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ほとんどのバイク乗りの方は、二輪車に限って言うと、自転車→バイクへとステップアップされていると思います。
自転車に乗れないのにバイクの免許を取ろうとする猛者は…多分いないでしょうけど、そういう変態な方はこっちに置いといて(笑)。



僕も含めてそういう方たちに立ちはだかる壁とも言うべき、ある操作について解説してみようと思います。



それは、ブレーキング

自転車やバイクは前後のブレーキ;
フロント(以後「F」)ブレーキ、
リア(以後「R」)ブレーキ)を別々に操作することが出来ますが、正しい使い方はというと…、
教習所で習ったと思いますが、覚えてますか。



はい答え。前後のブレーキを同時に掛けるんでしたね。
特にバイクではFブレーキをメインに使います。


そんなん当たり前やろ、えいまるアホちゃうか〜と思った方は今日の授業は終了。解散ー!

あれ?そうやったっけ??(不安)な方は続きをどうぞ。


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バイクで走っててブレーキを掛けるときに意識してると分かりますが、
強めにブレーキを掛けると、両腕がハンドルを押すような形で体全体が「前のめり」になりますよね?

このときの車体は、フロントが沈み込んで、リアが浮いたような感じになります(実際に浮いてるわけじゃないですよ)。



なぜそうなるか。難しく書くと、

前に進んでいるバイク(それと自分の体)には慣性の法則が働いています。

そこでブレーキを掛けて減速しようとする

しかしバイク(&体)は慣性のために前に進もうとし

結果としてフロントに大きな荷重がかかる

フロントが沈み込む


と言うわけです。


↑言葉で書くと大変分かりにくいですね(笑)。僕に絵心がないので絵での説明は勘弁してくださいm(_ _)m


続き。

フロントに大きな荷重がかかる

地面との摩擦力が大きくなる

より短距離で停まれます


だから大きな荷重に耐えなおかつ大きな制動力を得られるよう、
バイクのFブレーキはRブレーキに比べて立派
ですし、Fサスペンションもしっかりしています。



一度お手持ちのバイクのブレーキを見てみてください。

・Fがダブルディスクブレーキ、Rがシングルディスクブレーキ

・Fがシングルディスクブレーキ、Rがドラムブレーキ


など、フロント側に重点が置かれているの場合がほとんどです。

F/Rともドラムブレーキのバイクは、
特別速い速度で走ることを想定してなかったり、
ブレーキをよく使うので(新聞配達などのカブなどゴー・ストップが多いなど)寿命が長くするためだったり、
メンテナンス性に優れていることも理由のようです。


かと思えば、SR(ヤマハの400/500ccの単気筒ビンテージバイク)は、一度ドラムブレーキ→ディスクブレーキに変わりましたが、
後年のモデルチェンジの際、デザイン重視でドラムに戻ったケースもあります。




ちなみに、走行中にRブレーキだけで停止しようとすると、ブレーキの利きがゆるいので停止距離が長くなります。
さらにロックしやすく、ロックするとスリップやリアが暴れる、などにつながり危ない
です。

逆にFブレーキだけで停止しようとすると、ブレーキが良く利く分停止距離は短くなりますが、リアがフラつき
やっぱりよろしくないです。



というわけで、返す返すも 停まるときはF/Rのブレーキのいい所取りをすべく、同時に使うのがベストだということになります。
ブレーキを掛ける割合は、コラムのタイトルどおりFが7割、Rが3割が基本です。


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ところで、最初に自転車からステップアップした方に立ちはだかる壁、と書きました。



自転車に乗ってるとき、F/R、どちらのブレーキを積極的に使ってました?
Rブレーキではないですか?


ママチャリなどはFブレーキが利きすぎてロックしやすく危ないですので、Rブレーキばかり使う傾向があります。
マウンテンバイクなどを除いて自転車にはサスペンションなどショック吸収装置がありませんので、
Fブレーキを強く掛けてしまうと前につんのめってしまうのもあります。
まぁ、Rブレーキだけで十分用を足せますしね。



その流れで、バイクでもRブレーキを使いがちになります。
僕もバイクを10年以上乗っているのに、未だにRブレーキをメインに使う癖が抜けないのです。
それはブレーキパッドの減り方に如実に現れ、フロントのブレーキパッドなど3万kmくらい持つのに対して、
リアのそれは2万km位で寿命が来てしまいます。
それくらいRブレーキに依存してしまっているのです。


そういう自転車モードから抜けられない僕のような方むけにバイクのブレーキも進化しました。
それがLEADに採用されている「コンビブレーキ」や、「2相棒」に採用されている「デュアルCBS」です。


どちらも、Rブレーキを掛けると、それに連動してFブレーキも掛けてくれる
「前後同時ブレーキ」システム
です。
これにより、より安全にブレーキ操作が出来るようになっています。
アナログ的なバイクにあって密かに「ハイテク」と呼んでます…ヨイショし過ぎ?(笑)



Rブレーキは役立たずの象徴のような書き方をしてますが、
・坂道発進
・速度の微調節
・走行中の車体のバランス取り

など、Rブレーキにしかできない技もあるので侮れませんよ。

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ここんところ意識してFブレーキを多く使うようにしています。
慣れてないので、うっかり強くブレーキレバーを握ってしまい、「カックンブレーキ」もしょっちゅうです。
もっと早くからやっておけばよかった…orz