ぼったくりライン



先の腐れ縁「真宗Jr」こと「T」との原付ツーリングに気を良くした僕の次のターゲットは、中学時代からの友人「Y」
彼もまた、当時原付免許しか持ってなく、バイクはDio−SR※ホンダの50ccスクーター)。


原付はあまり乗らないと言う彼だったけど、誘うとOKしてくれました。
決行日は96年11月10日。
くしくも「Y」の誕生日


僕と「Y」は、お互いの誕生日にプレゼントを贈る間柄で、僕も色々貰っていたし、当然僕もプレゼントしてました。
モノは男友達同士やから、気の利いたものではないけど、お互いの誕生日を覚えている「結束」みたいなものがありました。
この時も例外なくプレゼントを用意して、目的地で渡そうと目論んでいました。
くしくも、なーんて書いたけど、当然これを狙っていた確信犯(笑)。



さて、目的地はどこにしよう?

今度は原付で日本海に行きたい!
そこで、若狭湾に2つある有料道路のカタワレ、「エンゼルライン」をチョイスしました。


もうひとつの「レインボーライン」は、軽快なワインディングが魅力的な道路。
「走り」を楽しみたい方にはうってつけです。観光バスが多いので時間帯を外した方がいいかも。
三方五湖の眺めも抜群です。
自動二輪の通行料は710円。普通車は1000円。
そこには、その1年前(95年秋)に「相棒」と行ったことがあるし、なにしろ、125cc未満のバイクや自転車は通行できないのです。


それに引き換え「エンゼルライン」は原付や自転車も通行OK
通行料は普通車と自動二輪が同じ値段、なおかつ異常に高く、1640円(当時)もしました。
エルグランド(日産のデカいミニバン)やランドクルーザー(トヨタのデカいオフロード車)等と、たかが150ccのバイクとが同じ値段やねん!!
したがって僕も「相棒」でここに来ることに抵抗があったのです。

が、原付(※125cc未満)と自転車、10分の1以下の僅か160円

↓上から、普通車、大型車1、
大型車2、軽車両等


これに目をつけました。
行かない手は無いでしょう。
ここを目的地にした理由は、たったこれだけ
「Y」が聞いたら怒るやろうなぁ、それで1日振り回されたんやから…。


前回の原付ツーリングで要領をつかんだ僕だったので、「Y」 を連れて走るのは、以前よりは楽になっていました。
僕はまたしても母親のLEAD50(先代モデル)で出撃。


往路:R1〜滋賀県R161〜今津町〜R303〜R27〜福井県小浜市街〜エンゼルライン
復路:R162を京都市内まで一直線



そうそう、ここだけの話、僕、強烈な雨男なんです。 
ついでに、「Y」も雨男
彼と行動をともにすると、大概ロクな天気にならない、一撃必殺コンビです(笑)。
天候は、言うまでもなく、ずっと曇ったまま。晴れ間など一度も拝めませんでした(涙)。


当時、記念撮影マニアだった僕は、滋賀県今津町のR303で、カッコつけたポーズを「Y」に撮らせたり、
エンゼルラインでも原チャ2台と「3ショット」したりとバシバシ写真をとらせました、主役は誕生日を迎えたYなのに(^_^;)

昼飯はR27沿いのチェーン店らしい「8番ラーメン」で。
腹が減ってるのでとりあえず食べる。
店名の由来が「日本で8番目に美味しい」でないことは言い切れる味やった(笑)。


エンゼルラインも、やはり「走り」を楽しめる道です。
日曜でも来る人が少なく、対向車にも気を使ことなく心置きなく走れます
その点で「レインボーライン」より勝っています。ただ通行料が…。


かなりの急坂で山肌を登っていくので、原付では、登りはスピードが出ない上に、
アクセル全開なのでガソリンを大量に消費しました。
不経済〜!(>_<)


坂を登りきり、山頂に着いて、この「エンゼルライン」が何故ガラ空きなのかを知ることになる2人。

だだっ広い山頂広場にはお店が一軒
シャッターが下りていて「当分の間休業します」の張り紙
そこに僕たち2人以外、誰もいない

…全てを知ってしまった瞬間でした。


さらに、
自販機が申し訳なさげに3台。
見える景色と言えば、南を向けば、パッとしない小浜市の町並みが見え(右写真)、
北側の日本海側は開けていて、ただただ海が広がるだけ。
「美しい風景」とはとても言えず
半島の山頂のために周りに遮るものが無く、
暴風とも言うべき潮風が僕たちを襲い続けます。
くどいけど、トドメに雨が降りそうな曇り空


忘れた頃に上ってくる車の人も、あまりの酷さにがっかりして速攻で下山してしまうくらい。


やる気無さ過ぎエンゼルライン!!!


被害額が160円で済んだのが、せめてもの救いでした。


そこでやっぱり記念写真を撮り、暴風にメゲず、Yに誕生日プレゼントを渡しました。
このときのプレゼントは、
僕がラジオ番組からエアチェックしたJ−POPを
年代別に編集したもの、60分テープで3本
も (-。-;


感度の悪いFMから録ったそれは音質は悪いし、曲は途中でフェードアウトするし、
DJの会話まで曲にかぶってるしで、こんなもんを貰ってYは本当に喜んでくれたのやろうかと、
5年以上たった今でも考え込んでしまいます。(・_・;)


帰りは「周山街道」と呼ばれる小浜市と京都市を結ぶR162。
距離が100kmもあり、途中で日が暮れて真っ暗な道をノロノロ走りつづける2人。
一刻も早く帰りたいのに、スピードが出ない。このとき、主役だったはずの「Y」に申し訳なくなりました


プランの立て方がまだ未熟やな、と。
今度は日暮れまでには帰りたい…11月の夜は寒かった!


走行距離は240km


閑古鳥が鳴きまくりで大丈夫なのか、福井県道路公社…


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ところが、2002年7月1日から、「エンゼルライン」は無料開放されています。
おのれ〜、何のために原付でここまで行ったと思ってるんや……。

 

ps:このページのアドレスが「engel-line.htm」になっていますが、angel(天使)のマチガイです m(_ _)m