景観条例のとばっちり
京都市内では、古都の街並みを後世に残すべく、全国でも最高レベルに厳しい景観条例が施行されています。
代表例としては、建物の高さ規制や色彩、素材ですかね〜。
マンションでも1〜2階部分には瓦葺きの軒(のき)が必須だったり、
通りに面して設置するエアコンの室外機には格子状の覆いをして目立たないようにしたり…。
HP上では景観条例に即した色彩になっている全国チェーンのお店の看板にスポットを当てて
大々的に取り上げています(→コラム「景観条例の波受けて」(※複数ありますので代表で紹介))。
そんなお店たちにちょっとした「異変」が起こっていることに、京都にお住まいの皆さんお気づきですか?
論より証拠、写真をずらずらと並べてみますね。
店先の庇(ひさし)の部分に注目。
最後の写真の2枚を拡大してみましょう。
塗りつぶした/消したような跡がありますよね。
これらのお店、畳んでしまったわけではありません。ちゃんと営業しているんですよ。
居抜きの店舗を再利用したわけでもありません。
なのに、ブサイクな有様を晒している…。
なぜだと思います?
実は、庇の部分に店舗名などが書いてあったために
看板と見なされて景観条例にひっかっかってしまったんですよ。
なので、そこを塗りつぶしたりして「看板」ではないようにした…。
ここで取り上げている店舗は全て個人商店です。
看板って見た目以上に値段の張るものなんですよね。
だから、体力のない個人商店などは規制に適合した新たな看板を新調せず(できず)、
最も安い 塗りつぶすという選択をしたのではないかと推測します。
これでは、一体何屋さんなのか分からないですやん。
取り上げた写真の中には、永く夫婦で切り盛りをされている 僕のお気に入りのお店も含まれています。
看板ってお店の顔ですやん。それを一律に条例だからと線引きしてしまうってのはどうなんでしょうね。