本籍地は最果ての地(希望)
いきなりですが、お手持ちの免許証を見てみてください。
ここには2つの住所が記されています
(※初出時。免許証における本籍地の記載は、2010(平成22)年更新分までに終了しています)。
ひとつは現住所。
もうひとつが、本籍地です。
現住所は説明不要ですよね。今住んでいる所ですから。
では、本籍地ってのは何なんや?
僕の免許証を例にとってみました。
伏せていますが、僕の本籍地は、父親の実家があった場所になっています。
後に実家は引越しまして、現在この地にはテナントビルが建っています。
もちろん僕の身内とは一切関係がない建物です。
僕は長きにわたって、「本籍地は世帯主の実家のある住所」と思い込んでいました。
よくわからないけど、本籍地とはそういうものだ、と。
ところが、実家が引越しをしても、本籍地が変わらなかったことと、
それを皇居の住所にしている人がいると聞いて、強い疑問が生じました。
この住所って、何の意味があるの?
実際、本籍地が記されているものといえば免許証くらいしかないですもん。
役所で住民票の写しを取っても省略される項目なのに。
広辞苑で「本籍地」を引いてみると、
人の戸籍の所在地。 都道府県市町村地番を以って表示され、現実の住所とは関係なしにどこに定めてもよく、また自由に転籍できる。 (注)戸籍制度とは、住民登録制度とともに、日本の国民を管理する制度 |
とあります。
テレビの番組でも本籍地について取り上げていました↓
やはり、全く意味がないものだったのです。
強いて言えば、「国籍がニポン国にある証拠として、国内の住所を1ヶ所指定せよ」ぐらいのものでしょう。
この歴史をひも解くと、かつての徴兵・徴税のために設けられたものらしいのですが、いまや無用の長物。
諸外国にも本籍などというものがあるのだろうかと調べてみると、
東アジア特有のものらしいのです。
かの超大国・アメリカにもありません。すべての手続きは現住所だけでOKだとか。
それが本来の姿でしょうね。
ただ、本籍地の都道府県が住民票のある住所と違うと困る場合がひとつだけあります。
戸籍などの謄本(とうほん)を取る場合、本籍地のある役所でしか手続きできない点です。
だけど、謄本を取ることなんて、一生に何度もあるわけじゃないですし、郵送で手続きが出来ます。
事実上、本籍地がどこにあろうが困ることは無いということです。
だったら、こんな制度をとっととやめればいいのに やめないところがニポンらしいところ。
それなら僕も本籍地をどこか突拍子も無いところに移動させたい…と思うのですが、
家族全員一緒に変更しないといけませんし、少しわずらわしい…。
どこでもいいのだからと、すごい場所を本籍地にしている人がいました。
領有権などを巡って問題になっている島々、
★ロシアが実効支配をしている北方領土(北海道根室市など) ★韓国が「独島」と呼び、韓国軍を駐留させ実効支配をしている竹島(島根県隠岐郡隠岐の島町)、 ★中国が「釣魚島」と呼んでいる尖閣諸島(沖縄県石垣市)、 ★やはり中国が「島ではなく(排他的経済水域を持たない)岩だ」と主張する沖ノ鳥島(東京都小笠原村) |
に本籍のあるニポン人がいるというのです。
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もいるそうです。僕の先を越されましたわ(笑)。しかも年々増え続けているそうです。
いずれの島にも住民票に「住所」として記載している人はいませんでした。
最近の領有権問題でこれだけ騒がれると、いつかツワモノが住民票を置くんじゃないかなぁ。
コンクリートと網で覆われた、畳半分ほどしかない沖ノ鳥島に(笑)。
参考資料:
毎日新聞 2005年5月18日付朝刊
京都新聞 2011年2月21日付朝刊
2011年11月3日の早朝にやっていたテレビ番組(番組名は忘れました(笑))
(2005.9.6公開)
(2011.2.21追加)
(2012.5.11追加)