アイドリングストップ・ストップ




エンジンが仕事をするためには、必ず、ある一定以上のエンジン回転数を維持しなくてはなりません。


? 分かりにくいこと書くなぁ、とお思いでしょうけど、
そのエンジンの最低回転数のことを、一単語で言うと「アイドリング」と言います。
これなら分かりますよね?




で、このアイドリング状態よりもエンジン回転数が落ちて、エンジンが停止することが、
「エンスト」(エンジン・ストール:engine stall)です。
よく間違うんですけど、「エンジン・ストップ」ではありません。恥をかかないためにも、ちゃんと今覚えましょう。




そのアイドリング状態で排出される排気ガスが、大気汚染や地球温暖化の原因の一つとして叩かれています。
当然ですよね。エンジンが発生させてる力をなーんにも使ってないのに、
燃料を燃やして有害物質を大気中にばんばん放出してる訳ですから。
今の時期ならエアコンもつけないでしょうし、まさに無意味。



これを全国、全世界の津々浦々のクルマがしてると思えば、その燃料の量も凄まじいんでしょうね。



そこで、「アイドリングストップ」が叫ばれるようになったんです。
信号待ちや荷物の積み下ろしなどで、そこそこの時間クルマを停車させるときは、エンジンを止めましょうよ、と。
確かに皆がすれば、効果は絶大だとは思います。




最近増えてきた「ハイブリッドカー」はその典型で、停車中にはエンジンも停止し、
発進時など大きなトルクが必要なとき(つまり、燃料もたくさん消費する時)は自家発電した電気で走ります。
これも、環境にやさしいですよね。



でも、闇雲にアイドリングストップをするのは考え物です。
エンジンを始動させるときには、瞬間的に多くの燃料を消費するからです。
エンジンをこまめに止めたり始動させるのは、かえって燃料の浪費になるからです。
では、「損益分岐点」はどこか。




某NHKの番組の実験では、5秒以上アイドリングストップをすると、
エンジンを再始動させたときに消費する燃料分以上を節約できる、とありました。

日本自動車連盟(JAF)の実験では、同じく15秒以上

大物自動車評論家・徳●寺氏は、1分以上アイドリングするなら、エンジンを止めた方が良いと著書に記しています。




そうかそうか、どれにしたかってアイドリングストップは環境にやさしい。
燃料の節約にもなってフトコロにもやさしい
文句ナシ!!



そう思い込んだ僕は「相棒」と通勤する際に、長い赤信号では必ずエンジンを止めることにしました。
交通費が支給されない(※コラム掲載当時)ので、少しでもガソリン代が浮けばと目論んだ僕でした。




ところが、アイドリングストップとエンジンの再始動を繰り返した結果、
バッテリーに負担がかかって「バッテリー上がり癖」が付いてしまい、バッテリーの交換を余儀なくさせられることに。
さらに、セルモーターも壊れてしまい、交換するハメに。

しかも、努力の甲斐なく、燃費にはほとんど変化がありませんでした(T_T)


ううう、かえって損したやんかー!!!!(-_-##)



アイドリングストップ運動は、実はバッテリー業界の陰謀ではないのかと疑ったのは、
言うまでもありません(笑)。


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おことわり:アイドリングストップが標準仕様のバイクでは、その辺の問題が解消されています。
また、手動でアイドリングストップする場合は、停車時間1分以上のときに限るのが無難かもしれません。