこに出発です。


じゃ、SHIFTさんに最後尾を走ってもらって、(お客さんの)赤奴さんに真ん中に入ってもらいましょうか。


言いだしっぺは僕ではないのに、
どうして僕がツーリングを仕切ってしまったのか未だに分かりませんorz




とにかく出発進行〜。
僕にとって原チャオンリーで3台も連なるツーリングは初めてで、ちょっと興奮。
気候もツーリングには程よく、気持ちいいです。


あれ?SHIFTさんのグローブ、真冬ものじゃないの?
SHIFT「夏用のグローブはまだ買ってなくて…」
赤奴さん、パーカーに秋冬物のジャケットで暑くないですか?
赤奴「全然大丈夫ですよ」
5月の下旬だというのに何かが違う…。



気候の良い土曜日だからか、交通量多いめ。
最初から長くキツい上り坂なので、赤奴さんのリトルカブには辛そうです。
立ち上がりで大きく後れをとり、後続のSHIFTさんに追いつかれてますし、後から来る車にも追いつかれて大名行列になってます(笑)。
う〜ん、彼のバイクのパワーと乗員の体重のバランスが合ってない気がしないでもない(笑)。



その辺は先導の僕に任せて!適当に端によって停まり大名行列を解消。
原チャツーリングらしく、のどかなルートをと思い、長いだけの中川トンネルを中川の集落を抜ける旧道をトコトコ走ってパス。

笠トンネル、栗尾峠を越えて、京北の集落に入ってきました。
右京区役所京北支所の向かいにあるスーパー「サンダイコー」でお昼ご飯を調達です。


赤奴「一人一品ずつ買って、3人で分け分けしませんか?」

それ採用。

赤奴さんはエビカツを、僕はサンドイッチを、
SHIFTさんは食後のデザートにドラヤキ(笑)。
他にも個人で食べるオニギリなどを購入。


↑左から

 えいまる (JOG)
 SHIFTさん (クレアスクーピー)
 赤奴さん (リトルカブ)


京北には僕がお気に入りの田んぼの中の休憩スポットがありまして、そこで食べようと思いバイクを進めると、
なんと、超地味な「僕のお気に入り」が先客に占領されているではないか!!
いままで僕以外がそこで休憩してるのを見たことがないのに!!


うう、困った。じゃ、近くのバス停で食べる?
しかし、1時簡に1本しか来ない田舎のバス停の待合はホコリまみれで、とても食事できる環境ではないorz

なので、道端に座り込んで食べることにしました(涙)。

ワイルドと言うのか、なんと言うのか…。
ま、バイク乗りはどこにでも座って休憩する生き物だと思いますわ(笑)。
このように楽しい昼食シーンを、通りかかる車の人たちに例外なく
「何してるんやろこの人らは」的にガン見されますorz
他人の食卓をギロギロ見ないでッ!



すでにピクニックモードの3人。
それにしても、コレおかずが多くない?
バイキングで調子乗って取りすぎたみたいやん(笑)。食べきれるかなぁ。

赤奴「残ったら全部私の腹に収まりますから」
重量かさんでリトルカブの走りが悪化しても知らんよ(笑)。


で、結局食べきれず、SHIFTさんの食後のデザートが丸々残る…。



京都市消防局の防災ヘリが上空をバタバタと飛んで行き、数km北の集落に着陸。
急病人かなぁと話していたら、どうやらVmaxが事故を起こしたらしいです。
R162はバイクの事故が多いんですよね。走りやすいので、
つい飛ばしてカーブで曲がりきれないとか、よくあるみたいです。
この日はネズミ捕りも休業中で僕たちにとっては安心でしたが、速くもなく、遅くもなく、マイペースで走ります。



深見トンネルをくぐり、長い下り坂の先に赤く大きな橋が。
目的地、美山牛乳・正式名称「道の駅・美山ふれあい広場」です。
週末ともなると おびただしい数のバイクが集結し、異様な雰囲気を作り出しています。



さてさて、今日はどうかな〜〜。
あれ?バイク少ないやん。
10台くらいしかいません。どうしたことでしょう。
ま、とにかくバイクを停めるかと、適当な場所に停めようとすると、


