暖機運転推進委員会




がやってきました。
僕は寒かろうがバイクに乗りますが、寒さに弱いバイク乗りは次々と冬眠に入るシーズンです。
毎日の通勤でいつも出会うバイク乗りたちは、今のところは元気に走ってるようです。



バイク、好きですからね。
毎朝同じ時間に同じ方向に向かうバイクや、すれ違うバイクを、
いちいち よそ見してでも目で追います
し、
何台も顔見知り(いやぁ、喋ったことは無いから「バイク見知り」と呼ぶべきかな)になってますよ。
その彼らも、いつ冬眠するか分かりませんが…。



僕は逆に「見られてる」方でしょうね。赤いジャケットを着て赤いバイクですから目立ちますし、
朝の通勤時なら、ほかのバイク乗りたちから時計代わりにされてるかも(笑)。
僕を見て「自分がちゃんと定刻どおり走れている」と確認したり、ね。



僕も「時計代わり」にしてるバイクの方がいますよ。その方と出会うと、ちょっと安心します。



「ああ、今日も遅刻せずに職場に着けそうや」と(爆笑)。


もっと早く家を出んかい!なんて意見は受け付けておりません(笑)。


それはもとより、僕の場合、冬場のバイク通勤の際は、春夏秋シーズンより5分早く出発の準備をしなくてはいけなくなります。


エンジンの始動が悪くなるからです。



寒いと、エンジン自体も冷えているので、エンジンオイルなども硬く、
それが抵抗になってエンジンがスムーズに回りません。
そのため始動直後はすぐにエンストしたり、走りやギアチェンジがギクシャクしたりします。



そこで始動後走り出す前に、混合気を一時的に濃くしてやることでガソリンを燃焼しやすくし、
スムーズにエンジンが回るようにエンジン全体を暖めてやります。
その行為を暖気運転といいます。



混合気を手動で濃くする装置としてチョークがあります。
何それ?とお尋ねになっても不思議ではありません。
これが備えられてるのは、現在では一部のMTバイクだけですからね。


何故なら、スクーターや車にはチョークが付いてなく、代わりに便利なオートチョークという装置で、
自動的に混合気の調節をしてくれるので、運転者は暖気運転を意識する必要が無くなっています。




意識しなくていいだけで、ちゃんと暖機運転モードに入ってるんですよ。
たとえば、始動直後はエンジン回転数が勝手に上がるとか。

AT車だとDレンジに入れてると、アクセルを踏まなくても車が微速で動くクリープ現象が強くなるので、
このときにさらにエンジン回転を上げてしまうエアコン使用は注意してくれと、取説には必ず書いてあります。



スクーターでも同様。始動直後に走り出すと、モモモモモって感じの走りになり、煙も出ます。
これはオートチョークが利いてエンジン回転が上がっているところへアクセルを開けたために起こるものです。
しばらくするとエンジンが暖まりオートチョークがキャンセルされて普通に走るようになります。




最近の車は「暖機運転が不要」と聞きます。
どこぞかの超大物自動車評論家も
「暖機運転はガソリンを浪費し環境に負荷をかけるだけ。エンジンを始動したらすぐに走り出すのがいい
と著書に記しています。



果たしてそうでしょうか。



エンジンに一番負担がかかるのは、
実は完全に冷え切っているエンジンを始動させることなんです。


一般にコールドスタートと呼ばれるこの行為1回で連続で500km走ったのと同じだけエンジンを傷める
といいます。
たった1回でですよ。


これを人間の体に当てはめてみると分かりやすいかも。


ほら、朝起きたばかりって、頭も体もボケーっとしていて、
普通にシャキッと活動できるまで、顔を洗ったり朝ご飯を食べたりして…で1時間くらいかかりますよね。

運動前にウォーミングアップをしますよね?軽く走ったり、ストレッチをしたり。


つまり、↑の2つは、どちらもハードな動きをする前に十分体を温めてるわけですよ。
僕は陸上部出身ですので、部活でもウォーミングアップは十分行ってから練習をしてました。
そうすることで、本来の力を発揮できるからです。


朝起きた直後に、全力疾走など出来るはずがありません。
体を温めないで運動すると関節を痛め、心臓に無理がかかり突然死の原因にもなります。
寒い時期だと、体の動きが鈍りますので、より体に負担がかかるのです。



エンジンだって、人間の体と同じ、ある程度の暖かさがあってこそ本領を発揮すると考えます。


毎朝、何気なしにバイクなり車なりで通勤通学してるでしょうけれども、
実際にはその距離に毎日プラス500kmしてやらなきゃいけないくらいエンジンは酷使されてるんです。
そこへもって、コールドスタート直後にいきなりエンジンを高回転までブン回して走るのは、物言えないエンジンがかわいそうです。



それに、何も冷えているのはエンジンだけではありません。
タイヤもサスペンションなども同様に冷えているので、その性能を発揮できずにいます。
それを軽く動かしてやって暖めてやることで負担を軽減してやることも暖機運転のひとつです。
ちょっと意識してやるだけで、バイクの寿命がグンと伸びると思いますよ。


まぁ、毎朝遅刻しそうで、慌てて「2相棒」と家を飛び出していく僕ですので大きな声ではいえませんが(笑)。