新ルート・京都御苑貫通線




長く都が置かれた京都。
その京都盆地のど真ん中にあるのが、京都御苑。その中にあるのが天皇の住まいである御所です。
御苑は市民の憩いの場として24時間年中無休で営業(?)してます。



御苑には街灯がほとんど無いため、夜になると真っ暗です。
それなら人も居なかろう…と思いきや、昨今の健康ブームからか、御苑をランニングしてる人がちょくちょくいるんですよね。
暗闇で、背後からザッザッと足音が聞こえてきたら僕でもビクッとなります。

しかし、御所は24時間年中無休で皇宮警察が警備をしてますし、
御苑内はパトカーが赤色等を焚きながら走っていますので、

暗闇という危なっかしそうな空間にもかかわらず安全度が高かったりします(笑)。



パトカーが初代プリウスというのも環境に配慮しているんですかねぇ。それも純正色のまま。
前部ドアに「皇宮警察」と書いてあります。
エンジン音がほとんどしないので、背後から砂利を強く踏みしめる音だけさせて走ってます。




しかしながら、御所の内部はというと、
ごくまれに天皇一家が京都に遊びに来たときや、国内外の「偉い人」が来た折に別荘代わりに使ってるくらいで、
基本的には閉ざされた空間です。


年に2回くらい一般公開して「どうやどうやスゴイやろ」と僕たち下賎の者に見せびらかしたりします。
入場料は取られませんので、一般公開のときは「突撃!隣の晩ご飯」ばりに遠慮なくどうぞ(笑)。


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そんなことを書くためにこのコラムを書いたのではありません。

市民の憩いの場である南北1.2km、東西700mもある広大な御苑には、謎めいたものが現れるんです。





↑御苑を訪れたことのある方なら見たことあるかと思います。

砂利がひかれた中に延びる、一本の細いワダチ。幅は広いところで30cmくらい、狭いところで10cmあるかないか。



御苑内のあちこちに一本のワダチがあります。
一ヶ所に何本もの線が現れることはまず無く、ほとんどの場合、一本。



たまに十字に交差しているところも→ 




これ、なんだと思います?
知らない方からすれば田んぼの稲穂が円形状に倒れる「ミステリーサークル」のような怪奇現象と恐怖に陥りそうですね(笑)。



実は…、夜な夜なUFOが御苑に舞い降りてきて、地球人にメッセージを…。





スミマセン、ウソつきました(謝)。



正解はコチラ↓




実は、自転車の通り道なんです。



周辺道路の歩道は狭いため、御苑は格好の抜け道にも変身します。
朝夕の通勤通学その他で御苑を通り抜ける自転車は一日に5000台もいるとNHKの番組で言ってました。

ただ、御苑は粒の細かい砂利が万遍なく敷かれているため、タイヤの細い自転車だとハンドルを取られやすいんですよね。
だから、自転車は自然と砂利の薄い部分だけを集中的に通り、
いつの間にかその部分の砂利が無くなってしまい、結果、一本のワダチ(轍)になるというわけです。



ワダチが一本しかないのなら、対向から自転車が来たら困るやないか、って?
それはご安心を。
慣れると、あうんの呼吸でお互いにサッと避けあえます(笑)。



僕もこの写真を撮るために久しぶりに御苑を自転車で走りましたが、対向車との離合は息が合ったかのように鮮やかに決まりましたよ。
まぁ、こんなものが上手くいっても別段嬉しくもないんですけど orz



年に何度か砂利の補充などで整地される際、ワダチも無くなってしまうのですが、
また、いつの間にか自然と一本のワダチが出来上がっています。



NHKのニュース番組によると、1965(昭和40)年ごろに御苑を撮影した写真にも同様のワダチが写っていたとのことで歴史は長そう。
京都の自転車乗りはいつの時代も平和なようです、ね?


取材をした2010(平成22)年11月21日は、御所の一般公開中で
普段は自転車以外の車両が入れない御苑に観光バスがずらずらと並んでいました。


しかも、ワダチのふさぐような形で駐車してくれてましたので、
避けて深い砂利を走ったら、本当にハンドルを取られてコケそうになりましたわ。






※おことわり

本文中では敷地全体を「御苑」、その中の天皇の住まいを「御所」と正確に表記しましたが、
普通は、御苑も含めた全体を「御所」と呼んでいます。

それから、皇宮警察のプリウスはガソリンエンジン車のアリオンに代わっていました orz