OLたちの応用力
僕はガサツな男ですので、流行に殊更 疎いんです。
だから、2年ほど前にスクーターに乗った女性のその不思議な格好を初めて見かけたときは、
「なんやありゃ?」と珍しいものを見る目で眺めていました。
しかも、それをするのは女性だけなので、てっきり新しい流行りのバイクのファッションなんだと思い込んでいました。
古くはミニスカート、ルーズソックスと続き、
ちょっと前にはスカートの下にGパンを穿くなんて眉をひそめるような格好だって流行ったんですもん。
バイクに乗るときのそういう格好が流行っても決しておかしくはない。
------
冬場のバイク走行が好まれないのは、寒さとの戦いを避けたいからと言うのが最大の理由でしょう。
僕も毎日通勤で「2相棒」に乗っていますが、この冬ほど常にフル装備でバイクに乗っていたことはありませんでした。
冬用の分厚いジャケットとオーバーパンツ、それからゴツいグローブは基本装備として…、
手先の冷えは、グリップヒーターやハンドルカバーで。
足元の冷えは貼るカイロや防風性の高い登山用のシューズ、遠赤外線を発するソックスで。
首もとからは入る冷気はネックウォーマーで。
などなど、ピンポイントに防御体制を固めていきます。
そして、別名「股火鉢」(笑)と呼ぶ、エンジンの暖かさの嬉しいこと!
信号待ちで停車中に、むき出しのエンジンやフレームに手を当てて暖を取るのが幸せなんですよねぇ。
傍から見ると、その姿は幹に抱きついているナマケモノのように見えるのを指摘してはいけない(笑)。
しかし、スクーターの場合はエンジンがシートカウルの内側に隠されているので、
股火鉢の恩恵どころか、その存在すら忘れ去られる有様。
それに、スクーターのようにいすに座った姿勢でのバイク乗車だと、
走行風が下半身にダイレクトに当たるので、結構冷えるんです。
下半身を冷やしてしまうのは体に良くないですし、冷え性が多いとされる女性だとなおさら堪えると思うんですよね。
オフィスで働く女性、いわゆるOL達の間ではデスクワーク時のひざ掛けは必須と聞きます。
言わずもがな、空気の密度の違いから下に溜まる冷たい空気から下半身を守り暖めるためです。
僕も家で机に向かっているときはひざ掛けを愛用しますが、
あれ1枚あるだけで体感温度が全然違うんですよね。
半身浴や、コタツと言ったものも、その冷えては困る下半身を暖め体全体をポカポカさせる知恵なんでしょうね。
そこでコラムの最初に書いた「僕が見た、スクーターの女性の不思議な格好」の一文を思い出してください。
そう、その女性はひざ掛けをしてバイクに乗っていたのです。
それも厚手の毛布を2つ折りにして、その端をお尻の下に挟み込み、完全に下半身を包み込んでいました。
ありきたりなデザインの毛布ではなく 派手なものだったので、
僕はてっきりファッションなのだろうと思い込んでいた、と。そうではなかったのですね。
どういったものかを紹介すべく、写真を撮ろうと街角でデジカメを構えていたんですけど、
そういうときに限って「ひざ掛けバイク」が来ない…(涙)。
というわけで写真はありません。
見たことがないという方は想像力を最大限に高めてイメージしてください(笑)。
------
バイク用のひざ掛けに相当する「前掛け」は、ごくわずかに販売されていますけれども、 大体がさながら魚屋のオッちゃんがしてるような ゴムの前掛けと五十歩百歩の代物で、 お洒落とはかけ離れた実用一点張りの物ばかり。 |
それをお金をかけず毛布で代用し、お洒落と機能性を両立させるなんて、女性らしい知恵だと思います。
男の僕では全く考え付きませんよ。
ただ、毛布では風を通してしまうのでは…と思うのは僕だけでしょうか。
そういうわけで、僕も母親のシグナスXを拝借して、毛布の「ひざ掛け」走行を試してみようかと思いました。
が、僕は寝るときに毛布を使いませんし、手近にあった毛布はピンク1色…。
その姿を想像するだけで、悪夢にうなされそうなので やっぱりカンベンしてくださいorz
結論:優れたデザインの風を通さない前掛けを作ったら売れる。