黒枝豆いらんかえ〜



ハッピーマンデーのお陰で、3連休の恩恵を受けてる皆様。

景気浮揚対策とかで、始まったこのシステムも僕には無縁。
だって、ウチの職場、休みは土日だけ。
月曜が祝日だろうが、カンケーないの。だから、単なる週末の休みと変わりがないのだ。
フーンだ。どーせ、何処に行ったかって人ばっかで疲れるだけやもんね〜。

東京オリンピックが始まった日を記念して制定した「体育の日」まで動かしやがって、クサレ故・●渕元首相がー!!

ひとしきりいつものように毒づいてから本文に入ります(笑)。

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この時期は晴れが続き、気候もいいので、行楽にはもってこい。
もちろん、ツーリングの季節です。

そして、僕にとっての1大イベント「原付でお買い物ツアー」があります。
目指すは、丹波篠山。
そして、「ツアー」とかいいながら、参加者は僕一人だけ(爆笑)。


丹波地方名産の 黒枝豆が出荷の最盛期を迎え、道端で、収穫したばかりのそれを販売するんです。
篠山市内のR372沿いは、黒枝豆を売る店であふれています。
まぁ、店といっても、ビーチパラソルを立て、台の上に黒枝豆を並べただけのものですけどね(笑)。
去年に引き続いて 今年もLEADで 買い付けに行ってきました。
その顛末記をお送りします。


黒枝豆と書いていますが、正確には「黒大豆枝豆」。
普通の枝豆と違って、さやが黒ずんでいるのが特徴。見栄えは悪いです。

でも、これが お世辞抜きで、ムチャクチャうまいんです。
軽く塩茹でしたそれは、見た目に似つかわぬ、プリッとした歯ざわり、ほのかな甘味、1粒300mの世界(笑)。
一度でも食べると、スーパーで売ってる何処産のかわからん冷凍の枝豆なんて、さやが変にキレイで、豆はフニャフニャで、
食感も悪く、食べる気がしなくなります。

さて、黒枝豆を販売するのは、大体10月の中旬頃。今ならハッピーマンデーの加減で、体育の日が噛む3連休中が狙い目です。
どちらにしても祝日が仕事なので、決行日は必然的に日曜になります。

予習終わり。

2002年10月13日(日)、晴れ。起床11時。

早朝3時まで 友人等とカラオケで盛り上がってしまい、寝坊してしまった。
12時に「相棒」と家を出て、まずは母親の店へ。
12時半に 母親の店に着き、ここで「相棒」を置いて、老化が著しいLEADに乗り換え、出発。

さすが3連休の中日。京都市内の 主な観光地は大渋滞で、車は流れてないどころか、動いていません。
他府県ナンバーがゴロゴロ。
だからクルマで来るなって…と思いながら、道の端っこをLEADで激走。
こういうときこそ 小回りの利くバイクは有利やね。


京都市内を東から西へ横断→R9→<京都府亀岡市>→R372→<兵庫県篠山市>


見覚えのあるルートやなと お気付きの方の多数おられると思いますが、
「原ツー“おいしいアイスを食わせろ!”」の時と同じルートです。

亀岡市までのR9も渋滞していて うんざりさせられましたが、
R372に入ると、都会の喧騒を忘れさせてくれる のどかな風景が僕とLEADを迎えてくれます。
いつまでも、この風景が残ることを…。
でもまぁ さすが超大物国会議員・N中H務氏のお膝元。道路だけは十分なほど整備されてるわ!(笑)。

そして、亀岡市→園部町と走りぬき、難所、天引峠へ。
非力な原付泣かせの峠道ですが、横にトンネルを掘っているので、この道を通らずに済む日も近いでしょう。
でもまぁ、この日は泣かされた。スピードが出ないので、後続車にまくられながら 半泣きで走行。


峠を越えると、兵庫県篠山市。今回の目的地。
ところで、兵庫県内のR372は「デカンショ街道」と呼ばれています。どなたか由来を知りませんか?

