10・15モード → JC08モード




車を運転する上で気にかける項目に燃費があります。
これを気にしなくてもいい生活レベルの方は、本コラムを読む必要はありません。
出口はコチラですので、即刻お帰りくださいませ(笑)。



エンジンをはじめとする原動機付きの乗り物を維持していく上で、避けては通れない道についてお話したいと思います。



最近、特に軽自動車やコンパクトカーがもてはやされています。
どうしてでしょうか。


景気の急激な悪化や、一時期のガソリン価格の高騰による財政難の結果、
少しでも維持費が安くつく車にユーザーがシフトしたから他なりませんよね。
維持費とは、車両価格や税金、保険料等ありますが、
ひんぱんに車を使われたり、長距離を移動される方だと、なんといってもガソリン代に頭を痛めておられることでしょう。



車のカタログや広告には、その性能のひとつとして、燃費が記載されています。
そこには、「10・15モード燃費15km/L」などと書かれています。


「お、この車 経済的そうやん」とばかりに買い、
実際にその車を走らせてみると、↑の燃費とは程遠く悪い数字が出まして。
「このカタログの数字は何やねん、インチキやろ(-_-x)」とブチギレになるわけです(笑)。



ハイ、では種明かしを。
「10・15モード」は「じゅう・じゅうごモード」とは読まず、「テン・フィフティーンモード」と読み、

ある定められた走りをして得られる、車の燃費を測る基準となっています。



それがこの図です。 



ただ、この方法、現実的でない走行方法で計測されるため、
得られた数字は、普通に車を走らせる「実用的な燃費」とはかなり異なる「良い燃費」になってしまう問題がありました。
それが、先ほどの「インチキ」の正体です。



そこで、2011(平成23)年より、より実際の走りに近づけた測定方法「JC08モード」に改められます。
2007(平成19)年ごろより先行実施しているメーカーがありますので、見たことがある方もおられるでしょうね。



その測定方法がこの図。 



加減速が多くなる分、燃費が悪化します。10・15モードではエンジンが暖まった状態で測定していましたが、
JC08モードは、エンジンが冷えたコールドスタートからの測定も行いますので、さらに燃費が悪化するでしょう。


カタログに記載される燃費が、実用燃費にどれだけ近づくか楽しみです。



なお、これは車だけの話。
バイクの場合、未だに「一定速度(原付で30km/h、それ以外で60km/h)における燃費」などという
超・非現実的なデータを堂々と載せていまして、
参考にすらなりません。

※2013(平成25)年から、やや現実的なデータも掲載するようになりました→コチラ



シビアなアクセルワークがものを言うバイクでは、車のような燃費計測方法がそぐわない側面もあるんですけどね…。


バイクのカタログによっては、燃料消費率という
「あるエンジン回転数における1馬力当たりの燃料消費量」のグラフを載せているものもあります。

↑NR750(ホンダ) ↑DREAM50(ホンダ)


が、このグラフからバイクの性能を見出せるようになるためには、十分なバイクの知識が要りまして、
僕には解説できそうにありませんゴメンナサイ orz



参考資料:JAF MATE 2007年11月号