無冠の帝王



毎年この時期(秋の季節)になると、叙勲受章者が発表されます。


簡単にいえば、業績のあった個人・団体に対し、
政府から天皇の名において「あんたはエライ」と表彰してもらうことですよね。
運動会の賞状の超スゴい版って感じですか(全然違う)。



2003年までは勲1等とか勲2等などと順位をつけていましたが、
功績に順位をつけるとは何事だということとか、時代にそぐわないとかで、
現在は、大綬章、重光章、中綬章と呼んでいます。
が、これらは順に「勲○等」を言い換えただけで、優劣をつけてるのには全く変わりがありません。
どーもこの島国のエラい人たちは順位にヤケにこだわる傾向があります。



新聞に受章者が記されていましたが、年齢を見ると、年寄りばっかり。
受章は70歳以上と決められているからなんです。
それじゃ年寄りばっかで当然やな。



そこで、今回の受章者と受章の元となった功績を見てみると、







一体何を基準に選んだのかと首をかしげたくなりました。
「○○の発展に貢献/尽力した」とか「国政の枢軸に参画」とか「重責を果たした」とか「大学の名誉教授」とか…。
いかにも勲章が喉から手が出るほど欲しいと思ってそうな「地位の高い」人多数


んで、こんなものがホントにお見事といえるほどの業績なの?
なんとかして後世に自分の名を残そうとしてるのがバレバレやで。



「高い地位」は「偉い」とイコールではない。



だって、今の「高い地位」の人たちのしてることをよく思い返してみてくださいよ。
汚職だの、隠ペイだの、国民の首締めだの、私利私欲だの…。
名誉教授なんて教育や研究で功績のあった人(基準が不透明)を大学が授けるものなので手に入れやすいですし。


そして、叙勲の順位の高い人は、いわゆる「官」の人ばかり。
順位の低い人は「民」の人ばかり。
公務員の方がパンピーよりエラいっていつ決まったんでしょう?


「あんたはエラい」と言ってもらって高飛車になってるヤツって、
実のところ大したことない
なぁと思うのです。
裸の王様って感じがしてね。


それより、毎日近所の角掃きを何十年も続けてるオッチャンオバチャンのほうがもっと偉いし、
街角で将棋倒しになってる自転車をサッと起こせる人のほうがずっと偉い。おれは尊敬するよ。
そんな人たちに冠を授けようとしても、遠慮するでしょうけどね。


勲章制度そのものが時代にそぐわなんじゃないかな。
スポーツなどで勝ち取った金メダルは栄誉あるものだけど、
いわゆる「高い地位」を長く務めれば無条件でもらえるようなものなど、何の価値もない気がします。
それをありがたがるのだから始末におえないよニポンのご老人方は…。


だれか受章を辞退してほしいなぁ。そうしたら、その人に人間として本物の箔がつくんじゃないかな。

(2005.11.4)