インディ・ジョーンズ気分!
さて、前回のコラムで旧国鉄・旧北陸線の廃線跡のトンネル群を紹介しましたが、
実は旧北陸線には、他にも「見どころ」があるんです。
地図の中央にある黄色い線の部分、旧北陸線を一般道化した 福井県と滋賀県の県境を跨ぐ区間です。
なんですか、この興味を引く文言は。
かつては、山岳地帯を行くのどかな鉄路だったのでしょうが、
今では北陸道と並走し、新旧が入り乱れた不思議な事情になってます(笑)。
実際に廃線跡を走ってみると、北陸道に挟まれてますし(汗)。
ここには、建設当時のままの姿を残す国内最古の鉄道トンネルがあり、「日本遺産」として保存されています。
明治14年ですよ…。1881年。
中に入ると、レンガ積みやSLなど機関車の煤など当時の技術と歴史を感じさせてくれます。
歴史や鉄道好きなら生唾ものですね。
で、本題はここからです。
僕がご紹介したいのはコチラのトンネル。
やはりちっぽけなトンネルです。
旧北陸線の、柳ヶ瀬トンネルといいます。
このトンネルが県境でして、こちらは福井県側です。
長さ1352mで、開通当時、日本最長。現役のトンネルとしては国内で2番目に古いです。
1964(昭和39)年まで鉄道用トンネルとして使用されていました。
当時の鉄道は単線が基本で、SLが通れるぎりぎりのサイズで掘られているのが特徴ですね。
複線って発想はなかったんやろうか。ニーズがなかったのか、駅などでのすれ違いで間に合っていたのか…。
高さ制限も2.8mになっていますが、2020(令和2)年頃までは3.5mでした。なぜ低くなったのかは謎です。年取って背丈が縮んだんやろうか?
まぁ、理由はともかく、単線仕様のトンネルのため、サイズの大きいバスやトラックがつかえるから通行禁止なのは分かるのですが、
標識を見ると、自転車と歩行者も通行禁止…。場所柄、わざわざ通る人もいないと思いますけど、どうして?
そして、頭上には北陸道が…。この界隈も新旧入り乱れた不思議な空間です。
単線、ということは車も交互通行でして、入口に信号がついてます。
青信号までの待ち時間はバータイプの電光表示で、それも表示が減っていくのがとても遅い。
正直いつまで待たすのかとイライラしてきます。
そういうわけで、時間を計ってみました。
すると、赤が6分20秒もありました。長ッ。ガッチャマンのオープニング曲が2回唄えるなぁ(笑)。
それに対して青信号は15秒。アクビしてる間に信号変わってしまうど(笑)。
この写真でわかると思うのですが、僕は赤信号を2回見送ってます。
つまり、こんな場所で十数分も時間計ったり写真撮ったりボケーッとしたり物陰で(※放送禁止)したりして過ごしたんです orz
で、青信号に変わるやいなや、しびれを切らしていた車6台が連なりトンネルに突っ込んでいきます。
僕、最後尾。信号が黄色ならないかヒヤヒヤしましたよ。赤信号3回目は勘弁ですから(笑)。
内部はツーリングマップルに書いてある通り、凄く雰囲気を出すトンネルでした。
狭いトンネルを疾走するサマが、
映画「インディ・ジョーンズ」で有名な、湯船をひっくり返したような ちっぽけなトロッコに乗って洞窟を逃げるシーンと同じような光景でしたね。映画見てませんが(笑)。
ホンマはトンネルの中で止まって写真を撮りたかったんですけどね〜、そうも行かない訳がありまして。
さっさと走り抜けてトンネルを出て滋賀県へ。
振り返ると「待ち時間」のバーが残り1本。青信号まであと1分を切っています。
↑この写真は青信号になった瞬間です。
つまり、インディ・ジョーンズのトロッコ同様に急がないといけないんです。
そのスピード、疾走感こそが、インディ・ジョーンズばりの雰囲気を出すのでしょうね。
モタモタしてたら対向車がトンネルに入ってきます。写真なんか撮ってる場合じゃないです。
そして、トンネル内で車を交わす幅は無いので、十分な速度を出せず 通過に時間がかかってしまう自転車や歩行者は通行禁止、というわけ。
もし北陸道を走るのでしたら、敦賀〜木之本の間だけは高速を降りて、
インディ・ジョーンズを堪能してみてはいかが?
参考記事:京都新聞 2020年8月18日付夕刊