アンビューティフルライフ



このコラムに該当する方は、僕のHPなど見てるはずがないので、自由に書かせてもらう。


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原チャやビジネスバイクなどの実用的な車種を除いた「バイク」って、ある意味硬派な乗り物というイメージが
僕の中にはありました。

そう、汗臭ささが似合う体育会系といえば近いかな。
モータースポーツとも言いますし。



それを覆したのは、2000(平成12)年に放送されたTVドラマ「ビューティフルライフ」
SMAPのキムタク(木村拓哉)が乗っていたヤマハ・TW200です。



極太のブロックタイヤが特徴的なオフロード系に属するこのバイクを、
バッテリーやエアクリーナーを取っ払い、
シートをペッタンコにし、
ウィンカーを超小さいのにし、
マフラーを爆音のものにするなどの改造
を施し、ドラマに登場させたのです。


後に、バイクを横から見たらスカスカに見えることから「スカチューン」と呼ばれることになるカスタムチューンされたバイクを
超大人気イケメンアイドル、かつファッションリーダーであるキムタクが乗れば、
バイクを知らない若者はそれを無条件にカッコイイと思うわけ
で。



当然のようにスカチューンのTWが大流行しました。



その後、そのブームが手軽に乗れて見た目もカッコイイ、ビッグスクーターに飛び火したのだと思うのです。
メーカーも迎合するかのように新車種を次々発売しましたし。

派手なカラーリングにシャコタン、
鏡面仕上げのパーツ、
ネオン管がビカビカ光り、
オーディオにウーファーでヒップホップを重低音をビンビン響かせ、
音量規制?なにそれ?的爆音マフラー
(多くは「スパトラ」)で

我が物顔で走り回っていますね。



また、その格好も、いまどきのルーズな服装に半キャップ。メットも髪型が崩れるからと後頭部に掛けてるだけ。
足元は素足に樹脂サンダル(クロックス?)。



「こういうスタイルでバイクに乗らなきゃいけない」って決まりは無いけれど、↑は、あんまりじゃないの?
自分の身に災いが降りかかったとき、まず助からへんよ?



まぁ、ヤツらはバイクをバイクとしてではなく、
ファッションの一部として「見せるために」乗っているだけ
やからね。



だから、雨の日は乗らないし、ツーリングなどの遠出は絶対といっていいほどしない



それに永くは乗ってくれまい。じきに飽き、バイクを売り飛ばして次の流行を追いかけるのやろう。
そのほうがこっちとしては ありがたいけど(笑)。



信号待ちなどで、そういうバイクに横に並ばれ、
ヘタクソな歌
(ニポンのヒップホップは、楽曲をたしなむ僕からすれば「音楽」ではない)
無意味な爆音マフラーの音を聞かされると、虫酸が走るでは済まされないほど腹が立ちます。


ヤツらのせいで普通のバイク乗りまでもが、「だからバイクは…」という目で見られるんです。
ことに、ノーマルで真面目に走っているビッグスクーター乗りは最大の被害者ちゃうのん?



どこまでいっても迷惑です。



僕の「2相棒」だってノーマルからすれば各部に相当手を入れてありますし、
マフラーも 規制値上限の音量の社外品を入れているので、それなりにやかましいです。
だけど、それは見た目の追求だけではなく、末永く乗るために最低限の改造だ。
その分乗り方にも気を使ってます。



ヤツらに言ってやりたいわ。
父ちゃん母ちゃんから、人様に迷惑をかけるようなことをしたらアカンがな、って教わらへんかったん?と。
僕はその言いつけをこの歳になっても守っていますよ。


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ちなみタイトルは、beautifulの対義語として、否定の意味の「un」をつけた「unbeautiful」としましたが、
このような単語は存在せず、正しい対義語はugly(醜い)です。

こういう流行を作り出した原因に対して皮肉を込めてみたんやわ(笑)。