ハイブリッドバイクの絵空事



ここ数年、「CO2削減」をキーワードにした製品がたくさん世に出てきていますね。
耐久家電である冷蔵庫やエアコンの省電力化といい、車の燃費向上といい、
電球から電球型蛍光灯 化といい、廃棄物のリサイクルといい…。



いかにしてCOの排出量を減らすか、国や企業が知恵を絞っています。
躍起になっているのは、このままではCOP3(気候変動枠組条約締約国 第3回会議)で批准した
ニポンにおける2010年のCO2削減の目標・「1990年比の6%減」が
今のままだと達成できない
からです。


数値目標の達成が全てなのか?と思うのです。
エコロジーをうたうのは大いに結構なことです。が、……あー…上手く表現できないのですが、
いまの環境政策のベクトルは、
本来目指すべき「環境問題の解決の方向」を向いていない気がするんですよね。

僕が環境がらみの仕事をしているからこそ、感じるものが。


そんなことをぼんやり考えながら、今回のコラムを書きました。


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バイクも、よりエコロジーな乗り物になりたい、と言いたげな新聞記事を見つけました。


「ホンダ ハイブリッド二輪開発」と大きな見出しがなされています。
本当?本当に出るの? 本当の本当の本当に出るの???
過去には何度か「出る」といわれては立ち消えしている実績(?)がありますので、半信半疑以下ですが(笑)。



ともかく、記事を要約すると次のとおりです。どれどれ…↓

2010年代半ばにハイブリッド二輪車を発売する方針

・モーターとバッテリーを積むハイブリッドはスペースが限られるバイクでは困難だが、
ホンダは車用小型ハイブリッドシステムをバイクに応用可と判断

・200〜1000cc超クラスのバイクに搭載

燃費は同等性能のガソリン車の50%程度向上

・値段はガソリン車より数十万円高くなるが、ハイブリッドカーと部品を共通化しコスト削減




なかなか良さそうな感じをさせます。ま、今はまだ絵空事ですが(失言)。


世界初のハイブリッドカーとなる、「21世紀に間に合いました」のセールスコピーでデビューした、
トヨタのプリウス発売から今年(2008年)で11年
バイクも追いつこうとしています。



ちなみに、「電動二輪車」も発売すると大風呂敷を広げています(問題発言)。
要約はこちら↓

・小型の電動二輪車を2011年に発売する方針

・スーパーカブの後継車種やスクーターとして投入

1回の充電での走行距離は30km

電気代はガソリン車の数分の1

・高性能なリチウムイオン電池を使うためコスト高だが、ガソリン車との価格差はガソリン代の節約で元が取れる範囲に


こちらは既にヤマハのパッソル(生産終了製品)で先行していますので、驚きは少なめですが、
専用シャーシを使うのではなく、現行のバイクをベースに電動二輪車を作るところに興味をそそられます。



それにしても、技術の進化ってとどまることを知らないんですね。
って、とどまったら、それは退化の始まりとも言えるのですが(笑)。

ハイブリッドカーが世に出た頃は、
バッテリーの寿命の短さに逆に出費がかさむのではとか、
高速走行では「魔法の解けたカボチャの馬車」とか、
性能的なことで叩かれもしました。が、
いまでは十分な性能を有し、立派に市民権を得ていると思います。
なにしろトヨタの最高級車ブランド、レクサスでも採用されているんですからね。
ま、5000ccのエンジンを載せたハイブリッドカーでエコとか言うてるのやから笑止千万やな。


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僕のバイクのハイブリッド化に感じた疑問を記してみました↓

以前にも書きましたが、バイクはエンジンサウンドがシンボルだと思います。
ハイブリッドだと、パワーの要る発進時はモーターで、通常走行時はエンジンと言う使い方が普通です。
これをそのままバイクに置き換えると、
ゼロ発進では「す〜〜っ(モーター)キュキュキュ(セルモーター)ぶおーーーん(エンジン)」

こんなの恥ずかしい〜!
モーターとバッテリーの分のでどれほどの重さになるか知りませんが、
重量増加により減少する燃費は無視されるのでしょうか。

30年ほど前にバイクにもターボエンジンが搭載され、小排気量でも大きなパワーを生み出せる!はずだったのに、
車両重量が増えて、せっかくのハイパフォーマンスが吸収され、結局廃れたのをお忘れですか。
よく言われることですが、ハイブリッドシステム生産時に大量のCOを出していますが、
それも無視していいのですか。
↑は良いとしたとしても、どれだけの距離を走れば元を取れるのでしょうか。
某ハイブリッドカーは、同等のガソリン車との価格差の元を取るためには10万kmくらい走らなくてはいけないと聞いています。
バイクのハイブリッドはそれだけ車両が持つのでしょうか。

そして、最大の問題。

バイクの免許や税金は エンジンの排気量だけでなく、
セグウェイや電動キックボードなどのようにモーターの出力によっても左右されますが、
ハイブリッドの場合、両者を合算して扱わないと辻褄が合わなくなりますが、どうでしょう。


たとえば、レクサスのLS600hは5000ccのエンジン+モーターで6000ccクラスの走りをする、として、
その車名(600h(「h」はハイブリッドのことね)」)が与えられています。
この場合の自動車税は5000ccのエンジンに対してのみ課税ですが、

バイクで同様のことをすると、
大型車はともかく、中型車以下では困ったことが起こります。


「400ccのエンジン+モーターで600ccクラスの走り」などとした場合、
必要な免許は普通二輪なのか大型二輪なのか、どっち?

「250ccのエンジン+モーターで400ccクラスの走り」だと、
税金は250cc相当の2400円なのか、400cc相当の4000円なのか。車検は要るのか要らないのか、どっちやねん!



まさか、排気量と税制、免許制度のバランスを取るために、中途半端な排気量のエンジンを開発し…
たとえば、275ccのエンジン+1kWのモーター(125cc相当)を搭載し、合計で400cc相当にするとか…??
それだと、エンジンの開発コストが無駄にかかって販売価格に転嫁されそうですねぇ〜。


などなど、疑問はつきませんが、ホンダはどういったハイブリッドバイクを登場させるのか、
その日を楽しみにしようじゃありませんか。


参考資料:毎日新聞 2008年9月27日付朝刊