ブレーキが効かへんがな!
アクセルをぐいぐい開けて、どんどんと加速。
いつの時代だってスピードは人を虜にします。
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僕が幼稚園時代に乗っていた自転車には、当時流行りだったスピードメーターがついてました。
今のようなGPSやら脈拍やらデータロガー搭載といった高性能なものではなく、単純なアナログ式。
子ども用自転車向けなのに、いっぱしにオドメーター(積算距離計)もついていました(笑)。
それを見ながら急な下り坂を走る、最高速アタックをわずか6歳にして行っていた僕。
その後買ってもらった自転車にもスピードメーターを付けてもらい、
やっぱり急な下り坂でメーターが振り切れる勢いで暴走していた小学生時代。
そんな無謀なことを繰り返していた僕は、いつ人生が終わってもおかしくなかったと、
今になって反省してます m(_ _)m
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そういう命知らずなことが出来たのは、もちろん「停まれる前提」があったからですわ。
加速すれば減速が必要。それを担うのがブレーキの存在。
加速を担当するエンジンは、その性能がもてはやされる一方で、
ブレーキは可哀想なくらいに地味な存在ですよ。
だけど、もしブレーキワイヤーが切れたら、もしブレーキが効かなかったら…。
どうします?
二輪車のブレーキは、
フロントブレーキ、リアブレーキそれぞれがしっかり効いてこそ最大の性能を発します。
その命を支えているというべきブレーキの効きが悪くなったり、効かなくなったりすることが、
運転者の何気ない行為によって起こりうるんですよね。
加熱によりブレーキディスクとブレーキパッドの摩擦力が失われてブレーキが効かなくなるフェード現象。
加熱によりブレーキ液(フルード)が沸騰することで液の中に気泡が出来、
それがブレーキの圧力を妨害してブレーキが効かなくなるベーパーロック現象。
どちらも長い下り坂などをずっとブレーキをかけたまま走るなどし、
ブレーキ装置そのものが加熱してしまうことによって起こります。
100%運転者の責任やん。
これを回避するには、アクセル全閉や、シフトダウンによるエンジンブレーキを積極的に使う。
ブレーキをかけっ放しにするのではなく、ポンピングブレーキなどでブレーキへの負担を減らすなどがあります。
特にエンジンブレーキが効きにくいスクーターや、常に「Dレンジ」で走っているAT車の方は
減速に安易に手足のブレーキに頼ってしまうので注意が必要かと思います。
実はこのコラムを書いたのは、僕自身が経験者だからなんですよ。
ちょうど3年前の桜が満開のころ。「2相棒」と琵琶湖一周をしていました。
リアブレーキをかけるとブレーキペダルを介してガタガタと振動が伝わってきたんです。
最初はブレーキパッドに小石か砂粒でも噛んだのかと思っていたのですが、一向におさまらない。
なんか変やがな〜と、リアブレーキだけ踏んでみると、まるで効いてへんやん!!
フェード現象が起こったと直感し、近くの駐車場にバイクを滑り込ませました。
そこまでフロントブレーキだけ使って走りましたが、バイクの走りがガクガクとし、なんと制御しづらいものなんやと。
このときに前後のブレーキが効いてこそバイクとしての安定感が得られることを思い知らされましたわ。
万が一、前後のブレーキが共に効かなくなったときは、エンジンブレーキやシフトダウンをして徐々に減速して停まってください。
車の場合は、サイドブレーキを徐々にかけて減速。もしくは、車体をガードレールなどに擦りつけて減速してください。
フェードやベーパーロックしたときの対処方法はひとつ。
ブレーキが自然に冷めるのを待つ。じっと待つ。
水などをかけて冷却させると、急激な温度変化によりブレーキディスクが変形・破損する恐れがあるので厳禁です。
冷めると性能が復活しますので、ただただ時が流れるのを待ちました。
20分ほどして、おそるおそるバイクを走らせ、ブレーキペダルを踏んでみると、
ガタガタ音も消え、効きが戻っていて胸をなでおろしましたね。
原因はブレーキの使いすぎではなく、
底のしっかりしたレーシングブーツを履いていたためにペダルの感触が薄く、
ずっと軽くブレーキを踏んだ状態になっていたのに気付かなかったからでした。
要するに、ライディングフォームもなっていなかった、と。
それからは、足先にも注意を払っていますよ。
急な下り坂でブレーキが効かなくな非常事態に備えて、こういったものが設えてあるところがあります。
小豆島の超急勾配に設置されてるこれは、なかなかダイナミックです。
なんたって下り勾配18%を受け止めるんですからねぇ。