遠近法を克服せよ




風景画を描くときに遠近感をつけて描きますよね。
近くにあるものは大きく、遠くにあるものは小さく描くと。

たとえば、

これは絵ではなく滋賀県のマキノ高原メタセコイア並木の写真なんですけど、同様です。
ほぼ同じ高さの並木なのに、手前の木よりも遠くのほうの木は小さく見えます。




という前提を踏まえたうえで、本題にまいりましょう。




道路上にはさまざまな文字がペイントがなされています。

「止まれ」とか、「50(最高速度)とか、「←京都市内」とか、
「この先急カーブ」とか「死亡事故多発」とか…。



またあのペイントは雨などで濡れているとよく滑るんですよね。特に塗りたてだと尚のこと。
それがカーブなどに描かれていると、タイヤが2つしかないバイクではさらに滑って転倒しそうでビクビクするんや。

素材を滑りにくいものにするとかの対応をいつになったらしてくれるんやバカヤロー!



…って話がそれました(謝)。




えーと、これらの書き文字をしげしげと見ると、縦長になっていて読みづらいです。
これは、遠くから見たときに普通の文字に見えるように工夫してあるからであり、
立ち止まってしげしげと見るものではありません(笑)。


でも、遠近法がここで邪魔をします。
先のほうの文字がどうしても小さくなってしまう…。


早い速度で走っているから流れるように文字が読めるし問題ないがな〜とお思いでしょう。


確かに文字数が少なければパッと目に入るので構わないのですが、
文字数が長いと一度に読みきれませんし(道路に長文を書くことに問題があると思うが)、
文字を読むのに気をとられて前方への注意がおろそかになってしまいそうです。



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京都府の亀岡市の田舎道を走っているときに出くわした道路のペイントに、
ものすごい違和感を感じてバイクを停めました。


それがこのペイント→

斜めから見ると普通の書き文字のように見えますが、

正面から見るとこの通り →




遠くに行くにしたがって道幅は遠近法のために狭くなるように見えるのに、
文字の大きさはそろっています。


普通のペイントの写真を並べると、
一目瞭然。


違和感どころか気色悪い!


どうなってんのん?
手品? 天変地異? それとも、おれ 狐につままれてる?




左の写真の「速度落せ」の先に問題の気色悪いペイントがなされているのですが、
かなり手前のほうから見るとタネが見えてまいります。






1文字ずつ大きさを変えているのです。     






なるほど〜、遠くのものは小さく見えてしまうというのを逆手に取ったトリックアートの一種ですね。
「横断歩道注意」の最初の「横」と最後の「意」では文字の幅が倍くらい違います。


タネが明かされて安堵する僕。
いいアイデアやん。
これだと文字数が多くても読みやすいですし、注意喚起に向いてますね。



普及していくかな…と思いたいのですが、
1文字ずつ文字の大きさを変えなくてはいけないので、ペイントする業者さんにとっては面倒くさいやろなぁ。