SHIFT「こんなに奥に停めるんですか?」


彼としては「おれたちの原チャを見ろ!」と言わんばかりに、最も目立つ東屋の前に停めたい模様

その場所は中途半端にバイクが停まっていましたので、ひとまず分散して停め、

そのバイクたちが発った後に 原チャ3台を並べてやりました(笑)→



ここでのお約束、牛乳タイムです。
向かいの「美山牛乳」で作られた特別に濃い牛乳をご賞味いたします。
昼ごはんのときに サンダイコーで買った安い牛乳を飲んでいた赤奴さんが美山牛乳を「これは濃いね」とこぼしています。
そうでしょ?これを飲むと他の市販の牛乳が水みたいに軽く感じてしまうんですよね。

SHIFTさんは、以前ここに訪れたときに牛乳を900ml入りのビンで購入し、今回空きビンを返して 50円受け取っていました。
ビン代高っ! あ、いや、「美山牛乳」歴は僕のほうが長いのに、僕はいつも200mlの紙パックばかりでビンで買ったことがない。
うううう、負けたorz



つづいて東に5kmの「かやぶきの里」へ。

かやぶき屋根の民家が立ち並ぶ観光スポットですが、
来るたびに俗な観光地に成り下がっていく 
気がします。


それよりも彼らは、この先にある、芦生(あしゅう)研究林に行きたいらしいです。
君らの鼻息が荒くなってるのは気のせいかい?



芦生研究林は手付かずの自然が残る、京都大学の研究のための42平方kmに及ぶ広大な原生林。
一般の入場が制限されています。

公式HPはコチラ↓
http://www.fserc.kais.kyoto-u.ac.jp/asiu/


入林するには、研究林入口の事務所で所定の手続きを行いますが、
僕たちが訪れた日は休日に当たり 事務所がお休みなので、
事務所脇で「仮入林申請書」に記入することで入ることが出来ます。


ただし、毎年遭難死亡事故が起こっているため、単独での入林は絶対禁止
まぁ、フツーの人はわざわざ行きませんわ、こんなジャングルに(笑)。




仮入林申請を行う場所には こう書かれています↓



ここに再度警告致します。
ご自分の命を大切になさって下さい!




ひぃぃ!恐ろしい!!
こんな警告がなされているにもかかわらず、彼らがここに来たがった訳は、
鉄道があるからです。
そう、2人はいわゆる「鉄ちゃん」仲間で、線路のあるところを探検するのが楽しみの一つだったのです。



研究林に入るのをためらう僕に、赤奴さんはさっさと仮入林申請書に記入し、中に入ろうとしています。
「特攻野郎Aチーム」ばりにイケイケ状態になってます(笑)。
遭難する危険があるという山奥なのに、研究林の入口付近はドコモの基地局が建っていてK帯が通じます。これには驚きです。
でも、奥のほうは全く通じないと思いますわ。



さてさて、ずんずん入っていくと、僕以外の2人の目がキラキラ輝きました。
線路を発見。僕の存在を忘れるかのような勢いで 線路の幅について熱く語る2人(笑)。

そして、台車に農耕用らしい
小さなディーゼルエンジンを載せただけのトロッコ
と、
木で組んだ手作り感あふれる貨車も。

貨車の骨組みを見るに、ごく最近作られた様子です。




研究林の奥へ延びる森林鉄道。軌道自体は相当昔に作られたようですが、この雰囲気から今でも使われているみたいです。
現に僕は、15年ほど前に研究林内で特別な許可を得てキャンプをしたときに、人力のトロッコが走っているのを見てますからね。


彼ら、喜び放題です。

赤奴「おれは今猛烈に感動している!」

SHIFTさんは、勝手にトロッコのギアをニュートラルに入れて手で動かして遊んでいます(笑)。
さらに、エンジン始動に使うクランク棒まで見つけて、さらに大喜び。



僕は興奮する彼らの姿を、やや醒めた目で見ていました。
そうは思いながらも、僕は探していた好きなバイクを見つけたとき、きっと同様に興奮するでしょう。
それと同じなのか、と。


線路をたどって奥へと向かうと、さすが研究林らしく、
脇に何かの研究試料が置かれてあったり。
大きな虫網を振り回して昆虫採集している人たちがいたり。


ヘビがいたり、マイナスイオンがいっぱい降り注ぎそうな森林だったりする中に、
なぜか人家や畑があったり、普段着の男の人たちが歩いていたり…。
良く分かりません、ここ(笑)。