お、売ってる売ってる。黒枝豆が!
今年も例外なく ビーチパラソルの店がR372沿いに建ち並んでいます。
その横で、家族総出で、収穫したての黒枝豆をむしったり束ねたり陳列したりと、忙しそうにしてはります。
ここでは、今が稼ぎ時…いや、お祭りなんやな、って思わせます。


あちらこちらで 黒枝豆を買ってる 他府県ナンバーの車も見られます。
車が停めにくい場所にある「店」には、「Pあり」と親切に看板まで出しています。
出店側も抜かり無いね(笑)。必死やなぁ。

値段は、価格協定を結んでるのかと思わせる、「1束500円」が殆ど。
「1束600円」も2〜3店見かけましたが、きっと、儲けようとインフレを起こしたのでしょう。

どこで買おうか、目移りします。別にどこで買おうが同じ物を置いてるはずなんやから、
迷う必要も無かろう…とお思いでしょうが、消費者の目はキビシーのです!(笑)。
その目が違うところを見たがために、あとで泣きを見ることになろうとは、この時の僕の脳裏にはありませんでした。


更にデカンショ街道(R372)を進むと、R173と交差し、その角にあるローソンに到着。
ここまでの所要時間、1時間35分、56km。

このローソンは、ツーリング野郎のたまり場として 非常に有名です。
僕は、集団行動が苦手なので、彼等には近寄りもしませんが…。

去年は、この向かいにある「店」で黒枝豆を買い、「店」のオッちゃんが、京都市から原チャで来たのを驚いてたんです。
だから、今年も来たで〜って、またまた驚かそうと思ったんです。

ターゲットは定まった。
その前に、ローソンで一服して、さあ、任務遂行や!行くぞ!

……おや?「店」の様子が変です。
観察していると、なんとビーチパラソルと台を片付け始めたのです!

えーもう閉店ー!!!!!??????
おれ、まだ買ってへんやんけ〜 待たんかいやー!!!!
ボーゼンとしてる僕を尻目に、店じまいしてしまいました。
どうやら、売り切れじまいしたようです。時間は14時。終わるの早過ぎる…。

任務失敗!!


ここまで計画どおりに進んでいたので、予想外の展開に、おろおろするばかり。
どうしよう…。
手ぶらで帰るわけにはいかないので、他所を当たらなくては。

とりあえず LEADを走らせました。
あちこちの「店」を観察しながら走っているのですが、どこの「店」も僕の目に止まらない。
魅力が感じられないのです。何でやろう…。


ふと、あることに気付きました。
「店」の売り子さんたちは、お年を召した方が多い、と。
人気の黒枝豆とは言え、農業・第1次産業。
高齢化率が高いのです。

彼等の身なりが、こざっぱりしていれば ある程度は見栄えが引き立つのでしょう。
でも、お約束の、地味なデザインの野良着をまとっているので、陰気くさいことこの上ない。

そんな「店」では、買いたくないなぁ。僕のワガママが つい出てしまいました。
そうなると、選べる幅がぐんと狭まります。


…道をあっち行きこっち行きしてると、若い女性が立ってる「店」発見!
地獄に仏!!(失礼 m(_ _)m )ここに決〜めた!!
反対車線にあったのですが、構わず道を横切り、バイクを停め、
今度こそ、任務遂行!!

僕 「黒枝豆くださ〜い!!」
女性「はい、いくつ致しましょう?」
はあぁ〜〜、若い女性のいる店!!感激!

…断っておきますが、全体から見て若いだけで、彼女の年齢は、どう見ても30代前半。
でも、うれしい!貴重な存在!

僕「ここに入るだけ(と、メットインを開ける) 4束位かな」
すると、奥から彼女の父親と思われる 60代とおぼしき男が登場。
父親、黒枝豆4束を手に、メットインに強引に3束押し込み、さらに、「むしったのもあるから」と袋詰のを1つ入れ、残った1束を、前カゴへ。

待て、前カゴはNGやろ。バウンドしたら飛び出すぞ。
父親「1束 1.2kgあるんやぞ、飛ぶかい」  
うーん、でも、若い女性に免じて許す!父親に似なくて良かったねぇ(皮肉)。

ああ大漁大漁。支払いをしたら 任務完了や。
僕 「おいくらですか?」
父親「えーと、2900円」
ん?4束プラス1で2900円? 1束500円やろ?数字が合わへんぞ…と訝っていたら

父親「束のほうが600円、袋は500円やし…」

なにー!!1束600円!? 他所は500円やのに!  この協定違反者め!!
いまさら「いらん」とは言えず、しぶしぶ払いました。

あとから この「店」には、他所では大抵掲げられている「1束●百円」の看板が立ててなかったことに気付きました。
言い値か! しまった…女性に見とれてて、値段交渉をするのを忘れた! うううう、ハメられた〜!(T_T)

メットインと前カゴに「戦利品」を収め、来た道を とぼとぼ帰っていきました。
これで、味が悪かったら 暴れるところでしたけど、それは免れました(笑)

走行距離は124km。

教訓:きれいな花には毒がある