ハイスピード一般道




僕の毎日の通勤ルートである国道1号線は制限速度50km/h

しかし、早朝の幹線道路の車の流れに乗ってるときのスピードメーターは、
60〜70km/hを指していることがよくあります。



別段、通勤時に限らず、制限速度をキープして走っていることよりも、
多かれ少なかれ速度オーバーしていることのほうが多いのではと思います。


速度を意識するのは、
パトカーが視界に入ったり、いつもネズミ捕りをしているポイントに差し掛かるときくらいかな(笑)。



速度超過の交通違反で「1点」で済む、プラス15km/hまではK察に捕まらない「安全圏」だとよく言います
(ただ、数km/hオーバーで検挙されてキレた人を知ってますので、一概にとはいえませんが…)。


だから、その範囲内の速度…たとえば制限速度が50km/hなら
65km/h位までが「現実的な」速度
なのかなぁと思っちゃいます。

こうなると、制限速度の標識なんぞ道路上の飾りですわ(笑)。



まぁ、一般道における道公法上の「自動車」の上限速度(いわゆる法定速度)が
60km/hってのも、時代にそぐわなくなってるんですよね。



過去をさかのぼると、
1992(平成4)年10月までは、速度制限は「高速車」「中速車」などと区分されていて、

 

法定速度

適用車種

高速車 60km/h 大型乗用自動車、普通自動車、250ccを超える二輪車
中速車 50km/h 「高速車」と原付以外の自動車


となっていました。


今でこそ




と だけ書かれている速度制限の道路表示は、
当時は



(↑写真提供:トラウトさん)


なんて書かれていましたもんね。


ちなみに、当時は高・中速車以外に
低速車(法定速度30km/h) という区分もあり、これは言わずもがな、原付のことを指していました(涙)。
そりゃ遅い乗り物なのは否定しないけど、「低速」なんて表現はないやろう… orz



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ところが、21世紀になると、世の中変わってきちゃったんですよ!


2005(平成17)年に、宇都宮市の国道119号線の「宇都宮北道路」が、
一般道にもかかわらず、制限速度が60km/h→80km/hと法定速度を超える速度制限に改められたのです。


大半の車が制限速度以上で走っている実態があり、また2003年の供用開始から2年間で
交通事故が物損1件だけだったとの実績から、制限速度を上げても支障がないと判断されたもの。



現実的でない遅い制限速度はK察の「策略」と思っていただけに、

をを〜、栃木県警やるやん。

…と単純に喜んだアナタは早とちり。



なぜこのコラムを書いていると思う?バイクに被害が及んだからですよ。



なんと、「宇都宮北道路」、制限速度が引き上げられたのと同時に、
それまで通行できていた、原付が締め出されてしまいました。
実際問題、いまどきの125ccスクーターでも80km/h巡行は少々厳しいので、
流れに乗れないと危ないからかと想像されますが、何かおかしいよなぁ…。




さらに、警察庁が2009(平成21)年10月に、
「安全性の高い一般道は制限速度の上限を80km/hに緩和、
逆に歩行者がよく使う生活道路は
30km/hに抑える」の方針を打ち出しました。


速度を抑えるほうは、話を横に置いときますが(→コラム「この区域まるごと原付基準」)、
速度引き上げのほうに関して、現行60km/hとなっている全国15ヶ所の国道やバイパスで
制限速度を70〜80km/hにすることを検討していて、現実のものとなりそうです。



15ヶ所には岐阜県内の国道21号など、普通の幹線道路も含まれていて、
車両の通行に制限が無いということから、大きな疑問が湧き上がります。



僕たちの原チャについては何もかかれてないということは、それでも30km/h制限のままなんですか。



だってですよ、これが現実となれば、
100km/hくらいで走って捕まっても青切符で済む一般車に対して、
原チャは制限速度に満たない速度で走っているにもかかわらず、
大幅なスピード違反で赤切符&一発免停コースもあり得る
んですけど orz



制限速度差が、最大で50km/h…。
原チャのすぐそばをそんな速度で追い抜かれたら風圧でよろけてしまわないかなぁ。

ひょっとして、原付が走ってもいい道なのに、暗に走ったらアカンと言ってるんやろか?


ずいぶんとひどい扱いをしてくれるやん。
学校でのイジメとか、職場でのイジメとかが社会問題になってるのに、原チャに対するイジメは許されるのん?


どこまで車を優遇すれば気が済むのやろう。



僕は日常的に自転車からバイク、車、トラックまで運転するので、その乗り物を操る人たちの気持ちはいつも心得ています。
だからこそ、交通弱者を追いやらないで欲しい思いは人一倍強いですよ。


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ちなみに、我らの京都市内の道路において、速度制限が緩和される予定はない模様。

それもそのはず。京都市内で制限速度が60km/hの区間は、
国道1号線と、併走する国道1号バイパスの横大路〜久御山間の、合計でもたった4kmのみ。
それ以外はどこも最高で50km/hなんやもん orz



そうそう、これらに先立ち、岡山市内の国道2号線の一部も、制限速度が60→70km/hになっていますので、
岡山市民の原チャによる決死のレポート待ってます(笑)。



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2015年春、僕の住んでる京都市のすぐそばにまで、制限速度UPの波が…。




この西大津バイパスは原付2種以上なら70km/hで走れますよ。
残念ながら原付1種(50cc未満)は、浜大津回りの超遠回りをせざるを得なくなりました… orz


↓そして、バイパスの入口にはこんな表示が…。







参考資料:
YOMOURI ONLINE 2005年9月2日付
読売新聞 2009年11月5日付朝刊
京都新聞 2015年2月14日付朝刊