バイク vs 自転車の覇権争い




日常生活において、バイクと自転車において、一部で用途がカブるところがあり
いつも火花を散らしていると勝手に思ってます(笑)。



ちょっとした「集合」図にしてみましたが、この斜線の部分がカブってるところね→ 


ここには、バイク部門から、原付スクーターが、
自転車部門からは電動アシスト自転車(以後「電アシ」)が含まれるでしょう。




かつて、バイク界には「格安原チャ争い」があり、
9万円台のホンダのTODAYと、5万円台のスズキのチョイノリで自転車界に殴り込みをかけ、
ママチャリに乗ってる主婦層をバイクに引き込もうとしたことがありました。


確かに、一時期、両原チャは販売台数が2万台/月を超えるほどの近年稀に見る大ヒットとなりました。

これでバイクは盛り返せる!と思ったのはバイク乗りの独りよがりだったのです。



こんな記事が載っていました。


電動アシスト自転車の2008年の国内出荷台数は前年比12%増の31万6000台で、
5年前の2003年に比べると48%増加し、排気量50cc未満の原付バイクの出荷台数を抜いたという。
自転車総出荷台数に占める割合は6.5%に上昇。

健康ブームやエコ気運の盛り上がり、ガソリン代節約などが購入動機だが、
坂道の多い観光地でも貸出サービスで採用するケースも増えているという。



http://www.nsjournal.jp/news/news_detail.php?id=157830 より一部引用





現実には、バイクの分が悪いのは値段の問題ではなかったのです。
少々値が張っても、いろいろな意味で「自由な」乗り物が強かったのです。



電アシはAC100Vの家庭用コンセントでバッテリーが充電できる手軽さと電気代の安さ。

自転車に乗るのが億劫だった最大の理由、漕ぎ出しと上り坂をモーターの力を借りることで克服されてしまったら、
買い物程度にしか使われない原チャなど、もう勝負にならないんですよ。


もし原チャがノーヘルOK、免許不要、オイル交換不要、歩道走行可、速度フリーやったらどうか…


いや、そんな現実的でない話をするのはよそう。
原チャは負けたのだ。




さらに追い討ちをかける記事が載っていました。


2010年の電動アシスト自転車の国内出荷台数(速報ベース)が前年比4.6%増の38万1721台となり、
外国メーカー車を除くバイク全体の同出荷台数(前年比0.1%減の38万242台)を、
初めて年間で上回ったことが明らかになったのだ。



http://diamond.jp/articles/-/11028 より一部引用



バイクの販売台数は年々減少していることは以前にも申し上げているけれど…。

2000年のバイクの販売台数は78万台だったので、10年間で半減ですよ。




(図表;読売新聞 2011年6月15日付朝刊より)




自転車ってたくさん売れてるんですねぇ。
この数字だけ見てると、バイクは完敗ですわ。



でも、この比較にはバイクにとって有利な、あるものが抜け落ちていることにお気づきですか。



そう、自転車ではマーケットが少ない、中古車販売です。
バイク屋の店先には中古車がたくさん置いてあるのは普通の光景ですよね?

バイクは複数の人手を渡ることのできる乗り物ってことを忘れちゃいけない。




それに対して、自転車はワンオーナーで終わることが多いですやん。
人の手を渡り歩ける自転車なんて高級なモデルくらいで、安いママチャリなんてワンオーナーで乗りつぶすのが大半でしょ。
ましてや電アシの中古なんて、モーターやバッテリー等がどの程度劣化してるか分からないから手を出す方はそうそう居ないでしょうよ。


一説によると、2009年のバイクの中古販売は、新車販売台数の倍程度の80万台が売れている
言われるほど。

僕が所有している(してきた)2台のバイクはともに中古。
減少し続けているバイクの新車販売台数には貢献しておりません(笑)。


では、なぜ中古のバイクがもてはやされるのか?


それは、

・中古のほうが価格がこなれていて手が出しやすい。

今の新車(特に大型やスーパースポーツなど)は値段が高すぎるんです。
いくら高性能であっても、バイクに100万や150万など、おいそれと出せない。
それに、125cc以下などの廉価版は東南アジアなどで生産しないと価格が維持できないっておかしいですやん…。



・車種が豊富。
特に90年代や2000年代序盤まであたりのバイクは面白いのが多い。
古いので手がかかるかも知れませんが、それを踏まえても買う価値はあると思う。



・傷が付いても気にならない(笑)。

などなど。

だから、単純にバイクが売れてないと考えるのは早計。




結論、自転車とバイクでは販売主体が違うので、新車の販売台数だけで比較するのはアンフェアではないか。


…と言うのが僕の主張です。

ま、お互いにいいとこ取りして、二輪車同士共存を図っていきましょうや。