再び風になりたい
バイクって、実用的な小型スクーターやカブなどのモデル以外は趣味の乗り物だと思います。
僕が所有している「2相棒」はホンダの800cc。
性能維持を兼ねて通勤やちょっと遠くへの買い物に走らせることはありますが、
実際問題、いろんな意味で使い勝手がとても悪い。
はっきり言ってツーリング専用の乗り物に成り果ててますよ(悲)。
そこへもって維持費も馬鹿になりませんし。
だから、結婚や仕事、経済的な問題などで泣く泣くバイクを手放してしまう方って結構おられるんですよね。
僕は19歳でバイク乗りとなって以来、バイクとの「距離」は縮んだり開いたりしながらも
途切れることなくバイクのある生活を送らせてもらっています。
ありがたいことです。
まぁ、僕のことはどうでもいいんですが、
様々な事情でバイクとの接点を断った方が歳を重ね、
時間や経済的に余裕が出てくると、またバイクに乗りたくなるらしいです。
「リターンライダー」という言葉があるくらいですから、
久しぶりに還ってくる「元・バイク乗り」は少なくないんでしょうね。
そして、かつては手が届かず憧れだった車種を購入し、ツーリングにハマる。
僕はこのコラムの最初に「バイクはツーリング専用の乗り物」と否定的なニュアンスで書きましたけれど、
そのツーリングは普段の生活では味わえない非日常へといざなってくれます。
そこがバイクの最大の魅力だと思います。
ちなみに僕の今までのバイクで走り回った最高記録は、
1ヶ月あまりの間に日帰りツーリングを9回と、泊りがけのツーリングを1回したことですね。
計3500kmくらい走りました。
あのときは日常が非日常になってましたわ(笑)。
ところが、ちょっと気になる内容の新聞記事を見つけたと、学生時代の悪友「脇(仮名)」がメールで送ってきてくれました。
記事を要約すると、バイクの死亡事故といえば10〜20歳代の若者が多かったのが、
最近では中高年、特に40〜50歳代が多くなり、初めて若年層を上回ったそうです。
どうやら「リターンライダー」の増加が要因とみられ、
警察などは「体力にあったバイクを選び、無理な運転をしないように」と注意を呼びかけている…というもの。
「昔取った杵柄」の感覚でおられるのでしょうが、現実にはそうはいかないんですね。
特に若いときにスポーツで腕を鳴らした人ほど、歳を重ねたその衰えに愕然としてしまう。
バイクで走ることだって立派なスポーツなんだという自覚が必要なんですよ。
日本自動車工業会によると、2013年度のバイク購入者の平均年齢は51歳で、
2003年度を11歳上回ったとか。
特に400cc超の大型二輪の年代別購入者は、40〜50歳代が6割を占めている事実も。
ニホンの少子高齢化が問題になってますけど、バイク人口はそれ以上に高齢化が進んでるんじゃないですか?
そっちのほうの心配もしてしまいますわ〜。
それはともかく、再びバイクの世界に還ってきてくださったんですもん、
どうか風と共に散ってしまわないよう、バイク乗りの先輩として僕たちにお手本を見せてくださることを願っております。
参考資料:読売新聞 2014年5月1日付夕刊