黒枝豆獲得記<本番>



本来、悪友「真宗Jr」こと「T」と一緒に行くはずだったのに、
「T」が「母親がバイクを使っていて、無い」と言ったために、一人寂しくLEADと丹波の黒枝豆を購入しに行った僕。
翌日、2日連続で再び兵庫県篠山市へ黒枝豆を買い出しに向かいます。


前日の「収穫」はたったの3束。今日はたくさん買うぞー!と意気込んでいました。
出発時間も、前日より早くして「売り切れじまいで買えなかった」は避けよう、と。


2004年10月17日(日)昼前、「T」の実家へ迎えに行きました。
ところが、バイクが無い、それどころかピンポンを押しても返事も無い。


どうなってるの?
「T」の携帯を鳴らしました。すると「すぐに戻る」と返事があって、本当にすぐに「T」がJOGに乗って帰ってきました。
あれ?いつものスマートDioは?
聞いたところ、今日も母親がスマートDioに乗っていってしまい、
いつ帰ってくるか分からないので近所の家でバイクを借りてきたと言うのです。


それは僕に気を使ってるの?いや、違うよな〜。黒枝豆の魔力に誘われてるんやなぁ。
そこまでしてでも黒枝豆が欲しい「T」。←きっと食べたことの無い方でもいかに美味しいかお分かりいただけるでしょう。



いよいよ「本番」スタート。
西へ、いや僕の仕事場のほうへ向けて走ります。
なんで仕事が休みの 土日両日とも仕事場のそばを通らなきゃアカンのか。
ちっとも休みの気分になりません。


そんなネガティブな考えも、京都市を抜けて亀岡市に入るころには頭から消えていきます。


それよりも、「T」の仮のバイク、JOGが僕の乗るLEADよりスピードが良く出て
先頭を行く僕をしばしば追い抜くのです。それも僕のほうを見ながらうれしそうな顔をして。


上り坂などでは置いていかれます。こしゃくな。


そして、ガソリンとオイルの混合気の比率が合ってないのか、
はたまた低回転ばっかり使ってマフラーにオイルが詰まって燃焼してるのか、煙を吐きまくり。上り坂になるとさらに激しく。
JOGの持ち主の方も気にならないのか?ってレベル。強烈です。環境破壊反対!!
後続車両は視界を妨げられいい迷惑です。僕も「被害車」になりました。げほげほ。


亀岡市に入り、昼ごはんの調達に平和堂アルプラザへ。
いつもコンビニですので、たまにはいいもの買おうやと思って入ったのに、お惣菜コーナーを眺めていた「T」はボソッと一言、

「この品揃えならコンビニと変わらん」
おれ「(-_-xx)」


なんだかんだ言いながら食糧を買い込み、さらに西へ。亀岡市街のR9はやっぱり大渋滞していました。
道幅が狭いので、すり抜けも困難。


いつまで経っても動きそうに無いので、昨日同様(以下自粛)。ちょっとだけよ(笑)。
「T」は「え〜そんなことするんかー」とか僕を非難します。
そのくせ、おれの後ろついてきてるやん(笑)。


R9に別れを告げR372へ。この先は交通量が少ないので気楽に走ります。
あいかわらず「T」が僕にちょっかいを出してきます。僕を反対車線に追いやったり、車間ギリギリまで詰めてみたり。
危ないやないかい!!!
あまりに忙しい日常を送る彼は、こうやってストレスを発散してると思うと、かわいそうにも思えます。
大目に見るか。


収穫が終わり何も無い田んぼのあぜ道にバイクを止め、昼ごはん。
地べたに座り、田んぼの中にいたヘビに石を投げて驚かしたりしながら、とりとめも無い話をして過ごす。
目的地なんてどうでもいいやん…って空気につつまれ…。


それはアカン!昨日のあまり買えなかった悔しさのため、今日は早くに出発したのに!
感傷を置き土産にし、続きを行きます。



そして、30分の後には、黒枝豆の産地、兵庫県篠山市に入っていました。


買うど〜!!買うどー!!絶対買うどーー!!!

気合十分です。


しかし、昨日より早い時間に到着してるにもかかわらず、昨日よりビーチパラソルの「店」が少ないのです。
どう見ても少ない。おかしいではないか。


昨日買った「店」もすでに「閉店」してます。
この時期の日曜昼時の独特の賑わいなど、全くありません。
例年なら、野良着のオバちゃんなどが おいでおいでと手まねして客の奪い合い合戦とも化してることもあるのに、
なんでこんなに元気が無い?


