旅立つ「相棒」へ




僕の心の支えであり、「49のソコヂカラ」の“底力”となってくれていた、僕の「相棒」が現役を引退することになりました。


今まで一度も書きませんでしたが、「相棒」の「本名」は、ホンダ「VFR400R」と言います。


1980年代後半〜90年代初頭、レーサーレプリカバイクがブームとなっていました。


VFR400Rは、当時、鈴鹿8耐で常勝していたレーサー「VFR750R」の弟分として、ブーム絶頂期の1989年に登場。
V型4気筒エンジンを搭載し、その走りは絶品でした。


市販された公道仕様のVFR750Rは、レーサー仕様に保安部品を付けただけのバケモノで、「ナンバーのついたレーサー」と呼ばれ、
そのまま鈴鹿8耐でもタメを張れるほどでした。
VFR750Rは、その名称ではなく、型式名「RC30」(あーるしー・さんまる)と敬意を持って呼ばれたものです。

VFR400Rも同じく、形式名「NC30」(えぬしー・さんまる)と呼ばれるのが普通です。



当時、「相棒」がそんなにスゴいバイクとは露知らず、免許を取ってまだしの僕は、見た目だけでこいつを選んだのでした。


2年落ち・1万kmで購入し、以後8年間で6万2000kmを走りました。


いつでも、いっしょ。うれしいときも、悲しいときも分かち合い、「相棒」と走ると、荒んだ心も明るく晴れました。

僕が他のバイクに浮気をしたら、スネて突然エンジンがかからなくなったりとか。
妙に人間くさかった。

だから、「相棒」は「1台」と数えず「1人」と数えた。



そして、2003年4月、「相棒」は10歳の誕生日を前にして一線を退き、部品取り車として新たなスタートを切ります。


8年間の想い出は、

…………、

ああ、やっぱり、ひとつの時代が今終わるのかと思うと…寂しくってねぇ。出逢いがあれば、いつか
別れがあることは分かってるのに。
こんなにあっさり「その時」が来たのが、悔しくもあり…。


でも、
おれは、満足やったよ。

ご苦労さま、「相棒」

ありがとう、「相棒」!!

(2003.4.1)