ヘルメットに生えた角(ツノ)
人間が生きていく上で欠かすことの出来ないものに、空気(大気)があります。
見えないし、重さも感じないのに、時として吹きつける風は大きな抵抗となります。
向かい風の中を自転車で漕ぐときはペダルが重くなりますよね。
それよりも速く走る車が受ける風の力って、フロントガラスが防いでくれてるから実感しませんけど、
それはそれはものすごい抵抗になるのでしょうね。
走るものにとって、空気の存在はエネルギーのロスに繋がります。
逆に追い風であれば力を加速させてくれますよ。
陸上競技だと短距離走や跳躍の追い風2m以上時の記録は公式記録とならず、参考記録になりますからね。
風の力あなどれず。
だからこそ、空気抵抗を少しでも減らそうとデザインされる車。
燃費争いをしているプリウス(トヨタ)やインサイト(ホンダ)などが
乗員の快適性を犠牲にしてまでクーペ型にしているのは、
その形が空気抵抗がもっとも小さいからなんですよね。
「その形」とは…流線形(流線型)。
国語辞典の解説にはこう書かれています。
流れの中に置かれたとき、周りに渦を発生せず、流れから受ける抵抗が最も小さくなる曲線で構成される形。
一般に細長くて先端が丸く、後端がとがる。
見るからに風を後ろへと受け流す形をしてますもんね。
円板が受ける風の抵抗を1とすると、同じ表面積の流線形ではたったの0.06です。
僕たちのバイクだって例外ではないです。
特に究極的な速さを求めるレーサータイプなどは空気抵抗が極力少なくなるように設計されています。
ここまで話をすれば、バイクにとって最大の抵抗は何かお分かりですよね?
そう、ライダー自身や!これがバイクの空気抵抗を減らすのを妨害している。
おれたちはバイクにとって邪魔者ほかならんのや!!
orz
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だから、ネイキッド系のバイクのヘッドライト部分にカウル(ビキニカウル)やメーターバイザーを着けたり、
体を伏せて走ると何だか速く走れている気がするんです。
気がするんじゃなくて、多分速くなっている、はず。
僕の持っているヘルメット(以後「メット」)にも、流線形に近づけるための工夫がなされています。
ここに2つのメットがあります。
正面から見ると同じ形をしているように見えますが、
角度を変えるとあら不思議↓
右側のメットには角が生えていました。
これをディフューザーといい、頭部に流れる風を後ろへと受け流す役割を果たしています。
メットのシールドに貼られた説明書きにもこの通り。
普通のメットとどのくらい違いがあるのかバイク通勤時に検証してみましたが、全然分かりませんでした(涙)。
実用的な速度程度では価格差以外の違いは分からないようです。
左側のメットは定価4万円ですけど、右側のは定価6万円もするんですよ(高)。
その2万円の差を実感してみたいですわ。せっかく買ったんやし。高速走ったら分かるかなぁ。
多分メットより、僕が痩せたほうが空気抵抗の違いを感じられるのかもしれませんが ○| ̄|_
ちなみに、ディフューザーで画像検索をすると、角が2本生えているタイプが出てきます。
かつて峠をヒザを擦って走っていた「走り屋」たちの間で流行っていたもので、
後ろから見るとドラえもんの耳みたいな形をしています。
これを普通のメットに接着剤で貼りつけるとアラ不思議。風の抵抗が劇的に減少…!!
するのかどうかは知りません(笑)。
後付けだなんて、ヒザを擦るためのバンクセンサーもプラスチック製のまな板で代用するくらいビンボーな彼らが作り出した(?)
苦肉の策ですよ。きっと。
あ、僕のメットのツノは後付けではなく、最初からメットと一体化してます。
そういう僕も若かりしころはドラえもんの耳に憧れたんですよね〜。
中年の今となっては恥ずかしくて絶対に出来ませんが(脂汗)。
スクーターのメットインはメットの形を考慮してスペースが作られています。
だから、角などという余計なものがついている高級メットをメットインに入れてみると
角が邪魔してきちんと収まらず、これ以上シートが閉まりません!!
orz