ブレーキランプが点きっぱなし




スクーターと同じ仕組みの、プーリーとベルトを用いた無段変速機/連続可変トランスミッションを車に搭載したものを
CVT(Continuously Variable Transmission)と呼びます。



現在の国産のAT仕様の車に多く採用されていますね。
4速ATだと変速ショックが大きくて乗り心地に欠けますけど、CVTだとそれが滑らかで、
かつエンジン回転が一定に保てるので燃費も向上する(らしい)です。




ただ、CVTの無段変速の利点がアダになり、
アクセルを離してもエンジンブレーキが利きにくいという欠点があります。
そうなると、細かい車体の制御がしづらく、やたらとブレーキを踏んでしまうことに。



なんでもない道で、先行車両のブレーキランプがパカパカ点灯するのは鬱陶しいですし、
運転が下手くその象徴ともいえます。




僕は、日本でのCVT普及初期からCVT車(ホンダ・モビリオ(当時))に乗っていますが、
当初からブレーキランプパカパカだけがどうしても耐えられませんでした。

なので、減速時は強制的に低速ギアに固定できるスイッチ(ホンダ車だと「Sモード」)を入れて
エンジンブレーキを多用していたら、7年・走行3万kmの間にクラッチが2回も壊れました orz
当時のCVTは低速ギア固定でエンジンブレーキをかけることが苦手だったそうです(現在でも推奨されてませんが)。




ところで、走行中、やたらとブレーキランプが点灯するトラックやバス、見たことありませんか。


あれ、運転が下手なのではありません。実はエンジンブレーキを使っているのです。



トラックやバスを、フットブレーキやエンジンブレーキで減速させようとしても、
重量があるために十分な制動を得にくいのです。
そのために乗用車にはない仕組みが搭載されています。


それが「排気ブレーキ」というものです。



多くの車両ではその作動スイッチがハンドルの左側(国産車のワイパースイッチの位置)にあり、
それを入れて走行中にアクセルから足を離すと
排気管の途中を塞いで、その抵抗で強力なエンジンブレーキをかけることができます。







走行中に「シュウゥゥゥゥ〜〜」と気の抜けたコーラのような音を立てている
トラックやバスは排気ブレーキが作動
しています。



↑排気ブレーキ作動中の表示(※停車して意図的に点灯させています)



仕様なのか、排気ブレーキを使っているときはブレーキランプが点くようになっています。



なので、長い下り坂でブレーキランプが点きっぱなしのトラックやバスを見かけても安心してください。
ブレーキを踏みっぱなしにしているわけではないですので、
フェード現象(→コラム「ブレーキが効かへんがな!」)は起こりませんから(笑)。