とりあえずいつもの通り偵察活動開始。
ほかの場所に行けば売ってるかも?と足を伸ばしましたが、ほとんどが「閉店」。
人のいる「店」に声をかけてみても「今日は終わりました」など期待に添えない返事ばかり。


スネる僕。「表情に出てる」と言う「T」。
ポーカーフェイスが出来ないんよ、僕。正直なの(笑)。


どこでもイイやん、売ってる「店」で買おうということになりました。
ようやく見つけたは、店先に豆をむしって袋詰めにしたものが4つだけ置いてあるところ。
これを「T」と2袋(計600円)ずつ買いました。
でも、その背後で何人もの人たちが収穫してきた黒枝豆の束を作っています。


アレは売ってくれへんの?


「店」の売り子さん曰く、「あれは予約の分なんです。予約していただくと確実にお求めいただけるんですけど」。
さらに、「今年は台風の影響で収穫量が少なくて、
一般の方にお売りする分まで黒枝豆がが回らない
んですよ」と。


台風か。
この年(2004年)は史上最多10個の台風が上陸し、
猛威を振るったせいで、全国的に収穫前の野菜がダメージを受け、市場に出回らなくなり、
白菜やキャベツなどが、1玉500円、1000円など信じられない値段を記録していたのです。
その影響は黒枝豆も例外ではなかったのです。


だから、あまり売ってないのか…。
そんなこと、頭の片隅のもありませんでした。


でも、これで帰りたくありません。黒枝豆は枝つきで買うのが筋。
「T」が「袋のヤツは落ちたのを拾って詰めた物に違いない」と勘ぐります。
↑そんな風に思いたくないけどなぁ。


「店」を探している間にどんどん時間が経ち、時間的に帰路に着かないといけないなと思っていたとき、
まだ営業してそうな「店」を発見。


でも、店先にはあと1束しか置いてなく、それも今まさに先客に買われてしまいました。
もう、これ以上「店」探しはごめんです。


背後では収穫してきた黒枝豆を切りそろえて束ねる準備をしています。きっと買える!
「店」のオバちゃんと交渉開始。


オバちゃんは僕たちを たまたま通りがかったから買っていく客と思っているらしく、
もう無い、さっきの1束が最後だったの一点張り。
黒枝豆は一見さんに売るものじゃないって感じを言葉の節々から感じます。
なめられてるな?おれは今年で黒枝豆お買い上げツアー4年目のベテランやで。


そんなことはおくびにも出さず、
いや〜違いますよ〜、僕たちは黒枝豆のためにはるばる京都市からバイクで買いに来たんです。
何とかなりませんか、と笑顔で粘ります。


すると、オバちゃんが唐突に、
「2束ずつでもエエか?」


と言いながら棚の下から4束出してきたのです。
やっぱり隠してあったか。


オバちゃん「これは予約の分なんやけど、そのお客さん来るの夕方やし、構へん(かまわない)わ。持って行き。
こんなことしてるからお父ちゃんに怒られるんやけど…、今はそこの畑にいるわ」
指差す先には、オバちゃんの夫らしき人物が遠目に見えました。



ありがとうございます〜!!大感謝!!



「T」曰く、「お父さんに代わりに謝っておいて下さい」
僕「横取りしちゃいましたスンマセン〜!」


オバちゃんの話では、黒枝豆をそのまま熟させると、あの有名な「丹波の黒豆」になるそうです。
ビーチパラソル売りが少ないのは、
台風で収穫量が減ってもJAに出荷する分があらかじめ決まっている
ので、
その分を確保しなければならないのと、
黒枝豆より黒豆にしたほうが高く売れるから
だとも話されました。
↑それが本音じゃないの?


ま、いいや。
2束で1200円を払い、日が傾き少し風が出てきたR372を満足顔でに帰路につきました。


さて、肝心の戦利品ですが、さやの色に元気がありませんし、1つしか豆が入ってないさやも多数。
味も、去年よりは落ちるかなと感じました。やはり台風の影響かな。

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僕の親友、K隊長は友人に1束900円で買ってきてもらうと言ってました。
えー高いなぁ。現地で仕入れると1束600円ですよ、もったいないと言うと、
ガソリン代や昼飯代などを含めるとそのくらいの値段になるんじゃないのと話していました。

さすが商売人のK隊長、考えることが違いますね。


で、僕も今回の戦利品の単価を計算してみました。


{黒枝豆2束(1200円)+2袋(0.7束分、600円)+ガソリン代(450円)+昼飯代(500円)}÷2.7
≒1020円/1束


買ってきてもらったほうが安いやん orz


損得の問題と違うわ、黒枝豆を買いに行くプロセスが楽しいんやで、と「T」に慰められました。
そうやった、それが楽しくて原チャで行ってるのを忘れていました。

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蛇足ながら、黒枝豆は京都市内では1200円もしていたそうです。
京都でその値段なら、まず買わへんな(笑)。