そういえば、キャンプをしたときに川の水は飲んではいけないと言われていたのは、
上流に人家があったからなのですね。



1時間余り線路を探検して、遭難することなく無事入口まで戻ってきました。
時刻は16時。ツーリングの再開です。

ここから府道38号線を東へ、佐々里峠を越えて京都市左京区へ。
この佐々里峠のアプローチは、短距離で標高が400mも上がるため、
原付トリオには厳しいもので、
エンジン全開でも思うように登らない…。
カーブの立ち上がりに泥水が流れていて、思いっきりスリップしましたわorz



佐々里峠で記念撮影。「原チャに乗って寝るときは この体勢が一番」とSHIFTさん→



左京区広河原から、オフ会でも走った花背峠へ行くのもいいけど、お客さんもいることやし、いつもと違うところを走りたい…。



京都市の離れ小島中の離れ小島、久多(くた)に行かへん?
2人とも乗り気です。
しかし、久多へ向かう府道110号は、先ほどの佐々里峠よりハードな山道です。
高くそびえる杉の人工林の間を抜け、何度も襲い掛かる急坂急カーブを乗り越え、峠に着きました。

エンジンもおくたびれでしょうし、小休止。
この坂道は空冷50ccエンジンには悪いですわ。エンジンやマフラーが焼けて排気ガスの臭いがヘンですもん。

赤奴さんのリトルカブのエンジンの冷却フィンには多数の金属製の洗濯バサミがはさんであります。
これ何ですのん?


赤奴「空気の当たる面積を稼いで冷却効果を高めています」
なるほど。恐れ入りました。



遠くに久多の集落を見下ろす風景が、峠を制覇した達成感を増幅させます。



いや〜良く走ったし小腹がすいた
SHIFTさんのドラヤキの出番です。
ちょっと疲れたときに甘いものって、体にエネルギーがみなぎってくるんですよね。おいしかったです。
ここでもドコモの携帯が通じたのは、なんだかショックでした。個人的には久多は秘境扱いなのに…。



久多の集落を探検もしたかったのですが、夕暮れが迫っていますので泣く泣く通過。
そのまま東へ。この先は滋賀県の西端を貫くR367。
すると、前方からシニアカー(おじいちゃんやおばあちゃんが乗ってるカートタイプの四輪電動車)が!

周囲には人家もないのに、運転してるおばあちゃんは悠々と久多の集落のほうへ向かっていきます。
まさか、R367からここまでシニアカーで来た筈があるまい。久多からちょっと「遠出」されてただけだと信じたい(驚)。



R367へ出ると、そこは滋賀県大津市です。

同じ左京区の広河原〜久多間より、県をまたぐ久多〜R367のほうが道が整備されています。
どう考えても生活圏は大津市である久多は滋賀県と合併したほうが良いというのが 3人一致した意見(笑)。



あとは京都市街へ一直線。日が落ちてきたのでペースアップ。それでも全体の流れが速いですので取り残される僕たち(涙)。


県境付近で通行料金20円の途中トンネルをくぐります。


トンネルの領収書を見ながら、
SHIFT「この領収書、
1枚20円以上かかっているんじゃないですか」


なんと、豪華3色刷りなんですよ、領収書が(笑)。
この分の経費を節約して全体の通行料金を安くしてほしいねぇ。




県境を過ぎ、再び京都市左京区に入った僕たち。
でしたが、大津市街・琵琶湖大橋方面から合流して来た車が重なり、交通量がさらに増加
流れに乗れず、何度も端に寄って道を譲らざるを得ませんでした。
先導していた中最も気を遣いましたね。完全に日が暮れて真っ暗だったのもありますが。



京都市街の僕のお気に入りの中華屋(※王将ではない(笑))に突撃し、暖かい晩ご飯を食べた後、
深夜営業の喫茶店で遅くまでダベって、昼から始まったツーリングは興奮のうちに終わりました。


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僕の走行距離は157km。燃費は35Km/Lでした。
ここんところ、個人的な原チャの旅は一人ぼっちばかりでしたので、久々の原チャのマス・ツーリングは「熱い」ものでした。
欲を言えば、時間が短かった。走り足らん(笑)。

返す返すも、言いだしっぺでもないのに勝手に仕切ってスンマセン m(_ _)m


また走りましょう。原チャ万歳!