ハンドルキーパーの達人




年末が近づいてきて、お酒を飲む機会が増えてきてますが、飲んでますか〜?!


飲酒運転は絶対アカン!ってのがすっかり定着した(?)からなのか、
一時期躍起になって言っていたフレーズを今一度思い出してみようと思います。



それは、







ハンドルキーパー



みんなで車に乗ってワイワイとお酒飲みに行くなら、最低でも一人は酒を飲まない人を運転者として確保し、
楽しく安全な時を過ごしましょう…そういうコンセプトのものだったと思います。




さて、前の職場の仲間内での、忘年会にかこつけた宴会に誘われた僕は、
雨の中、カッパを着てバイクで鍋料理屋へ乗り付けました。



そこではテッチリ(フグ鍋)を食べたのですが、
出席者はフグよりも酒メインで3時間半も店に居座ってベロンベロン(迷惑な客やなぁ)。

僕は1次会で帰るつもりだったのに、「お前一人だけ帰る気か、水臭い奴や」と半ば脅され(orz)、2次会に強制参加に。



皆がタクシーで移動する後ろを、カッパを着た僕がバイクでついて行かされました。
いつでもドロン出来たのを途中離脱せず、ちゃんとついて行ったところは褒めてや(笑)。




到着したのは先輩行きつけの小さなスナック
店のオネーチャンも巻き込んでボトルキープしてあった酒をがばがば飲み干し、
皆でマイクの奪い合いをしながらカラオケを歌い倒して、大いに盛り上がること5時間(!!)

スナックのママに、閉店時間を大幅に過ぎてるから帰れと店を追い出されるようにしてお開きになったときには、
日付が変わって午前3時になっていました。

夜遊びに慣れていない僕はもうヘトヘト。




本音を言うと、酒の席ほど辛いものはないです。
だって、年中食欲旺盛な僕やのに、食べるものが無いやん。


フグ鍋では、穀類(特にご飯)が無いからお腹が膨れなかったし、
スナックでは、チョコレートと「チーズおかき」と乾き物をほとんど一人でモリモリ食べましたけど、
そんな物で巨大な腹が満たされるはずがなく、

長時間の宴が終わっても空腹のまま
なかなか高い会費を払っているのにこれでは割が合わんわ。


皆は店で呼んでくれたタクシーに乗って帰ったり、3次会へと突入(!)したり、三々五々去っていきました。



僕は一人、スナックの前に停めておいたバイクに跨り、
帰り道にある深夜営業の食堂でトンカツ定食でも食べていこかな…と雨上がりの夜道を走り出した
その直後、



次のステージが突如幕を開けたのです。




背後で、赤い回転灯がくるくると回っている黒のクラウンが
マイクで僕に停まるように言っているではないか。





クラウンの助手席から黒い上下を着た若い男性が降りてきて、

「こんばんは、交通機動隊です」



ついさっきまでカラオケで絶好調だった気分は一気にどん底に。
おれ、何もしてへんど。いま走り出したばっかりやからスピードも出てへんし。



僕 「はい、何でしょうか?」
警 「こんな時間なんでね、ひょっとしてお酒飲まれてるんじゃないかと思いまして」


交通違反の現行犯で停めたんじゃなかったのか。

警 「いま仕事帰りですか?」

午前3時やのに、そんなわけないやろ。こうなりゃ先制攻撃や。



僕 「ついさっきまでスナックに居ました(正直)」



アッサリ告白する僕に、困惑した様子の警官。ちょっとボディーブローが効きすぎたかな?

車のトランクから水を出し、口をゆすぐように言うので、水を受け取ってクチュクチュしました。


警 「ちょっと(私の顔に向けて)息を吹きかけてもらえませんかね?」


ならばと、フーッと息を吹いたのに、


警 「ちょっと風があって(臭いが)分かりにくいですので、車の中で改めてやってもらっていいですか」


風なんか吹いてへんやん。コイツおれを疑ってるな。
大体、このタイミングで覆面パトカー登場って、上手く出来すぎちゃうか?




覆面の後部座席に座らされると、運転席に居た年嵩の増した警官に「大型」免許が記載された免許証を提示し、

警 「忘年会の帰りですか?」 「トラックの運転手さんですか?」

僕 「そうですよ(正直)」


僕の隣では先ほどの若い警官が「ガス検知器」と書かれた器具を取り出し、飲酒検知の説明を始めたのを見て、



確信してるな、これは。



警 「もういちど息を吹いてもらっていいですか」

僕 「フーッ!」

警 「……あ、結構です。お手間おかけしました」


こうして僕は開放され、家路を急いだのでした…。




さて、僕が無罪放免となったのはどうしてでしょう?

ヒントはコラムのタイトルね。





鍋料理屋での3時間半と、スナックでの5時間の間、一滴の酒も飲まなかったんですよ。
酒を提供するところには行ってるけど、僕が酒を飲んだとは、どこにも書いてませんぜ。



警 「ちょっと顔が赤いので、飲まれてるのかなと思ったんですよ」

なんて言われてカチンと来た僕は、冷めた口調で

僕 「(顔が赤いのは)アトピー肌のせいです。『朝から飲んでるんか』としょっちゅう言われてます(実話)」

と、キツい嫌味を込めたアッパーカットを食らわしてやりました。



飲まなかったというより、体質的に飲めない「下戸」なんですよね。
だから、僕もハンドルキーパーとして上手く使われてます。

シラフで酔客の輪に入ってペースをあわすのも慣れっこですわ(笑)。




飲み屋で「ご飯と味噌汁、それからコーラをピッチャーで持って来い!」と言うのは僕ぐらいでしょう(笑)し、
スナックにバイクで乗り付けて5時間も居座りながらもシラフで帰るのも、僕ぐらいやろね(笑)。



さっきの警察も、偶然を装って僕を停めた風でしたが、
気づいてたんでしょうよ。スナックの前にボンと置かれたバイクに。
持ち主が出てくるのを待ち伏せしてたんじゃないの?



そこへ店から出てきた僕がバイクに乗ったら
「スナックから鴨がネギ背負って出てキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
とっても分かりやすい飲酒運転キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!」
と喜んで追いかけた、と。



甘い甘い。宴会にバイクで乗りつけるのは僕の常套手段なんやで。
酒なんか飲まへんから、怖いもんあらへん。



交通機動隊の諸君!世の中には常識の斜め上を行く猛者(僕)も居ることが良く分かったやろ〜(*´艸)ププッ 勝ったヽ(゚∀゚)ノ
長いこと待たせたのに収穫なしで、ご・く・ろ・う・さ・ん( ̄ー ̄)



そういうわけで、ハンドルキーパーの座は誰にも譲らへんでぇ〜。