敦賀駅〜今庄駅間をくぐり抜けろ
今回は、バイクで訪れたいスポットをお送りします。
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文明開化とともにニホンに鉄道が入ってきて、明治・大正から昭和初期にかけて敷設された鉄路は、
その技術力の不足から急峻な山を避け、できるだけ山あいの「通しやすい」ところが選ばれていました。
それらは後に技術の進歩により、新たに掘られたトンネルや谷をまたぐ橋梁等に置き換わったことにより廃線となり、
線路を取っ払って道路に転用しているところがあります。
その道は総じて、ある特徴があります。
ほとんどが単線だったため、当時のままの道幅だと1.5車線ほどしかありません。
そして当時の技術の総力をもってして掘られたトンネルにしても、汽車が通れる幅しかないため、とっても小ぶり。
(→廃線跡が登場するコラム
「おひとり様100円の『レベル3』」
「オバケなんて無いさ、オバケなんてウソさ」)
そんな当時の技術の総力をつぎ込んで掘られたトンネルが遺構としてまとまった形で残っているところがあります。
海と山に挟まれた難所である福井県のJR北陸本線・敦賀〜今庄間は、
今でこそ延長13kmにおよぶ長大なトンネルになっていますが、
かつては、狭隘(きょうあい)な地形を縫って鉄路が設けられ、
たくさんのトンネルが連なって存在していました。
1960年代に道路に転用されてからは、敦賀〜今庄間を繋ぐ地味な生活道路として使われてました。
が、最近になって一帯を再整備し、鉄道遺産として今はその存在を示しています。もちろん通行可。
R365の「今庄駅」から、県道207号線〜北陸道杉津PA前を経由〜北陸道に挟まれた道を通り、
R476へとつながる区間です。
地図はコチラ↓
トンネルが好きな方は是非どうぞ♪
そして、肝心のトンネルは元・単線ゆえ小ぶりなので、途中で車同士がすれ違うことができません。
そのため先入車優先です。
今庄側の最初のトンネル「山中トンネル」の入口は、
急な坂を上るためのZ字型の「スイッチバック」の遺構も残っていて、当時の鉄道を走らせる苦労を思い知らされます。
さてトンネルに入ろうかなとすると、出口側に車の姿が見えました。
ちなみに山中トンネルは1170mもあるんですけど、車の姿が捉えられるほど、狂いのない一直線です。
先に来てもらおうとパッシングをすると、対向車もパッシングしてきました。
それにしてもヘッドライトの光ってよく届くんですね(感心)。
どうやら僕に先にトンネルをくぐってきて欲しいらしい。もしかして、怖いんやな?
m9( ̄ー ̄) ニヤリ
普通に走っても1分は軽くかかるトンネル内部は昔のままなので、壁面はレンガ張りで、歴史を感じさせます。
対向車が待ってますので、ゆっくり走って内部を観察してる間がないんですけど(汗)。
そのトンネルを抜けると、怖がりなマツダのセダンが僕の通過を待っててくれてました。
…のすぐ先に、次の「伊良谷(いらだに)トンネル」が。
今度は、入口に信号がありました。
先ほどの山中トンネルと違い、トンネルがカーブしていて先が見えないため、
車両同士が鉢合わせしないように交互通行できるよう配慮されています。
などなど、このような古式ゆかしいトンネルが約10本現存しています。
全部紹介したいところですが、コラムではここまで。残りはバイクで行ってぜひとも自分の目で見て欲しいですね〜。
なぜなら、トンネルとトンネルの間の急峻な山あいから時折見える日本海の絶景や、うっそうとした森林の息遣い、
トンネルの中の湿気の多くひんやりとした空気感を味わってほしいからです。
先人たちの努力の結晶を見て、体で味わってみてくださいな。
※自転車だと、信号のある交互通行のトンネルを時間内に通過できないと思いますので、普通の脚力の方はお勧めしません。