「きかんしゃ」バス
タイトルからして意味不明やけど、気にしないで書くことにする。だって、だってなんやもん(死語)。
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使い道のない免許と思っていました。
・車両をけん引するのに必要な けん引免許。
・運賃をいただいて旅客運送をするのに必要な 各種の2種免許。
その2つを合わせた「けん引2種免許」と呼ばれるものは。
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そのまえに、けん引について勉強しておきましょう。
もっぱら大型車による輸送がメインでして、以下の図のような組み合わせで行います。
(C) いすゞ自動車
両者の連結は、トラクタ後部のカプラにトレーラー部のキングピンをガチャコンと差し込むことで完了。
たったこれだけです。でもそのおかげで連結・脱着が簡単に行えるし、車体の大きさのわりに小回りも利くんですね。
なお、トラクタ単体で走行するならば、大型1種免許だけでOKです。
トラクタはそもそも重量物をけん引するための車両ですので、
最大クラスだとエンジンは1万5000cc(!!)で520PS、230kg-mと桁違いの馬鹿力を誇ります。
こういう性能ですので、何もけん引せず トラクタ単体で走っているのは言うまでもなく暴れ馬です。けんか売らん方がいいと思うよ(笑)。
おれ、大型1種持ってるし、コレ乗って暴れまくったろうかな(笑)。
で、自身だけでは動くことができないトレーラーをけん引するとなると、大型1種免許&けん引1種免許の2つが必要になります。
つまり、運転免許を何も取得していない状態で けん引免許を単体で取得したとしても何の意味も為さないということです
(たぶん取得させてくれませんが(汗))。
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さて、勉強したところで話を戻しましょう。
「けん引2種免許」です。
その昔、「連節バス」(→コラム「バスだって繋いちゃえ」)の運転にはこの免許が必要でした。
↓こういうやつです
(Wikipediaより拝借)
ですが、アコーディオン状につないである各車両を別々に切り離すことが出来ないため、現在は大型2種免許で運転OKになっています。
けん引2種免許を使う乗り物は連節バスくらいと思っていたので、
冒頭で書いたように、結局のところ けん引2種免許が必要な乗り物は存在しない…。こんな免許、無用の長物だと思っていたんです。
ところが、あったんです。正直驚きました。
↓コチラ
(Wikipediaより拝借)
線路を走るSL+客車と違いますよ。
SLのデザインをしたトラクタで客車をけん引する「トレーラーバス」です。
大胆なデザインですが、これでも 運賃が必要な路線バス。
つまり、これこそ大型2種免許&けん引2種免許が必要な乗り物である、と。
この手の乗り物は、遊園地などの園内の移動用に走っているものはあると思いますが、
公道を走れるのはニホンでこのSLみたいな車両たった1台だけでした。
東京都日の出町で運行されていたんです。
こんなのが道路を走ってたらチビッコら大喜びやったやろうなぁ。
大人のおれでも喜んだと思うし(笑)。知ってたら生で見たかったなぁ。
過去形で書いているのは、もう現役ではないからです。
経年劣化のため2023(令和5)年3月で運行を終了し、今後車両を活用できる第三者に譲渡することになったんですね。
こうして、けん引2種免許は再び日の目を見ない免許となりましたとさ orz
しかしながら、このコラム掲載時点(2023年7月)では譲渡先が決まっていると思います。どなたがゲットされたのでしょうね。
夢のある乗り物やと思いますし、第二の人生でも活躍してくれることを願っています。
画像引用:
・いすゞ自動車「トラック大図鑑『トラクタ・トレーラーの連結装置』」より
https://www.isuzu.co.jp/daizukan_tra/tractor_trailer.html
・Wikipedia「連節バス」の項
参考記事:
・JAFmate online 2023年5月2日付配信記事
https://jafmate.jp/car/traffic_topics_20230502.html