桜回廊25分間の旅
長い冬を抜け、桜のつぼみが膨らみだすと、ありとあらゆるモノトーンが色づき始め
京都市内は活気づきます。
今まで地元で冬眠されていた方々が京都へドドドッと観光に来られるんでね。
桜の咲く前後2週間で、こんなにも人出が違うのか!!というくらいです。
これだけ多くの方が来て下さってるのを見てると、
先日(2014(平成26)年4月)実施された消費税増税の影響なんて全く感じられないですわ。
まぁ、活気づくのは観光産業に関する皆さまであって、僕たちフツーの京都市民にとっては
冬の間、我が庭のように 仕事をサボりに のんびり過ごせた社寺仏閣・旧所名跡が
観光客の皆さまに乗っ取られてしまうので面白くないんですが(;´∀`)
もっともっと京都に人を呼びこみたいと下心を出している京都市の政財界は、様々なイベントを開催して
年中京都に興味を持ってもらおうと必死です。
ひどいコース設定有名な市民マラソン大会の「京都マラソン」が3月開催から2月開催に変更になったのも、
観光客の少ない真冬に京都に人を呼び込んでお金を落としてもらおうという魂胆から
ですからね(事実)。
こんな感じですので、普段から京都に慣れ親しんでいる京都人が、
この手の観光客向けのイベントに興味がなくて当たり前なんです。
しかしながら、観光客向けのイベントを地元京都人が楽しむとどうかな?と思いまして…。
遊んできました(笑)。
以前から前を通るたびに気になっていた、コチラ。
明治時代に琵琶湖の水を京都に運び、同時に水力発電と水運を行う目的で造られた琵琶湖疏水があります。
いまでも京都に水と電力を供給してくれる大切なライフラインである疏水の両岸は桜並木になっていまして、
4月初旬ころは、疏水周辺はピンク色に染まっています。
その疏水を昔の水運に使った十石舟に乗って楽しみませんか…というもの。
桜が満開になる2週間ほどだけは夜桜運行を行っていまして、興味があったんですよね。
そこで観光客のフリをして舟に乗ってまいりました(笑)。
2014年4月4日の夜、左京区の南禅寺前交差点付近にある船着場にやってきました。
京都市動物園の南側ね。
ここにある噴水は年中無休で水を噴き上げていまして、電力がもったいないやんと思っていましたが、
なんと疏水の自然流水の勢いだけでこれだけ噴き上げているんだそうです。
それまで春の陽気だったのに、この日は気温7℃と急激に冷え込み、真冬の格好で舟に乗り込みます。
防寒着を持ってない人は乗船時にボアコートを貸してくれる親切さ。
船頭の若いお姉さんは寒いからかモコモコに着膨れして、べっぴんさんが台無しでしたよ(笑)。
うまい具合に船首の席を陣取ることが出来ました。
この十石舟、屋根が低いので、
真ん中あたりに座ってしまうと、前も後ろも見えず横からの風景しか見えないんですよね。
船頭さんのアナウンスを交えながらライトアップされた桜の間を舟はゆっくりと進んでいきます。
船首に座っている僕の目の前には桜回廊が広がり、優雅な気分♪
これで宴会をしたらさぞかし盛り上がるやろなぁ。残念ながら酒は出ませんが(笑)。
途中、6つの橋をくぐります。そのうち桁下の低い2つの橋をくぐるときは、
ただでさえ低い舟の屋根が更に下がります(汗)。なかなかスリリングですよ。
以前より沿道から行き交う十石舟を見おろし、ええなぁ乗ってみたいなぁと写真なんぞ撮っていた僕でしたが、
今は逆に沿道の人から手を振られ、写真を撮られる有様。ちょっと照れちゃいますね(´∀`*)
夷川発電所前の船溜まりでUターンをし、また南禅寺前の船着場までの往復25分の旅は、
都会の中では滅多に味わえない贅沢な時間でした。
結論:京都人であっても観光客向けイベントは楽しめる。かもしれない(笑)。
このときは待ち時間ナシでしたが、桜が満開のピーク時は当日券が早々に売切れてしまうほどの人気なんですよ。
4月初旬に京都を訪れる際には、観光コースに入れてみてはいかがでしょうか。
あ、料金は大人1000円(※コラム掲載当時。現在は1200円)です。チョイと高い、かな。