四つ角にたたずむ「一つ目」の弱点




僕の住む地域は典型的な住宅地
近くには商店や金融機関など生活の中心が集まっていて、幹線道路も走っています。
そのために人通りや車通りも多く、そして住宅地を幹線道路の抜け道として通過する車も少なくありません。



すると、建物や塀や植込みなどで見通しの悪い交差点で人や車が鉢合わせしてドキッとしたり、
タイミング悪くドッカーンとぶつかってしまうことが得てして起こってしまいます。




同じような道幅の道路が交わる十字路に複数の人・自転車・車などが同時に出くわしてしまった場合、
どれが最も優先されるのか分からず、われ先に行こうとしたり、けん制しあったり、譲り合ったりして、
円滑な交通が妨げられることもよくありますよ、ね?

僕は仕事柄、住宅地を密に走るので、一日のうちにこういうシーンに何度も遭遇するので気疲れしますよ、実際。




それなら普通に信号機を設置すればエエがな〜、って話になります。
が、道幅がたかだか3〜4m程度の住宅地にそんなモンをつけるのは大げさではないか?

大体そんな信号、歩行者や自転車の人は守らへん気がするし。かえって事故を誘発しかねへん。




そこで、いつしかこんな信号が四つ角にポツンと立てられるようになりました↓



一方は黄色の点滅のみ。もう一方は赤の点滅のみ。
24時間365日点滅のみ。


これ、理にかなっていると思いません?




住宅地の十字路で律儀に青黄赤で交通の流れを制御するよりも、
周囲に注意して進んでよい黄点滅と、
一旦停止して周囲の安全が確認できたら進んでよい赤点滅
の2パターンだけで
十分円滑な交通の流れが出来ると思います。



信号機のサイズも3分の1とコンパクトにまとまるので、空間を遮りませんし、
費用も3分の1(ではないよなぁ…。たぶん大して値段が変わらん気がする。なんたって公共物やし(笑))。




ただ、色弱の幼なじみが言うんです。



「どっちが黄色で、どっちが赤か分からん」。



3色の信号だと、色が見分けられなくても点灯していることで色を判別できるそうですが、
黄色も赤もどちらも茶色っぽくに見えてしまう彼にとって、この「一つ目」のシンプル信号機は何色の点滅か分かりづらく逆に困るようです。


健常者視点では見えてこないものが見えてくる…。シンプルなのも、善し悪しなのですね。


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2015年12月に警察庁より、
「一時停止の交通規則等の対策により代替が可能な場合は、一灯式信号機などの撤去を検討するものとする」

という通達がなされ、全国で21万基あるという信号機のうち約3%といわれた「一つ目」信号機は撤去が進んでいるようです。

点滅信号の意味を間違っていたり、そもそも意味を知らないドライバーも少なからずいるから、が理由だそうです。


参考記事:JAF Mate(JAFメディアワークス刊) 2019年6月号



(詳細は→コラム「一つ目信号機の受難」)