ハートはスーパーバイク
サーキットを猛スピードで駆け抜けるレーシングバイクやレーシングカー。
鈴鹿8耐やF1などの頂点を極めるレースから、週末に 改造した市販車を走らせる草レースまで、
さまざまなモータースポーツがありますが、その魅力はなんといっても速さでしょう。
まぁ、「遅い」レースの存在を否定するわけではありませんし、遅いのには遅いなりの楽しさがあります。
エエ歳こいた大人たちが真っ赤な顔をして漕ぎまくる「三輪車レース」とかコミカルで笑えますもんね。
大多数のレースは速さが肝。
しかしながら、そういうレースを走る車は車体構造やメカニズムをはじめ様々な点で特殊であるため
一般公道を走れる基準を満たさず、サーキットという閉ざされた空間でしかその能力を発揮できませんでした。
ところがです。コチラの車をご覧ください。
※「CAR GRAPHIC WEB」より画像を転載しました。
この車の正体はラディカルというイギリスのレーシングカー。
どこをどう見てもレーシングカーなのに、ご当地ナンバーの「伊豆」ナンバーをつけています。
ル・マン24時間レースにも出場したことがあるこの車、
なんと日本のナンバーを取得し公道を走ることが出来るのです。
そういう夢のような車が存在することは登場したときから知っていたのですが、
どこの何という名前か知らなかったので、今まで紹介できなかったんですよ。
サイズは、全長3660×全幅1630×全高1080mm。
軽のスポーツカー(コペン(ダイハツ)とか、カプチーノ(スズキ)とか、ビート(ホンダ)とか)を幅広にした程度の大きさで、
だいぶんコンパクトです。
普通のF1カーは空気抵抗を極限まで抑えるため、最低地上高はたったの20mmなのですが、
それだと、最低地上高90mm以上というニホンの車検の基準を満たさないため、
ラディカルは100mmあるのが惜しい。
まぁ、10cmでもそのへんの窪みで底を擦りそうですけど(笑)。
実はこの車、心臓部分がバイクなんです。
スズキ・GSX−R1300隼と、カワサキ・ZZR1200の、
直列4気筒エンジンと6速ミッションをそのまま流用。
ハイパワーでコンパクトなそれらを使えば、軽量で戦闘力の高いレーシングカーが出来るのではないか…が、
そもそもの開発コンセプトなんだそうで。
欧米のバイク勢を押しのけてメイド・イン・ジャパンが認められるなんて素晴らしいやん。
前出させた軽のスポーツカーですら魅力的なのに、
そこへハイパワーなバイクのエンジンが乗っかっていれは、さらに刺激的でしょうよ。
ちょっと欲しくなったわ…と値段を見ると、
1098万円。
ゼロが一つ少ない国産の軽スポーツカーでガマンしときますわ……はぁ〜(溜息)。
参考:JAFMATE2012年12月号
2015年の東京モーターショーでもラディカルは展示されました。
しかし、サイズが妙に大きくなって3ナンバーになってるし、どうなってるのかなとスタッフの方に訊くと、
現在のラディカルは
フォードの直4・2000ccターボと、V6・3500ccツインターボのエンジンを載せているとのこと。
バイクのエンジンでは現行の排気ガス規制が壁になり、また性能上の問題もあるとのことで、車のエンジンに変更したそうです。
お値段は、直4モデルが1390万円、V6モデル(↑写真)が2600万円です。
とても買えません orz