ATでも使ってもらえないローギア
いすゞ・エルフ | 三菱ふそう・キャンター (c) なおきさん | 日野・デュトロ ハイブリッド |
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さて、ご覧にいれましたのはトラックのシフトレバーです。
トラックというとマニュアルシフト(MT)で運転が面倒くさそう…と思われがちですが、
(→コラム「使ってもらえないローギア」)
新車に限っていうとオートマ(AT)のシェアの方が大きくなってるんですね。
(→コラム「プロドライバーからも見放されるクラッチペダル」)
ただ、変速の仕方は、
乗用車のようなトルクコンバータ(トルコン)やデュアルクラッチ(DCT)や、スクーターのような無段変速(CVT)とは異なりまして。
AMTというタイプが主流です。
オートマチック・マニュアルトランスミッションが正式名称。
MTやのにオートマ?どういうことやねん?ってなりますよね。
乗用車で使われているATの仕組みは、トラックのような重量車には不向きなんですね。
でも運転は乗用車のように楽にしたい…ということで、生み出された(と思う)仕組みです。
走行にはアクセルとブレーキの2ペダル式なのはATと一緒なのですが、
クラッチ操作やギアチェンジ操作を車自身が行います。
つまり、アクセルを踏んだままで、適切なタイミングで
車が自動的にクラッチを切り→ギアチェンジをし→クラッチを繋ぐ…を行ってくれるんです。
それでいてキックダウンもお手のもの。
しかも、乗用車のATと違って、ブレーキを踏んで速度を落とすと、それに合わせて6→5→4…と減速チェンジもして、
なおかつエンジン回転まで合わせてクラッチを繋いでくる優れもの。
なので、変速フィーリングはMTそのもの。
車外にいる人にはAMTとMTの違いが分かりません。
ここまで読んだあなたは、トラックのAMTってヤるやん!と思うでしょう。
が、運転してる人は変な感覚にとらわれます。
なぜか。それはAMTの仕組みが発達の最中だからなのか、
運転者自身のタイミングとAMTのタイミングは必ずしも一致せず、もどかしいのです。
いや、正直に言い切ります。アホなんです。AMTが。
その最たるは、
速度が落ちたり上り坂に差し掛かっても減速チェンジせず、
そのままのギアを維持してトルク不足で失速。アクセルを踏み込むもキックダウンしない。
これをアホと言わずして何がアホなのか。
そんな体たらくですので、変な感覚どころかストレスが溜まる一方。
僕の職場でも初めてAMT車が導入された当初からスーパー大不評。
こんなん乗りたくないと文句たれる運転手が続出。
おかげで古い仕様のトラックばかり出番が回ってくる有様。
メーカーもそのあたりを認めている(?)のか、MTモードがちゃんと用意されていまして。
Dレンジの位置からシフトレバーを横に動かすとMTモードに切り替わり、
シフトレバーを上下させることでマニュアルシフトになります。
AMTが嫌でずっとMTモードのまま走ってる方もいましたね〜。
今のトラックもエコ仕様ですので、
もっと速く走らせようとアクセルペダルをベタ踏みしちゃうと制御が入り、かえって加速しないんです。
スピード狂の同僚らの方が制御されてます(笑)。
アクセルをじんわりと踏みこむことでAMTも適切な走りとギアチェンジを行うことに気づき、
アホ呼ばわりされる原因を見抜いた僕は、早々にトラックを手なずけてやりましたよ(自慢)。
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仕事中、AMTのトラックに初めて乗車した同僚から電話が。
「えいまる君、この車 出足がメチャクチャ遅い!!」
すでにAMTを手なずけていた僕は冷静に返答。問題は即座に解決しました。
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メーターパネルを見ていただくと、Dレンジで停車しているのに2速に入っています。
そう、AMTでも2速発進で、やはりローギアはお呼びじゃないのです(笑)。
くだんの同僚はシフトレバーのローギアボタンを押してしまい、ご丁寧に毎回ローギア発進していたんです。
そら遅いわ(笑)。
↑
「1ST START」は、一位通過とかトップバッターとかじゃないですよ(笑)。
その横に表示されてる「エコノミーモード」だと、低回転でジャンジャン加速チェンジをして
速度が乗らないまま6速へ一直線。
トルク不足で更にキレること請け合い(笑)。
今後のAMTの進化に期待(薄)。
写真提供:なおきさん。ありがとうございます