パーク&ライドなんて
世界に名をとどろかす観光都市、京都。
毎年一千万人単位の観光客が入洛します。
長いこと京都人をやっている僕なので,、さぞかし京都のことを知ってるだろうと、
他府県に住む友人らが僕にガイドをしてくれとか頼まれることがありますが、
単純に住んでるだけで、京都の観光スポットや歴史についてなど、ほとんど知りません。
観光に来る人たちのほうが京都を良く知ってます。僕よりはずっと(笑)。
京都に関するガイドブックや書籍もたくさん出てますし、予習もバッチリでしょう。
本音で言うなら京都など、人口が多い「一地方都市」だと思いますよ。
今年(2004年)から「京都検定」なる“京都通”のための準・資格試験が行われますが、
その出題範囲となっているバイブル、「京都検定テキスト」ですら70ヶ所あまりも内容が誤っているのに、
それを堂々と放置し続けたんですよ。
これから見ても、京都人のレベルなど知れてます。
「古都・京都」などといいますが、晴れやかな名所旧跡ばかりではありません。
ちぐはぐな街づくりのせいで、戦火を逃れた由緒正しき街並みがメチャメチャにされてきてるのに。
おれはあんなハゲ狸に投票してへんで!
京都が嫌いになる「裏京都ツアー」のガイドなら買ってでますよ(笑)。
観光地ならではの問題も当然あります。
車ですよ、車。
賢くない観光客たちは、行動がとりやすく手軽な車で乗り込んできます。
確かに公共機関だと時間や行動の制約が発生するので、気持ちは分からないでもないんです。
でも、ここは世界有数の観光地、京都ですよ。
アンタだけが車で来るわけじゃない。
そこで、京都市は「パーク&ライド」を実験することにしました。
これは、観光客の車を郊外の駐車場に置いて、そこから観光地までは公共機関で行くことで、
観光地周辺の渋滞を緩和しようとするものです。
世界に誇る観光都市だけあって、時間が遅れて同じ系統の市バスが3台もつながって走ってたり、車両が狭くて人気抜群の地下鉄東西線など公共交通も充実してます。
それも、乗り継ぎ割引は専用のカード(3000円)を買わなきゃいけないし、
観光客向けで役に立つといえば、市バスと地下鉄でしか使えない1日乗車券(1200円)や、市バス1日乗車券(500円)くらいです。
京都市の北西部、西部、南部の市バス路線は適用外。
我らの山科区は唯一、市バスが走ってない行政区です。
とにかく、実験は嵐山や東山周辺で11月13・14日、20・21日の4日間実施されました。
その結果が新聞に書かれていました。
京都市では1回100円で利用できる合計1600台分の駐車場を市内3か所にもうけていました。
が、
13・14日は計519台。
20・21日は計1005台の駐車台数で、昨年の2750台に はるかに及びませんでした。
このみっともない結果に、京都市交通政策課は、
「実施日が去年より1日少なかった」とか
「紅葉が遅れたから」とか
「3連休がなかったからから、車で来る観光客が少なかったのでは」とか
言い訳ばっかりしてます。
原因ははっきりしてるやん。
ぜんぜんPRしてないんですもん。
僕は以前から知ってましたが、
それは京都市民向けに発行されてる市の広報誌「市民しんぶん」に小さく書かれていたのを見逃さなかっただけです。
こういう事態が分かりきっている地元の人たちに宣伝してどうすんねん。
賢い京都市民は、言われなくてもこの時期は最初から車を使いません。
本腰入れてやるなら、
高速のインターで車の観光客にパーク&ライドやってますと、駐車場へ誘導したりとか、
バス・地下鉄の1日乗車券を割引販売したりとか、テレビやラジオCM流すとか、
努力を惜しまないでほしいな。
努力が足りないから車の観光客が減らないんでしょうが…。
紅葉シーズンの京都市内の幹線道路は、
至るところで他府県ナンバーの車があふれ、悲惨な状況でした。
抜け道をしようと狭い道に入ったが最後、ほとんどが一方通行ですので、元の道に戻るのは至難の業。
カーナビに頼ると馬と鹿を見ます。
これでは、車でもバスでも目的地にたどり着く前に日が暮れてしまうわ!
地元の方まで動きが取れなくなって迷惑です。
特に最悪だったのが清水寺や高台寺がある東山周辺。全く動いてません。
京都駅〜東山間でシャトルバスを出しても、渋滞してたら何の意味もない。
清水寺周辺の道路は狭い上に駐車場がほとんどないことを教えてやらなアカンで。
車では行けませんよ、って。
そこを先頭にして何キロも先まで渋滞してるんやから。
車はずっと手前のコインパーキングに入れて歩いたほうが早いんじゃない?
仕事帰りにその渋滞にハマった僕は、キレてましたよ。バイクだったので、その機動力をもって切り抜けました。
このコラムをお読みの他府県からお越しの皆さん、
お願いですから、後悔しないためにも、どーか車で観光に来ないでください。
京都観光の最強の交通手段は、ほかでもない、自転車ですよ。
それか、メチャメチャ暑い真夏や、底冷えする真冬は全体に空いてるので、いいかもね(笑)。