「青いイカ」みたいなマーク




↑某車関係の掲示板に書いてあった話から拝借。

その内容↓
「姉が、車のメーターパネルに、ずっと『“青いイカ”みたいなマーク』が点きっ放し。これは何?と訊いてきた。
そんなことも知らずに、他者(他車)に迷惑をかけっ放しで車を運転していたのか…」
…と言ったもの。




イカ?




おもわず自分の車にそのマークを見に行きましたよ。
…確かにそうやな。青いイカに見えないことはないわ。その発想に思わず笑ってしまった。
だけど、冷静になって、この姉なる人物の行動を笑ったことを恥じた自分がいました。



みなさんは、青いイカの正体が何かお分かりですか?



そう、ハイビームのマークです。

ヘッドライトをハイビームにすると、メーターパネルに、先ほどから何度も登場している 
例のマークが点灯します。




ハイビームって随分前方まで光が届きますよね。
それもそのはず、保安基準では、100m先の障害物が認識できる性能を有することと定められています。
ちなみに、ロービームでは40m先と、手前だけを照らすものという立場です。



ハイビームの対向車が眩しいのは、ほぼ直線的に光が飛んでいるから他なりません。



住宅地などで車同士のすれ違いだとお互いにロービームにするのに、
これが歩行者や自転車だったらハイビームのままお構いなしの車が多いですよね。




眩しくないわけないやろ。




僕が夜、ランニングをしてるときに、ハイビーム車が来たら、
走りながら手で「ひさし」をつくって「眩しくて前が見えない」とアピールします。
それでロービームにしてくれれば万事OKですが、そのままハイビームで迫ってくる思いやりのない車も少なからずいますね。




だけど、ハイ・ローの違いについて、教習所の車の路上教習では教わってないはずです。
僕が当時、夜間の路上教習を受けたときでも、教官は「ライトを点けて下さい」としか言わなかったですし。
バイクの夜間の実技に至っては、場内オンリーですので、ハイビームなど使うはずもないし。



なので、僕がバイク乗りになった当初、
ほとんど全ての車がわざわざ暗いロービームで走っている理由が分からなかったんです。



何も知らない僕は、「明るいのを使えばエエやん」とばかりに、ハイビームで走行。
国道の赤信号で停車すると、斜め前の大型トラックの運ちゃんが窓を開けて言いました。




「ライトを下げて走れ!」




あ、すみません、とすぐにロービームにしたのですが、
そのときにハイビームは他者(他車)に対して眩しいものだと学習したのです。
ケツの青かった頃の一幕でした。




と、いうわけで、夜間の走行ではほとんどロービームのみではないでしょうか。
市街地なら街灯や街明かりで そこそこ明るいですしね。
まれに無灯火で走っている車は、周囲が明るいからライトを点け忘れているのかも。



常点のバイクだと、ライトのことを考える必要が無いので、なおさらわざわざハイビームを使うことが無いでしょう。
僕も今ではほとんどロービームで走行しているため、
たまにハイビームが必要な状況になっても、ライトスイッチをどう操作したら切り替わるんやったっけ?と
慌てることもあるほどです。




ところが、保安基準では、
ハイビームが「走行用前照灯」ロービームを「すれ違い用前照灯」と呼ぶんです。


つまり、法的にはハイビームが基本ということ。なんだか信じられません。
しかし、道交法では対向車や先行車に対して安全な運転を妨げないように減光義務というものがあります。
だから「夜間走行はロービーム」で、と思い込んでしまうのです。
法律上の表現がチグハグなためにヤヤコシイことになっていますね。




とにかく、ヘッドライトの使い方に関してはTPOにあわせて使い分ければいいんです。
でも、万能ではありません。
暗い場所で黒っぽい服装の人などは、ライトで照らしてもほとんど見分けられないこともありますので、
夜間走行は灯りに頼り切らず慎重に。


歩行者や自転車の方は反射材をどこかにつけるなどして周囲に自分の存在をアピールするのが、
安全への第一歩でしょうね。