悪者に成り果てたブロック塀
2018(平成30)年度の後半、京都市内の公立の小中学校において異変が起こりました。
学校を囲む、道路に面したブロック塀が次々に撤去されたのです。
↑ うまい具合に工事現場に遭遇できましたわ〜。
あのコンクリート製のブロックって、土地や道路を隔てたり囲ったりするのに便利な代物ですよね。
単価も安いので、たくさん使っても安くつきますし。
たくさん積み上げて高さを稼げば、簡単に目隠しにもなります。
四隅に置いてその上にコンパネを載せたら即席のテーブルにもなりますやん。
応用編として、駐車場に停めてある車のホイールを泥棒され、
何段か平積みしたブロックの上に車体が乗っかっている光景も見たことがあります(笑)。
カタツムリがブロック塀をよく散歩しているのは、コンクリートのカルシウム成分を摂り、殻の栄養にしているからです。
このようにブロックはなかなか重宝するブツだと思います。
難点といえば、色がグレー
一色で地味ってことでしょうか。
そんな便利なブロックも、ひとたび事が起こると、信じがたい凶器となるんです。
2019(平成30)年6月18日の朝に起こった、最大震度6弱の 大阪府北部地震。
震源地から20km以上離れた僕の職場でも、携帯やテレビの緊急地震速報よりも先に大きな揺れに見舞われました。
震源に近い大阪府下で、その大きな揺れにより、
学校の外側を囲っている高さ2m超のブロック塀が何メートルにもわたってバターンと倒壊。
その脇の道路を歩いて通学していた女の子が 倒れてきたブロック塀の下敷きになり亡くなりました。
歩行者は、道路の端っこを歩きましょうということになっています。
特に通学路では、道路の路側帯の色を変えて、歩行者のスペースであることを強調しているところもありますやん。
(→ コラム 「子どもたちを守る?ための色」
)
いわばそこは車が入り込まない「安全地帯」のはずなのに、
交通ルールを守り そこを歩いているにもかかわらず犠牲になるなんて、あってはならないことですよね。
しかも後に、ブロック塀の強度不足が露見。
大きな衝撃を受ければ倒れることは容易に想像でき、明らかな人災だったと指摘されています。
おかげで、高さのあるブロック塀は一律に
「倒れる恐れのある」悪者となり、
コラムの最初に書いたような事態へとなるわけです。
まぁ、あの地震以来、ブロックを積み上げただけの、自分よりも背の高い塀のそばを歩くのは怖くなりましたわ。
そういうわけで、ブロック塀はこんな風に変化しています。
↓ 工事中
↓ 工事後
もとからこれで良かったのではないのかと。
見栄えもずっと良いと思いますが…。