黄色い異端路




道路外への逸脱を防止するためや、車道と歩道を分け隔てるために設けられているガードレール
正式には「鋼製防護柵」と呼ぶそうです。

べつに英語のままで構へんやんと思うんやけど、わざわざニホン語表記にしとかんと気が済まへんらしい(笑)。




過日、2012(平成24)年4月に、
京都府亀岡市で、通学途中の小学生と保護者の列に無免許で居眠り運転の18歳の男が運転する車が突っ込んで、
多数の死傷者が出た痛ましい事件(≠事故)
がありました。


この道は歩道と車道を隔てるものがなく、
せめてガードレールがあったらこのような大惨事にはならなかっただろうと言われています。


そんなガードレール。多くにおいて、その色はですよね。


白というと、純白という表現のとおり、ピュアなイメージがあります。



あれ、幾らするか知ってます?
国土交通省のHPを見てると、一般的なタイプのもので4500円/mもするんです。高ッ!!
工事費は6000円/mくらいするそうなので、

10mのガードレールで10万円以上のコストがかかっていることになります。



公共物って値が張ることは有名ですが、高くつく原因は、業者の言い値でやってるとかではないんですか?

だって、自分の稼ぎではなく、税金として 巻き上げた  徴収した金を使っている以上、
役所にコスト意識などないですもん。自分の懐が痛むわけじゃないからね。

価格競争させたら、もっと安く出来るに決まっているんですよ。


……僕の首が絞まりまくっていますが、どうしてでしょうか orz




そんなガードレール。
全国どこもかしこも白のガードレールにしてしまったために、周囲から浮いてしまって、
せっかくの風景が台無しになっている
ところもあります。



たとえばこの写真。




2000(平成12)年に名勝・天橋立(海面上のやや濃い緑色の帯。山ではありません)をバックに
僕の今は亡き「相棒」ことVFR400Rを撮影したものですが、

ものの見事にガードレールが雰囲気をぶち壊しています。
写真を見るたびに思いますわ。このガードレール邪魔やがな、と。



そこで、ガードレールも周囲の風景にあわせた色やデザインを採用する動きが進んでいます。


景観にやたらとうるさい京都市内のガードレールは、こげ茶色が浸透しています。
最近建てられた観光地などの電柱もこげ茶色が増えてますよ。



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先日、山口県に行ってきましたが、そこのガードレールは、他にはない、
ポジティブな言い方をすれば「個性的」、ネガティブな言い方をすれば「異様」さがありました。




黄色い黄色い。

ひたすら黄色い

これでもかというほど黄色三昧

人通りや車通りもほとんどなさそうな山道のガードレールまで真ッ黄色



山口県民が他所に出かけて真っ白のガードレールを見たら「色を塗り忘れてる!」と思うくらい
県内の道路脇は黄色化されています(笑)。



最後の写真だけわざと白のガードレールを入れてみました。少しホッとしたり(笑)。



黄色は注意を促す色なので、必要なところに目立たせる意味で使うべきなのに、
これだけ視界に黄色が入ってしまうと目が疲れてたまりません。




では、なぜこのようになったのか。

ガードレールを目立たせるためではなく、

1963(昭和38)年に山口県で国体が開催されたとき、
当時の県知事がガードレールを山口県特産の夏みかんの色に塗ることを提案したことが
始まりらしいです。Wikipediaにそう書いてありました(手抜き)。

だからガードレールの色は黄色ではなく、ややオレンジがかった「夏みかん色」らしいです。



これはこれで、「白」以上に周囲の風景との調和をぶち壊していると思いますが。
誰も疑問に思ってないのでしょうか山口県の皆さんは。



もし天橋立を望む道のガードレールが黄色やったら、引っこ抜いて宮津湾に捨ててやりますよ(笑)。