消防車+救急車




消防で活躍する真っ赤な消防車真っ白な救急車


徳島県の地方都市で消防士をしている友人曰く、
火災は月に1件くらいしかない
(それも大半がボヤ)けど、救急搬送はすごく多い、と。
しかも、高度な治療が必要だったり、近隣に受け容れられる病院がないと、高速を使って隣県へ搬送しなければならないそうですわ。



曰く、消防車よりも、救急車を増やしてくれ、と。



多くの自治体が同じ悩みを抱えているように思います。
大きな火災や災害のために それなりに赤い車両を配備しなけりゃならないのは分かりますけど、
大半が本分を全うできず経年劣化でお役御免になっている気がします(→コラム「働かない車」)。


それに車両だって安くはないんですよ。
一般的な普通消防ポンプ車が1500万円。普通救急車が900万円。
立派な高級車です。それが車庫の肥やしではなぁ…。



そんな問題を一挙に解消する画期的な乗り物が、われらが京都市にはあります。


↓コレ







走っているところをあわてて撮りましたので不鮮明ですが、
普通消防ポンプ車と普通救急車の両機能を備えた“ニコイチ”な車両。
「消防救急車」という乗り物です。




ストレッチャー2台に、傷病者の処置が出来る各種装備と、
毎分2400リットルの放水が出来る消防ポンプが装備
されています。

乗車定員は9名
ポンプ車の定員5名+救急車の定員3名よりも多くの人員を輸送することが出来ます。

カラーは見てのとおりポンプ車の赤と救急車の白を組み合わせたツートンで、お目出度そうです(笑)。

サイレンも「ウーウー」と「ピーポーピーポー」の2種類が鳴らせます。

ちなみに、両方を別々に買うより500万円も安いんです♪



2007(平成19)年にニホンで2番目に京都市に配備されました。
北区の中川という山間部の消防出張所に所属しています。



↓当時の京都市の広報誌「市民しんぶん」に記事が載ってました。





車両のベースは日野の2トントラック「デュトロ」。

トラックベースの救急車はサスペンションが硬く振動が強いため、
寝かされている傷病者に負担がかかるので現在では採用されていません。
乗用車ベースではさすがに両機能搭載は無理だったか…。



とにかく、両者のエエところをうまくミックスさせたなと思います。

でも、全国でまだ4台しか稼動していない(らしい)ところを見ると、
激レアと言うより、もしかしたら使い勝手に難があるのかも…。




記事引用:「市民しんぶん」 平成19(2007)年6月号